「エキサイティングな東京の街の体験は来年に持ち越すよ」

いつも感謝の気持ちを忘れないファウラーは、インタビューでも本当に正直に答えてくれる。2015年、ボスンの試合で優勝したときは、公式記者会見が終わった後、わざわざプレスルームに挨拶にやってきて、写真撮り放題、握手し放題という特別サービスを行っていた
GD 来週、日本で開催されるベイカレントクラシックの出場を断念したんですね?
ファウラー そうなんです。来シーズンのスケジュールを考えると、どうしても日本に行くことができなくなってしまって、残念に思っています。
GD 今年が4度目の来日のはずだったんですね。

会場に来てくれたファンには、時間の許す限りサインをするというファウラー。残念ながら、日本のファンがサインをもらえるのは、来年に持ち越しになってしまった
ファウラー 毎年、日本に行くのを楽しみにしていました。ZOZOチャンピオンシップのときは成田空港の近くのレストランに何度か食事に行きました。SAKEを飲んだり、SAPPORO(ビール)を飲んだり、とても楽しかったんですよ。
GD 今年からスポンサーが代わってコースも変わったんですよ。
ファウラー 試合会場がヨコハマになって、少し東京に近くなったんですよね。いつも試合が終わった日曜の夜は、東京まで行ってディナーをしていたので、とても楽しみにしていたんですよ。夜の街に行くのも楽しいし、食事もとても美味しいですから。

日本にルーツを持つファウラーの本名は、リッキー・ユタカ・ファウラー。ゴルフを始めるきっかけを作ってくれた、日系米国人である祖父・田中豊さんの名前をミドルネームに入れ、左腕にタトゥーを刻んでいる
GD 六本木とか、都心のエキサイティングな街にも行く予定だったんですか?
ファウラー 去年は日曜の夜に少しだけ行ったんですが、時間がなかったので、夜更かしはしませんでしたよ(笑)。今年は会場が近くなったので、楽しむ時間が増えると思っていました。
GD もし完全にオフの時間が取れるとしたら、日本でどこか行ってみたい場所があるのでし ょうか?
ファウラー いまは子供がまだ小さいので難しいですが、子供が大きくなったら行ってみたい場所はあります。実は、日本の北の方に行ってみたいと思っています。日本の人も文化も食べ物も好きですし、僕は日本にルーツがあるので、日本という国ともっと深く触れ合ってみたいんです。日本人はきれい好きで、礼節を重んじて、他人を思いやる心を持っていて、一緒にいて楽しい人たちという印象ですが、これで合ってますよね?
「日本の選手や日系の選手が活躍するのは本当に嬉しいことなんだ」

PGAツアー屈指の“いい人”キャラのファウラーは、松山と同組になると、いつも仲よく会話を楽しみながらラウンド。松山のパットのために、ピンを抜いてやるという気の利かせようだ
GD あなたがPGAツアーでデビューしてから、松山やシャウフェレ、モリカワといった日本人、日系人、日本に所縁のある選手の活躍が目立つようになりました。それと、いま女子選手が目覚ましい活躍を見せていますが、こういった現象について思うところはありますか?
ファウラー 日本でのゴルフ人気は本当に高いし、優れたプレーヤーがたくさんいることも知っています。僕がデビューした頃はリョウ(石川遼)がいた。あの頃、日本の選手は日本でプレーしている印象を持っていたけど、いまはどんどんアメリカでプレーする日本人選手や日系人選手が増えてきて、その活躍を見るのは本当に嬉しいですね。
GD 今シーズン、PGAツアーでは5人の日本人選手がプレーしています。松山英樹、久常涼、金谷拓実、星野陸也、大西魁斗で、久常は一昨年のフランスオープンで優勝しました。
ファウラー 久常とはヒューストンオープンで一緒の組になりましたよ。なかなかいいショットを打っていて、将来が楽しみなプレーヤーですね。それと、何といっても彼は若い(笑)!
取材・撮影/田邉安啓
※週刊ゴルフダイジェスト10月14日号「10年後にはメジャーで2つ勝っていたい」より
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リッキー・ファウラー選手が日本でのエピソードや、PGAツアーで活躍する日本人選手への思いを語ってくれた。この続きでは、彼がLIVゴルフからの巨額オファーに対してなぜPGAツアー残留を決断したのか、その真相に迫っている。さらに、彼が「年齢的に最後のチャンス」と語る2028年ロサンゼルスオリンピックへの熱い思い、そして「10年後にはメジャーで2つ勝っていたい」という彼の長期的なキャリア目標を公開。彼の揺るがないゴルフへの夢と信念を知りたい方は必見!続きは週刊ゴルフダイジェスト10月14日号、Myゴルフダイジェストにて掲載中!