
トーナメントでは15番ホールとして使用される西コースの8番。ティーイングエリアから300Y地点にポットバンカーを設置。写真の真ん中にあるのが新設されたバンカー
横浜カントリーが開催コースの候補に上がったのはおよそ3年前。当時はZOZOチャンピオンシップが習志野カントリーで開催されていたがあらゆる可能性を考慮し将来的な開催地を水面下で模索していたのだ。
「アマチュアにとっては十分にチャレンジングなコースですがPGAツアーの開催コースを選択する専門家が最初に横浜カントリーを訪れたときには(ツアーを開催するには)もっと難しくしなくてはいけないといわれました」と振り返るPGAツアーアジア太平洋社長クリス・リー氏。
開催が決まったタイミングで条件を満たすべくリノベーションを敢行。18ホールのうち7、8ホールで大小の改造をおこなった。
横浜カントリーの西コースは10年前に世界的な設計家ビル・クーア&ベン・クレンショーが大々的改修を手がけ新しく生まれ変わった。今回はそれほど大掛かりではないが、たとえ小さな改修であっても両巨匠の承諾を得て作業がおこなわれたという。
最大の変化は15番ホールに新設されたフェアウェイ300ヤード地点のポットバンカー。新たなバンカーの出現はティーショットのクラブ選択に大きな影響を与え戦略性が増した。トーナメントディレクターのスタイナー氏は「スコアメイクの鍵を握るホールになる」という。
日本オープン(直近では18年)では西コースが使用されたが今回は西コースから16ホールをピックアップ。順番を入れ替え東の17番と18番を組み込むコンポジットセッティングが採用される。
コースの全長は7315ヤードでパー71。2025年のPGAツアーの平均が7300ヤード、パー71なのでほぼスタンダードだ。
猛暑に見舞われたこの夏、アジア最大級のトーナメントに相応しいコースに仕上げるため急ピッチでバンカーやティーイングエリアの増設が進められた。
それはもちろん競技の質を上げるためでもあるが、ギャラリーにとってよりエキサイティングな舞台にしたいという切なる思いから。来年、再来年だけでなく長期的な展望で「今後も改修を続けていく」という。
たとえば16番パー3は237ヤードの設定だがティーの位置を4カ所用意し「日によって190ヤードから240ヤードまで変化させることができる」ようにする。

トーナメントでは18番ホールとして使用される東コースの18番。フェアウェイ右サイドの樹木を大胆に伐採した
18番のフィニッシングホールも右サイドの樹木を大胆に伐採。右サイドの池が視界に入りクラブ選択を難しくしている。
「終盤4ホールにはホスピタリティエリアを展開。グリーンサイドが大勢のギャラリーで埋め尽くされれば最高の景色になるでしょう。観客もドラマの一部。それを我々は期待しています」(スタイナー氏)