
【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●60.0度 体積●460cc 価格(税込)●14万9600円 ※メーカー公表値
最近では珍しい強いフックフェース
GD 今回はマジェスティ『ロイヤルドライバー(25年)』(以下、今モデル)を前モデルと比較しながら分析していただきます。マジェスティの「ロイヤルシリーズ」は、パワーが落ちてきたシニアゴルファーを支えるというコンセプトがあります。
松尾 そうですね。飛距離とつかまり設計を意識しているという印象ですね。そして「ロイヤルシリーズ」以外にも「コンクエストシリーズ」があり、こちらはアスリート志向の立ち位置になっています。それぞれターゲットゴルファーがはっきりしていますね。

左から前モデル、今モデル。ヘッド後方にあるウェイト位置が、今モデルはややヒール寄りになっている
GD 今モデルはどんな性能になっているんでしょうか?
松尾 シニア向けということもあって、前モデルと同様にヘッド重量が191g台と軽いです。さらにクラブ重量が前モデルは297.0グラム、今モデルが286.2グラムとさらに軽くなり、より振りやすくなっています。
GD コンセプト通りシニアゴルファーが扱いやすい仕様はしっかり継承されていますね。
松尾 はい。今モデルの特徴は重心設計に変化があったことです。重心深度(標準値:39.0ミリ〜40.0ミリ)が、前モデルは39.0ミリと標準値でした。一方の今モデルは42.5ミリと非常に深くなりました。
そして深い重心設計との関係でヘッドの慣性モーメント(標準値:4600〜4799g・㎠)に変化が出ています。前モデル:4545g・㎠(やや小さい)、今モデル:4936g・㎠(やや大きい)と打点ズレに強いヘッドに進化しました。
GD 「ロイヤルシリーズ」は新たにやさしさを加えて進化しているんですね。他に気になるところはありますか?
松尾 つかまり性能でいうとフェース角が前モデルと同様にフック2.0度の強いフックフェース。ライ角も61.5度とかなりアップライトな設定も継承されています。

左から『前モデル』、『今モデル』。フックフェース設定は継承され、つかまり意識の顔をしている
GD ここまで強いフックフェースは、他のメーカーを見渡しても、珍しい部類ですよね?
松尾 そうですね。外国メーカーや日本メーカーはオープンフェースかスクエアフェースがほとんどになっています。というのもカチャカチャでカスタマイズすることが、今は当たり前なので、それも加味しているんだと思います。
『ロイヤルドライバー』はカチャカチャが無いシンプルな設計になっています。そしてヘッドの慣性モーメントが大きくなったことと引き換えに、ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメント(標準値:7000〜7299g・㎠)が8127g・㎠と非常に大きくなりました。
器用にヘッドローテーションを駆使して飛ばすというよりも、クラブの自然な動きを利用してオートマチックに飛ばすドライバーと言えます。この特性を考えると、強めのフックフェースでつかまりを補正しているのだと思います。
GD マジェスティ『ロイヤルドライバー(25年)』はどんなゴルファーにおすすめですか?
松尾 前モデルよりも軽く、振りやすくなり、ミスヒットに強い性能が新たに加わりました。従来のつかまり性能も継承され、ゆったりとしたオートマチックなヘッド特性を踏まえると、クラブの力を借りて軽快につかまえたいシニアゴルファーは一度試してみるといいでしょう。