開催発表は10カ月前、しかし…
3年前から開催に向けて着々と準備が整えられてきた
西・東コースを統合したオリジナルルーティングで開催

18年横浜CCで開催された日本オープンの表彰式での一幕(左:金谷拓実/右:稲森佑貴)
本来の2番・3番を除いた西コース16ホールに加え、東コースの17番・18番を加えた大会オリジナルの18ホールを使って行われる。西コース、東コース17番・18番は16年にクーア&クレンショーによって改修。18年日本オープンとは使用するホール自体は同じだがルーティングが異なり、さらに小さな改修が加えられた。18年日本オープンには今回出場予定のアダム・スコットや石川遼が出場。金谷拓実もアマチュアで出場して24位タイでローアマを獲得しているが、この経験がコース攻略にどう影響するかも見ものだ。
昨年12月11日に株式会社ベイカレントがタイトルスポンサーとなって開催されることが決まったベイカレントクラシック。神奈川県の横浜CCが大会会場となったが、実は3年ほど前から同コースでのPGAツアー開催の可能性を探り、改修プロジェクトに乗り出していた。そのプロジェクトに当初から携わっていたのが、PGAツアーの芝の専門家であり、ツアーで12人しかいない「アグロノミー」の肩書を持つジム・アベイト氏。
コースの変更点①:グリーン左手前のバンカーを新設

追加されたバンカーで視覚的なプレッシャーが追加
元々あったバンカーに加え、さらにその手前にバンカーが新設された。これによりコースが狭く見え、より的確なコントロールが求められるようになった。
大会開催決定後、ビル・クーア&ベン・クレンショーの承諾を得たのち、大会の15番のフェアウェイ300ヤード地点にポットバンカー、2番のグリーン左手前のバンカーが新設され、18番フェアウェイ右サイド奥の木が伐採されるなど7~8ホールに小さな改修が加えられ、より戦略性が増したという。
コースの変更点②:18番(東18番)右サイド奥の気を大胆に伐採

池が視界に入ることでプレッシャーが増した
木を伐採したことでフェアウェイ右サイドにある池が視界に入るようになりプレッシャーがよりかかるようになった。これにより、ドライバーで飛距離を稼ぐのか、それとも刻んで2打目勝負にするのか。選手たちの選択が問われることになる。
コースの変更点③:15番(西8番)ティーから300Y地点にボットバンカーを設置

300Yに設置されたバンカーでクラブ選択が難しくなった
ティーイングエリアから300Y地点にポットバンカーを設置。写真の真ん中がそのバンカーだが、このバンカーがあることでティーショットのクラブ選択に大きな影響を与え戦略性が増すことになった。
そのコースをアベイト氏は「昨年までのアコーディア・ゴルフ習志野CCはフェアウェイが狭く、そのため深い野芝のラフがキーポイントでした。対して今回の横浜CCはフェアウェイが広い代わりに、グリーン形状がすごく面白く、ボールの転がり方やグリーンを狙うアングルが重要になるコースです。そのためゴルフのスタイルが昨年までとはがらりと変わるはずです。このグリーン形状であれば、スピードを速くしすぎると難しくなりすぎて逆に面白くないので、11~11.5フィートくらいが好ましい。距離的にはドライバーでワンオンを狙えそうなパー4もありますが、それでもグリーン形状が難しいので、決してパワーヒッター有利ではないということです」。
18年日本オープンの最終ホール西9番は16番に変更

日によってティーを変えることでより戦略的になった
横浜CCの名物ホール、距離の長いパー3は今回は16番として使用される。ティーの位置を4カ所用意し「日によって190ヤードから240ヤードまで変化させることができる」といい、日によって持つクラブが大きく変わってきそうだ。
世界のトップ選手たちが日本のコースでどんなプレーを見せてくれるのか。そして横浜CCでの初代チャンピオンに輝くのはいったいどの選手だろうか!
フェデックスカップフォールの1試合優勝者はPGAツアーのシード権ゲット
今季のレギュラーシーズンは8月のツアー選手権で終了し、ランキング50位以内の選手には来季8試合行われる予定の昇格試合全戦の出場権が与えられた。しかし、ツアー選手権終了後に今大会を含めた7試合の「フェデックスカップ・フォール」が開催され、シーズンとプレーオフシリーズ初戦で得たポイントを持ち越し、それにフェデックスカップ・フォールで得たポイントを加算。各大会の優勝者は2年間のシード権のほか「ザ・セントリー」や「ザ・プレイヤーズ選手権」の出場資格を獲得。
「フェデックスカップ・フォール」終了時点でランキング51~60位に入った選手には翌シーズン序盤の昇格大会2試合の出場権も与えられる。JGTOから出場する選手には、PGAツアー出場権を獲得できるチャンスとなる。
Yardage
1番(西10番) 475Y PAR4/2番(西11番) 418Y PAR4/3番(西12番) 168Y PAR3
4番(西13番) 536Y PAR5/5番(西14番) 436Y PAR4/6番(西15番) 529Y PAR5
7番(西16番) 182Y PAR3/8番(西17番) 357Y PAR4/9番(西18番) 432Y PAR4
10番(西1番) 431Y PAR4/11番(西4番) 510Y PAR4/12番(西5番) 458Y PAR4
13番(西6番) 337Y PAR4/14番(西7番) 508Y PAR4/15番(西8番) 387Y PAR4
16番(西9番) 237Y PAR3/17番(東17番) 439Y PAR4/18番(東18番) 475Y PAR4
TOTAL 7315Y PAR71
PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Yoshihiro Iwamoto、Getty Images
週刊ゴルフダイジェスト10月21日号「今週開幕!ベイカレントクラシック」より
===
今回は、松山英樹選手らトップ選手が挑む「ベイカレントクラシック」のコースセッティングと、大会開催への舞台裏をお届けした。しかし、注目の大会は選手がいなければ始まらない!この記事の続きでは、「メジャーチャンピオン6人」と「PGAツアーきっての飛ばし屋たち」、そして日本人選手の出場選手など、豪華な注目選手を一挙にご紹介します。メジャー活躍するトップ選手たちのプロフィールは観戦するうえで必見!続きは週刊ゴルフダイジェスト10月21日号、Myゴルフダイジェストにて掲載中!