弱気なパットから気持ちもパットもしっかり打つ
開幕戦から活躍した菅楓華選手がついに初優勝を飾りました。幾度も優勝争いを経験するものの同世代にも先を越されていましたが、遠かった初優勝をつかみ取りました。

「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でツアー初優勝を飾った菅楓華(写真/岡沢裕行)
「最終日に伸ばすことを課題に取り組んでいた」と話すのは弊サイトでも連載する平田智パットコーチ。菅選手のパットのついて語ってもらうと、「全てのレベルが高いのですが、特に良いのは距離やラインも含めてどんな状況でも変わらず同じようなストロークをできることです。昨年は体の向きや基本のストロークをしっかり練習して、オフにはタッチコントロールを重点的に取り組んできたことで今シーズンの安定したパッティングに繋がったと思います」。

どんな状況でも変わらず同じストロークができる菅楓華(写真/中村修)
最終日に伸ばす課題は「弱気になってパットのタッチが弱くなることでスコアを伸ばせていませんでした。しっかり打つ、オーバーさせるつもりで打つこと」と改善点を明確にして取り組んで来たと平田コーチ。
最終日はスタートホールのロングパットから始まりバーディパットもパーパットもことごとく決め65と爆発し、取り組んで来た成果が優勝へと結びつきました。
3秒以内に打つのはせっかちだから!?
得意とするショットについては、2週前の「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」の練習ラウンドに同行し話しを聞いていました。「番手を決めるのも早くて、打つのも3秒以内に打つようにしています」と変わらないテンポの良さを教えてくれました。
3秒以内に打つ理由は、「山下(美夢有)さんや(小祝)さくらさんのテンポがとても良いな、と思っていて。良いときも悪いときも同じテンポでプレーするようにしてます。せっかちなので早く終わらせたい!笑」と考え過ぎるよりは早い決断をし、構えたらサッと打つことでシンプルにプレーすることを心がけていると話しました。

インパクト重視ではなく一定の力感で降り抜くスウィングが菅楓華の特徴(写真/中村修)
「トップが大きくなることがあるので、練習では大げさにやって試合でちょうど良くなる感じ」と話します。地元宮崎に帰ると、「フェニックスゴルフアカデミー」の榑松陽介コーチの元でスウィングチェックと知らずうちにズレるアドレスのチェックをしてもらうと言います。
「構えたら3秒以内に打つ」そう意識するだけでも始動はスムーズになり、余計な力みも入らなくなります。ただし、スウィングのテンポまで速くする必要はありません。自身に合ったテンポで構いませんので試してみてはいかがでしょうか。
今大会はグリーンが硬く速く難易度が上がっていました。優勝した菅選手や上位で終えた選手は難セッティングとなる今週の「日本女子オープン」でも上位争いに加わる可能性は大。複数回優勝に向けて優勝争いする姿を期待しています。