キャリーが170~180ヤードのゴルファーと相性が良い!
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打及び計測ヘッドが10.5度、シャフトは「MJ Royale LV560B」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。
重心が深く、長い設計で打点ズレに強い性能に進化した
クラブ長さが45.5インチとやや長く、スウィングウェイトがD2.3とやや大きいですが、クラブ重量が286.2グラムと軽いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが287万g・㎠に抑えられています。計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが、43m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。
ヘッドは全体的に丸型形状。横幅が広く、ヘッドの投影面積が大きくなっています。そして、最近あまり見ない強いフックフェースと、非常にアップライトなライ角、バルジ(水平方向の湾曲)の少ない平らなフェース面でトウ先が逃げていないので、ボールをつかまえるイメージが伝わってきます。
ヘッドの横幅が広く、投影面積が大きいので安心感がある
実際に試打したところ、ヘッドの後方が低いシャローバック形状なので、インパクト付近をアッパーにスウィングするイメージが出ています。また試打シャフトがかなり軟らかい設定で、ヘッドスピードが37m/sくらいのゴルファーでもスウィングしやすいでしょう。
ヘッドの後方が低くなっているのでアッパーで捉えるイメージが湧く
ヒール寄りにスイートスポットが設定されたドローバイアスで、つかまりが意識されています。

右が『今モデル』の重心位置。『前モデル』よりもヒール寄りのドローバイアスヘッドになり、つかまりが強い性能になった
前モデルよりも重心深度が深くなっているので、ヘッドの慣性モーメントが大きくなり、芯を外れたミスヒットに強くなっています。一方でネック軸回りの慣性モーメントが非常に大きくなり、ダウンスウィングでのヘッドの返りが前モデルよりもゆったりしています。つかまり設計との組み合わせから、オートマチックにつかまえて飛ばせるヘッドです。
ヘッドスピードが遅めのシニアゴルファーに打ってもらうと、ボールがつかまり、キャリーで170〜180ヤードくらいのゴルファーが、最も効率の良い弾道で飛んでいました。
※週刊ゴルフダイジェスト 10月14日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より