▶金子駆大がジュニアに教える! 「飛ばそうとするな」が飛ばす秘訣? “右を向かない”セットアップと「腕を振る意識」【飛ばし編】」

解説/金子駆大プロ
かねここうた。2002年生まれ。愛知県出身。中学2年の時に中部ジュニアを制するなどジュニア時代から活躍。2020年にツアープレーヤー転向を果たし、今季は関西オープンで初優勝を飾っている。NTPホールディングス所属
その2 アプローチ編「フェースにボールが乗る感覚をつかもう」
感覚が鋭いジュニアだけにアプローチでの悩みは少ないかと思われたが、意外にも質問はこの日、最も多かった。
「みんな上手いですね。ただ、もっといろんな球を打つ練習をしてもらいたいです。これは僕自身がプロになって感じていることですが、ジュニアの頃から“当て感”を養っている人って、やっぱりショートゲームがめちゃくちゃ上手いんです。形にこだわらずに1本のクラブでいろんな球を打つ。フェースに当たる感覚を磨くことで、大事な場面でミスがなくなります」

アプローチはサンドウェッジと決めつけずに、練習ではいろんなクラブを使って、いろんな球を打ってほしいと金子。その中で大事にして欲しいのが“当て感”。要はフェースにボールが乗る感覚を養うこと。すると自然にアプローチでの本番力が上がるはずだ
金子いわく、ジュニアのように感覚を養うことはできないものの、大人になってからもいろいろな球を打つ練習は効果的とのこと。
「大事なことはボールがフェースにしっかり乗る感覚なんです。低く出すときも、高く上げるときも基本的にはフェースにボールが乗ることが大事。乗ることでスピンや距離感をコントロールできるわけで、球離れが早いと微妙な距離感を合わせることができません。大人も“当て感”を磨く練習をしてください」
3つのアドバイス
距離感を良くしたい
フェース面を開閉せず開いたまま振り抜く
“当て感”を磨くために大事なことはボールをフェースに乗せること。そのために必要なスキルがフェース面は常に開いたまま使うということ。フェースを開閉すると球離れが早くなり弾く感覚が強くなる。

フェースを開いたまま開く
握る強さに注意!
強く握り込むと球離れが早くなり距離感が出しにくい
グリップは体とクラブを結ぶ唯一の接点で、そこで力んでしまうとそれがヘッドに伝わり、柔らかいヘッドさばきができなくなる。言い換えるとヘッドの動きが鈍感になり、フィーリングを出しにくくなる。

強く握らない
ダフリ&トップが出る
飛ばない構えを作りしっかり振る!
インパクトで緩むとダフリやトップは出やすくなる。例えば下りのアプローチなど緩みやすい場面では、アドレスで飛ばない構えを作って、そのうえでしっかり振ること。緩まないためにどうするかを考える。

飛ばない構え
その3 メンタル編「“真剣”にいろんな球を打って楽しもう!」
思い出の大会だったので懐かしく思いながらレッスンをさせてもらいました。僕自身がそうでしたが、勝負にこだわり過ぎて、今思えばですけど、つらかった思い出もあります。今回ジュニアたちと接して感じるのは真剣に楽しんでもらいたいということです。
楽しいことは大事だけれど楽しいだけじゃダメだし、勝負にこだわることも必要。ただ、負けることやスコアを叩いてしまうことが悪いことではなく、もっとポジティブにとらえてもらいたいんです。負けたらダメではなく、負けて悔しいと純粋に思えること。そうすれば次はどうすればいいか、どんな練習をしようかと自ら考えるようになります。プロになって感じることは大舞台で楽しめている人ほど強いということです。

ボクが一番楽しんでる?(笑)
勝負を楽しむ。僕自身が今も大事にしていることです。といっても、なかなかできていませんけどね(笑)。
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「アナタの子どもが下手になる?」金子駆大が実体験を交えて伝える”親がやってはいけない3つのこと”を9月18日12時30分に公開予定! こちらも併せてご覧ください。
PHOTO/ARAKISHIN
THANKS/東名カントリークラブ