
勝利後に副キャプテンたちと握手するルーク・ドナルド(PHOTO/PGA of America)
元世界ランク1位のドナルドはキャリアを通してチーム戦で負けたことがない。
アマチュア時代に出場した欧米対抗戦ウォーカーカップでも99年、21年と連勝。プロになってからは04年、06年、10年、12年にライダーカップに出場しおり、そのすべてでヨーロッパが勝利を収めている。
そしてヘンリック・ステンソンの代役で急遽キャプテンに指名された23年のイタリア、ローマ大会では前評判を覆しスター軍団のアメリカに圧勝。今回のチーム戦ではローマ大会を上回る成果を挙げ勝利に王手をかけている。
実は彼、不敗神話の持ち主なのだ。マッチに敗れ男泣きに泣く大男たちを尻目にドナルドは敗戦の悔しさを味わったことがない。
5勝2敗1分のスタートとなった初日の夜には「素晴らしい1日だったことを祝してチームでお祝いをしました。もちろん皆、まだ先は長いことを十分知っていますから気を引き締める意味でも
ありました」とドナルド。
「我々のチームは強力なメンバーが揃っています。展開がどうあれ対処する術を皆わかっています」と選手への厚い信頼を口にする。
4連敗で注目のスコッティ・シェフラーは明日、3勝1分と好調なローリー・マキロイと第4マッチで激突する。世界No.1&No.2の対決で欧州チームの優勝が決まるシーンが見られるかもしれ
ない。
2日目午後のマッチを棄権したビクトル・ホブランドは最終第12マッチでハリス・イングリッシュと対戦する予定だが、もし首痛が癒えず棄権したらどうなるのか?
ライダーカップには1979年以降「封筒ルール」なるものがある。出場できない選手がいる場合相手チームの選手が不戦勝になるのではなく、キャプテンが不出場の選手の名前を書いた紙を封筒に入れ提出。
その時点で相手の選手も出場しないことになり、2人は引き分け。各々に0.5ポイントが与えられるルールだ。
過去このルールが適用されたのは91年のこと。アメリカのスティーブ・ペイトが大会前に交通事故に遭い日曜日のシングルスを欠場したため欧州のデビッド・ギルフォードが最終日にプレーすることができなかった。
「封筒ルール」はスポーツマンシップを象徴するルールだが、今回はそれがヨーロッパにとって有利に働く可能性もある。
まだホブランの欠場が決まったわけではないが、どうやらドナルドにはルールさえも味方をするようだ。