全国から問い合わせが殺到するという知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」のクラブナビゲーター吉田朋広氏が注目するギアを徹底検証・解説する企画。今回は10月9日に発売されるUSTマミヤ『ATTAS RX ULTRA BLACK』を試打検証!

「ウルトラやさしい新感覚“元調子”」ってどういうこと?

USTマミヤから10月9日に発売される新製品「ATTAS RX ULTRA BLACK」。昨年12月に発売された「ATTAS RX SUNRISE RED」からグローバルモデルの「RX」シリーズとして展開されていますが、今回のRX ULTRA BLACKは「RX」として2代目のモデルとなります。

「RX」はprescription=処方箋を意味していて、ゴルファーの悩みをシャフトで解決するコンセプト。

「RX SUNRISE RED」は『つかまり限界突破』をキャッチコピーに極限のボールのつかまりをイメージした先調子のシャフトとして発売されましたが、今回の「RX ULTRA BLACK」は元調子のシャフトで「ウルトラやさしい新感覚元調子」をキャッチコピーにして「元調子=難しい」というイメージを払拭するシャフトとして”つかまり過ぎやドロップボール”に悩むゴルファーにフォーカスしたモデルとなっています。

画像: 10月9日より発売する「ATTAS RX ULTRA BLACK」

10月9日より発売する「ATTAS RX ULTRA BLACK」

あえて一般的にプロや上級者向けのイメージの強い元調子シャフトをウルトラやさしい元調子シャフトとして登場させる「RX ULTRA BLACK」がどのような仕上がりになっているのか検証していきたいと思います。

「RX ULTRA BLACK」のシャフトの外観からチェックしてみましょう。シャフトカラーはシンプルに艶ありのブラックが採用されています。ロゴの部分にシルバーを採用したシャフトデザインは、RXシリーズの統一感のあるデザインとなっています。

「RX ULTRA BLACK」のシャフト重量はモデルNO4、5、6、7と40グラム台から70グラム台までの4つの重量が用意されており、今回は40、50、60グラム台を検証したいと思います。

アマチュアゴルファーの使用率も高い「40グラム台」

R/44グラム/振動数211CPM
SR/46グラム/振動数219CPM
S/49グラム/振動数231CPM
X/52グラム/振動数247CPM
※テストヘッドは「PING G440 MAX」10.5度、シャフトレングスは45.25インチ

40グラム台の「4」はR、SR、S、Xの4フレックスを用意。ATTASの40グラム台はアマチュアゴルファーに使用者も多く、販売比率も多い重量帯です。人気のSフレックスから打ってみます。

Sフレックス

シャフト振動数は231CPMとSフレックスとしてはやや低めです。数値からも手元調子のシャフトらしさを感じますが、スウィング中も手元側の剛性感は硬く感じず、スムーズな切り返しが可能です。スウィング中も手元側の粘り感がシャフト中間部分まで継続して溜まったシャフトパワーをインパクトでしっかりとボールに伝えてくれるので厚くインパクトできます。

画像: 軽量ながらシャフトにパワーを生み出しやすい

軽量ながらシャフトにパワーを生み出しやすい

シャフトのフィーリングはハリが抑えられていて「しっとり」としたフィーリングです。打ち出し角度はやや高いです。この弾道の高さは決してバックスピン量が増えてボールが上がっているわけではないので、ボールの吹け上がりは感じません。40グラム台でも切り返しでシャフトにパワーを生み出しやすく、自身のスウィングでしっかりと振っていけるフレックスです。

Rフレックス

シャフト振動数211CPMという数値のシャフトのイメージよりも余計なしなりがなく切り返しからスムーズに振れるバランスの良さを感じます。切り返し時にパワーを必要とせずにしっかりと切り返しできますので、シャフトをしっかりとしならせることが出来ます。この感覚は他のシャフトにはあまりない感じです。パワーがないゴルファーにも「新感覚」元調子シャフトのメリットを感じさせてくれるフレックスだと思います。

SRフレックス

Sフレックスよりも更に楽に切り返しでき、スムーズにシャフトが動きます。シャフトに粘り感を感じられインパクトでボールがしっかりとフェースに乗っているのを感じます。基本的にボールのつかまりはありますがつかまり過ぎることもないのは設計通りだと思います。一般的なパワーのゴルファーにメリットを感じやすいオススメのフレックスです。

Xフレックス

52グラムと重さもあり叩けるイメージが加わりアスリート系の要素も備わります。スピード感の中にしっとりとした落ち着いたフィーリングでフェード系の弾道ですので左の巻き込みを気にせずにしっかりと振っていけるフレックスです。Xフレックスでもイメージよりも硬く感じませんので試してもらいたいですね。

40グラム台のフレックス選びは元調子シャフトらしく、どのフレックスもどのヘッドスピードに関係なく切り返しのしやすさで選んで良いでしょう。

ATTASシリーズで最も販売量が多い重量帯「50グラム台」

R/55グラム/振動数232CPM
SR/55グラム/振動数239CPM
S/57グラム/振動数251CPM
SX/58グラム/振動数253CPM
X/60グラム/振動数262CPM

Sフレックス

一番に感じるのは間の取りやすさです。本格的プロ・アスリートモデルの元調子のシャフトのSフレックスに比べて楽に切り返しできる印象です。スウィング中もハリ感が抑えられているので振りやすさを感じられます。シャフト自体のスピード感はあまり感じませんが、スムーズな切り返しから自身のスウィングでシャフトをしっかりと振ってスピードを出すことが出来ます。シャフト先端部分の剛性設計は高過ぎないことでボールをしっかりととらえてくれ高い弾道を体感できます。

画像: RX ULTRA BLACK(5S)

RX ULTRA BLACK(5S)

シャフト自体が非常に滑らかで「粘り感」と「弾き感」が同居したシャフトフィーリングです。元調子系のSフレックスだとつかまり過ぎない弾道を実現する為に、先端部分は硬めに設計されているシャフトが多いです。しかす、「RX ULTRA BLACK」は一切ハードさを感じさせずに左を気にせずにに振って行ける今までにない新しい感覚があります。

Rフレックス

パワーを必要とせずにスムーズに切り返しでき、シャフトはしなり量が絶妙でしなやかに動きながらボールをとらえることができます。タメが大きく粘り感があり、ボールの打ち出し角度は高いです。Rフレックスでもシャフトの特長のつかまりは抑えられていて、左に巻き込むようなボールは出にくいのが印象的です。パワーがなくても自身のスウィングでしっかりとボールをとらえていきたい方でボールがつかまり過ぎることで左のミスが気になる方に試してもらいたいオススメのフレックスです。

SRフレックス

Rフレックスのイメージそのままに1フレックス硬く仕上がっている印象です。一般的なスウィングパワーのゴルファーでもシャフトにタメを作りやすいので非常にスムーズにシャフトを振っていくことがしやすいと思います。元調子のシャフトのメリットである切り返し時のタイミングの取りやすさはダウンスウィングのタイミングがわかりにくい方や、ダウンスウィングがアウトから入るのを直したいゴルファーにもオススメのフレックスです。

画像: シャフト先端部分の剛性設計は高過ぎないため、しっかりと高い弾道を体感できる

シャフト先端部分の剛性設計は高過ぎないため、しっかりと高い弾道を体感できる

SXフレックス

手元側の硬さとしなり感のバランスが良いフレックスです。シャフトの切り返しの間の取りやすさがありながらも粘り過ぎずにレスポンス良く振り感もシャープな感じです。シャフトのバランスポイントもやや手元側なのでスピード感があり、左を気にせずにしっかりと振っていけます。Sフレックスよりもしなりが少ないのでスッキリと振っていきたい方に良いフレックスです。

Xフレックス

スウィングスピードの速い方に対応した手元側の剛性感になっていますが、手元側が硬過ぎないので無理なく切り返しのタイミングがとれるでしょう。シャフトがカウンターバランスの設計もありしっとりとしていながらスッキリと振れるフレックスです。切り返しのパワーによって弾道は高くなりますが、基本的にフェード系のボールですのでしっかりとヘッドを左に振り抜いて飛距離を求めていくこともしやすいでしょう。

アスリートゴルファーに使用率の高い重量帯「60グラム台」

SR/61グラム/振動数248CPM
S/62グラム/振動数255CPM
SX/64グラム/振動数264CPM
X/65グラム/振動数274CPM

Sフレックス

シャフト重量は62グラムと60グラム台としては軽めですので振っていて重さを感じませんが、50グラム台に比べると重厚なフィーリングになります。元調子シャフトらしい粘る感じがあり、シャフト挙動も穏やかなしなりでインパクトではフェースにボールを乗せて厚く押していくイメージです。左に巻き込みにくい設計は60グラム台になっても変わりませんので安心して振って行けるでしょう。

画像: 元調子らしい粘りがありながらも

元調子らしい粘りがありながらも

Sフレックスでも高い弾道が楽に打てます。従来の元調子シャフトの弾道イメージは弾道は抑えられているものが多いですが、「新感覚元調子」の「RX ULTRA BLACK」はオートマチックに弾道の高さを出すことができるでしょう。シャフトに重さを感じなければ本格的なプロ用の元調子シャフトのSフレックスよりも確実にやさしさを感じられるフレックスです。

SRフレックス

Sフレックスよりも手元のしなりがあるので切り返しのイメージが作りにくいゴルファーにダウンスウィングの間の取り方が理解しやすいフレックスです。ダウンスウィングの切り返しのタイミングが良くなることでスウィングリズムやインパクトまで影響しますのでスウィングが安定しない方にも良いでしょう。ヘッドをしっかりと左に振り抜いても必要以上にボールがつかまることもないので安心して振ることが出来ます。

Sフレックスだと硬く感じる方はもちろんですが、スウィングタイミングを習得したい方やアウトサイドインのスウィング軌道を修正したい方はこのフレックスを使うと良いイメージで振れると思います。

SXフレックス

Sフレックスに比べて手元側の硬さが一気に剛性感がしっかりと感じられ、しっとりとした中にもあるハリ感があるフレックスは潰れにくく、パワーのあるアスリートゴルファーにも対応しているフレックスです。

やや手元寄りに設定されたシャフトのバランスポイントの効果で振っていった際のスピード感も出しやすい印象です。

シャフト先端部分の剛性はフレックスイメージよりも強く感じず、ボールの上がりやすさはSXでもしっかりと感じられ、「RX ULTRA BLACK」の特長である左が気にならないフェードボールをしっかりと打つことが出来ます。Sフレックスだとやや物足りなさを感じる方にとって左を気にせずに高い弾道打てる絶妙なポジションのフレックスです。本格的プロ用の手元調子シャフトのSフレックスだとハードに感じる方はもちろんですが、「元調子シャフトは合わない」と思っている方にも試して欲しいフレックスです。

Xフレックス

このフレックスはプロの使用も想定されているハードスペックになります。本格的プロ用の手元調子シャフトのXフレックスよりもやや剛性感は落としてある手元調子シャフトですが、叩いていってもボールの吹け上がりはなく、左のミスが気にならないフェードの弾道がイメージしやすいと思いますが、一般的なパワーの方だと切り返し時にシャフトが理想的にしならせきらず、インパクト時にシャフトパワーがボールに伝わりきらないかもしれません。

スウィングパワーやスウィングスピードが速い方にとってはハード過ぎずにやさしさも感じられると思います。

ATTAS RX ULTRA BLACK総評

今回はATTASのグローバルモデル「RX」のセカンドモデル「ATTAS RX ULTRA BLACK」を検証していきました。「ウルトラやさしい新感覚元調子」をキャッチコピーにした手元調子シャフトはどの重量帯も切り返し時のタイミングの取りやすさを感じられながらも、左に巻き込みにくい弾道を実現する設計はカタログ通りの「ハイ」キックポイントのイメージ通りに仕上がっていました。

メーカーも『「元調子シャフト=難しい」なんて超古い!』という広告宣伝でPRをしていますが、一般的に元調子系のシャフトはプロ・アスリートモデルが多く、フィジカル面で強いゴルファーに対して切り返しのタイミングの取りやすさやコントロール性能を体感しやすいシャフトのイメージがあります。

画像: ※50グラム台の場合

※50グラム台の場合

そのイメージを払拭したいということで誕生した「RX ULTRA BLACK」は元調子シャフトながらATTASシリーズらしく40グラム台のRフレックスから用意してパワーの強くないゴルファーでも手元調子のシャフトをやさしく体感できるモデルに仕上げてあります。切り返しでの間の取りやすさと穏やかなシャフト挙動はハードスペックでなければ一般的なパワーのゴルファーにも使いやすい設計になっています。

ドライバーショットでの左のミスが気になるプレイヤーはアマチュアゴルファーの中も多くいます。本格的プロモデルのシャフトよりもやさしく感じる「RX ULTRA BLACK」はまさにそのような方への「処方箋」として体感しやすいシャフトだと思います。左のミスが気になる方は是非試して頂きたいと思います。従来のイメージよりもやさしさを体感できる元調子シャフト「RX ULTRA BLACK」は打たずに判断できないシャフトです。

新しい発見があるシャフトですので是非一度試して頂きたいと思います。

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