
あくつ・みきや/1995年3月生まれ。栃木県出身。日本大学卒業。大学4年時に日本学生優勝。2017年プロテスト合格、新人戦優勝。今年のミズノオープンでツアー初優勝を飾った

スピン量不足の悩みを解決してくれたロフト9度のGT1ドライバー。また、長いゴルフ人生を見据えたスウィング改造に伴い、今年からシャフトフレックスをXからSへ変更
「(ドライバーの低スピン化が進み)ここ何年かドライバーのスピン量に困っていました。僕の場合、2000回転前後しかスピンが入らなくて、前作のドライバーではロフト11度を使ってスピンと高さを出していたほどでした。
そういった中で、このGT1をテストしたら、ロフト9度でも2500回転前後のスピン量が入ってくれて、“これだ”と使い始めました。とても助かっています」
加えて、シャフトのフレックスもガラッと替えた。
「ドライバー含めて、すべての番手を今年の開幕からSフレックスに替えました。それまではXでしたが、ここ数年、体への負担やスピンなど様々な観点でスウィング改造に取り組み、その結果、軟らかめなSが合うようになったんです。長い眼で見て、また勇気もいる判断でしたが、その結果、初優勝もできたので、間違っていなかったと思っています」
思い切ったシフトチェンジが功を奏し、自身のツアー初優勝につなげた。

FWはいずれもテーラーメイド。3WのQi10のHLは球の上がりやすさとスピン量を評価し4W感覚で使っている。シャフトは1Wと同じベンタスTRブルーのSフレックス
FWは契約外のテーラーメイド が3本。3W が高弾道モデルのQi10HL、5Wは入れずに7WがQi35 ツアー、さらにQi35の9Wを入れる。9WはUTよりも水分によるフライヤーが出にくく、朝早いスタート時間の朝露対策で9月から投入したという。

5Iはスピン量と弾道高さの観点で選んだT350、6I~9Iは長く愛用する鍛造キャビティの620CBというコンボセット。アイアンもシャフトフレックスはS
アイアンからはタイトリストで、5Iが中空ヘッドで高さが出るT350。6I~9Iが620CB。
「5番のT350は最近替えました。他のモデルを打つと僕のイメージよりも出球が強いタイプが多かったのですが、T350はイメージ通りの弾道が飛び出してくれたので、5番を1本入れてみました」
6I~9Iの620CBには絶大な信頼を寄せて、なかなか手放せないクラブになっている。

ウェッジは46・50・52・56・60度の5本を練習日のバッグに入れていて、その時のセッティングなどで使い分けているが、基本的には46・52・56・60度の4本をメインに組んでいる
練習では5本をバッグインさせている。コースによって50・52・56度から2本を選んで4本態勢でプレー。46・50・52・56度はSM9、60度はウェッジワークス。60度のソールは撮影時はKグラインドだったが、コースによって別のグラインドにスイッチすることもあるようだ。

昨年はグリーン上で迷いながら打っていたというが、このL字マレットにスイッチしてすぐに初優勝。自信を持ってストロークできるている
パターはスコッティキャメロンのスーパーセレクトのデルマー。
「15年くらいピン型のパターを使っていましたが、昨年から少し変な“反応”をしてしまうことがあって、今年の5月からこのL字マレットに替えて、しっくりきました」
初優勝もこのニューパターで手繰り寄せた。

ボールはタイトリスト プロV1x。スピンが入りにくい阿久津はスピン量を重視して、このボールを使う
今年の日本オープンは阿久津の地元・栃木県の日光CCで開催。しかも今年度から優勝者に来年のマスターズ招待と全英オープン出場資格が付与される。強い気持ちで挑むはずだ。
阿久津未来也の最新クラブセッティングの詳細
1W/タイトリスト GT1(9度)・フジクラ ベンタスTRブルー(6S)
3W/テーラーメイド Qi10 HL(16.5度)・フジクラ ベンタスTRブルー(7S)
7W/テーラーメイド Qi35 ツアー(21度)・フジクラ ベンタスTRブルー(7S)
9W/テーラーメイド Qi35(24度)・フジクラ ベンタスTRブルー(9S)
5I/タイトリスト T350・ダイナミックゴールド AMT ツアーホワイト(S200)
6I~9I/タイトリスト 620CB・ダイナミックゴールド AMT ツアーホワイト(S200)
PW・GW・AW/タイトリスト ボーケイSM9(46・52・56度)・ダイナミックゴールド EX ツアーイシュー(S200)
SW/タイトリスト ボーケイ ウェッジワークス(60度)・ダイナミックゴールド EX ツアーイシュー(S200)
PT/スコッティキャメロン スーパーセレクト デルマー
BALL/タイトリスト プロV1x
※スペックは編集部調べ
※プロは頻繁にクラブを変更するため、実際に使用するセッティングと異なる場合があります
PHOTO/Shinji Osawa