最下点がズレる原因①「右に重心が残る」

東京都港区のゴルフスクール「広尾ゴルフインパクト」のインストラクター・後藤悠斗プロ
100切りを目指すゴルファーに限らず、多くのアマチュアが悩まされるのがアイアンショットでのダフリのミス。ダフリが起こるのは「以前も記事でお話ししましたが、要は最下点がズレているからです」と後藤。
「でも『最下点がズレている』のもあくまで結果であって、そうなってしまう過程がいくつかあるわけです」と続ける。

アイアンのダフリは最下点のズレによって起こる。では最下点がズレてしまう原因とは?(写真はイメージ)
「とくに多いのは『振り遅れ』『重心が右過ぎる』『インサイドアウト軌道が強過ぎる』の3つです。もちろん原因が複合していたり、ゴルフでは結構特殊な動きをする方もいるので一概には言えないけれど、ざっくりと言えばこの3つのいずれかが原因で最下点がズレて、ダフってしまうことが結構多いですね」(後藤、以下同)
なかでも1番多いのは「右に重心が残ってしまうパターン」だという。
「結局インパクトする時に頭を中心とした重心の位置が、体の真ん中より右に寄っていると、クラブもボールよりも右側に落ちやすいです。
ドライバーはティーアップして多少アッパー軌道で打っていいので、重心もボールより右にあっていいけれど、アイアンはダウンブローで打っていきたいクラブです。だからちょっと左に体重移動して最下点を少し左にしていくみたいなイメージが必要なわけなんです」

重心が右に傾いているとそのぶん最下点が右にズレてダフリにつながる
よくあるドライバーを打ったあとのアイアンショットでミスが起きやすい現象も、重心の意識の切り替えが上手くいかず、右に残る意識で打ってしまうからだという。ただ「重心の意識を直す方法はいっぱいあります」と後藤は続ける。
「わかりやすいのは、スタンスを狭く構えることですね。重心って基本的にスタンス幅の中でしか動かないので、そもそも足を閉じて打てば重心もあまり動かない……ダフってしまうほど右に重心が寄ることもないわけです」

スタンス幅を狭くすれば、そもそも重心の動く範囲も狭くなり、右に残るミスも防げる
最下点がズレる原因②「振り遅れ」
2つ目の原因は「振り遅れ」だ。もちろんアーリーリリースもミスの原因だが、逆にリリースが遅過ぎても良くないと後藤は言う。

タメる意識でリリースを遅らせると、詰まってヘッドが地面にぶつかりやすくなってしまう
「ダウンスウィングで体を先行して回していく。それに対してクラブヘッドが後からついて来るわけですよね。このときの体とクラブの時間差が長ければ長いほど振り遅れという評価になります。
それでいうと、タメる意識が強過ぎてリリースが遅れてしまうのも振り遅れなんです。
リリースが遅れるほど、詰まって地面にぶつかりやすくなり、ダフリにつながってしまうので気をつけましょう」
最下点がズレる原因③「インサイドアウト軌道が強過ぎる」
そして3つ目の原因は「インサイドアウト軌道が強過ぎる」こと。「可能性としてはそんなに多くないけれどたまにいるパターンですね」と後藤。

インサイドアウト軌道が強過ぎると、ボールに対してクラブが下りてくる角度が鋭角になり過ぎる。また重心が右に残る原因にも
「多くの方はアウトサイドイン軌道でスライスに悩んでいるので『インサイドアウト軌道が強過ぎる』って珍しいタイプなんですけど、ゼロではありません。
インサイドアウト軌道が強過ぎるということは、そもそも体が右を向き過ぎているわけです。すると重心が右に残る原因にもなりますし、インサイドアウトの度合いが強い状態でクラブが下りてくると、ボールに対して角度がつき過ぎて結果ダフりやすいんです」
ダフリのミスに関しては、後藤が教えてくれた3つの原因が自分のスウィングで起きているかを確認してケアすれば「大体の場合大丈夫だと思います」とのこと。ダフリに悩むゴルファーはぜひ試してみてほしい。