みんなのゴルフダイジェストの「みんゴル試打班ガチギアトラック」は、プロゴルファーの癸生川喜弘と小島慶太による、“ガチ”がコンセプトのシリーズ試打企画。今回はタイトリストから発売されたユーティリティ型アイアン『T250U』の試打を実施。クラブの性能やおすすめの対象者を紹介。

アイアン型ユーティリティの進化を問う

アイアン型ユーティリティは、そのシャープな見た目から「難しい」という印象を持たれがちだが、タイトリストの新型『T250U』は、「ロングショットにやさしさと飛距離を」というコンセプトを掲げ、グリーンを正確に捉えるための寛容性と性能を追求したモデルだ。

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画像: ガチギアトラックでは、ツアープロが使用する『トラックマン4』と『GCクワッド』、ボールはタイトリストのインドア計測用『プロv1 RCT』を使用 。

ガチギアトラックでは、ツアープロが使用する『トラックマン4』と『GCクワッド』、ボールはタイトリストのインドア計測用『プロv1 RCT』を使用 。

小島: 前回までのGTシリーズのユーティリティ試打で、“グリーンで止まる弾道”がユーティリティ選びの最重要項目であることを再認識しました。今回は、『T250U』の4番(22度)がその基準をどこまで満たせるのかを徹底検証し、ウッド型ハイブリッドであるGTシリーズと比較します。

見た目はアイアン、性能はハイブリッド

画像: 『T250U』4番(22度)

『T250U』4番(22度)

小島: 『T250U』の印象はどう?

癸生川: 『T250U』は非常にクリーンでシャープなデザイン。アイアンのような見た目でありながらハイブリッドのような打ちやすさがある。打ち込んだり払ったり、普通のアイアンみたいな操作できる印象があるね。

小島: このモデルは新開発の鍛造LフェースとVテーパーデザインにより、フェース全体でボールスピードを高めているとのことです。さらに、ヘッド内部に高比重タングステンを分割配置することで、理想的な重心設計と高い安定性を実現しているので、まさに『ロングショットにやさしさと精度を』という設計思想が、このクリーンな見た目に内包されているわけです。

癸生川: 『T250U』は高性能なグラファイトシャフトとの組み合わせで通常の『T250』アイアンと比べてより球が高く上がりやすい組み合わせになるね。アイアン(『T100 ~T250』)の顔と大きく変わらないから、他のモデルと組み合わせても違和感がなさそう。

データが示す「グリーンに機能する」基準

前回までのGTシリーズ同様、パフォーマンスを評価するため、「地面から打った際にグリーンをキャッチできること」を「機能する」と定義し、その基準となる落下角度40度(理想は45度)と、それを実現するためのヘッドスピードを検証。

「T250U」4番を試打検証

画像: ドライバー換算で46m/sほどでスウィングしたトラックマンデータ

ドライバー換算で46m/sほどでスウィングしたトラックマンデータ

小島:  ドライバー換算で44m/s前後ほどで落下角度が45度を超えるのは驚きです。もう少し速いHSでなければならないと思っていました。硬いグリーンでもボールを止めるための最低基準であるランディングアングル40度をクリアしています 。

癸生川: 見た目はシャープなのに、弾道がしっかり上がってくれますね。非常に打ちやすい。やや下めに当たった場合でもランディングアングルが40度あったので、意外と上下の打点がズレても高さが出てくれる。この性能こそが『T250U』の特長じゃないかな。

小島: メーカーが目指した『高弾道と優れた安定性』が、データとして明確に現れています。特に、ドライバー換算でヘッドスピード44m/s前後のゴルファーが、ロングアイアンの代わりとしてグリーンを狙うには、十分な選択肢だと言えます。高弾道と打点の寛容性が高く、ウッド型ユーティリティが苦手なゴルファーにもオススメできるクラブです。次は同ロフト帯の『GT2(21度)』と見比べてみましょう。

GTシリーズ(ウッド型)との比較

画像: 上が『T250U』/下が『GT2』ハイブリッド(21度)

上が『T250U』/下が『GT2』ハイブリッド(21度)

小島: ウッド型である『GT2』の21度と比べても、T250U(22度)はほぼ同じヘッドスピードでキャリーは同等、それでいてランディングアングルが45.0度と勝っています。『T250U』のロフトが1度寝ていますが、ほぼ同じ条件で落下角がしっかり取れているので非常に球が上がりやすいヘッドです。ウッド型が苦手なゴルファーにとっては、アイアン型でこの安定した高弾道が得られるのは非常に大きなメリットです。

癸生川: そうだね。ヘッドスピードが40m/s前後の場合でも一般営業のグリーンでは止まってくれるくらいの高さも出ていたし、何よりロングアイアンが楽に打てるから力みが原因のミスも減ってくると思う。上級者は弾道の上下や左右の打ち分けがしたいプレーヤーも多いから、ウッド型ユーティリティよりも操作性が良い『T250U』も好きな人多いと思う。

アマチュアとプロの主軸の違い

画像: アマチュアとプロの主軸の違い

癸生川: アマチュアはユーティリティに「飛距離」を求めがちですが、プロの多くは「止める性能(ランディングアングル+スピン量のバランス)」を優先する人が多い 。「T250U」は、その「止める機能」をハイレベルで達成していて、「ロングゲームにやさしさと飛距離を」というコンセプト通りのクラブでした。

小島 この「T250U」は、ドライバー換算でHS44m/s前後のゴルファーにとって、ウッド型ユーティリティにもアイアンにも劣らない、非常に機能的なロングアイアンの代わりとなるでしょう。自分のヘッドスピードと、そのクラブに求める役割によって、「T250U」が機能するのかを見極めることが大切ですね。

データ分析担当:小島慶太

インドアゴルフスタジオ「ゴルフアッププラス」を主宰するトラックマンマスター。トーナメントプロ、ティーチングプロの資格を持つ。千葉県柏市のイオンタウン松ケ崎に9月12日グランドオープン。ゴルフアッププラスの使用ボールは全てツアーボールを採用し、各種スペックが揃った無料レンタルクラブも完備

試打担当:癸生川喜弘

大学卒業後にオーストラリアに単独でゴルフ修行、2006年に日本プロゴルフ協会のプロテストに合格。現在はシニアツアーに挑戦中。同時にアマチュアへのレッスンをする傍ら、ダブルイーグル恵比寿店(毎週月曜日・火曜日)、ヴィクトリアゴルフ六本木で勤務。

前回までのタイトリストのウッド系ユーティリティの全番手試打!

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