アイアンの操作性とハイブリッドのパフォーマンスを両立させた『U505』は、「ロングゲームにさらなる飛距離と精度を」というコンセプトを掲げるユーティリティアイアン。ティーショットで狭いラインを通し、ロングレンジからもグリーンをとらえるというこのクラブが、「ガチギアトラック」が重視する「グリーンで止まる弾道」の基準をどこまで満たせるのか、『U505』の3番(ロフト20度)を徹底検証します。
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ガチギアトラックでは、ツアープロが使用する『トラックマン4』と『GCクワッド』、ボールはタイトリストのインドア計測用『プロv1 RCT』を使用 。
見た目はアイアン、中身はハイブリッド

タイトリスト『U505(20度)』※3番アイアン
小島: まず、『U505』の印象はどうですか。
癸生川: 『U505』は、アイアンのような見た目だけどハイブリッドのような安心感がある。前回の『T250U』はアイアンの印象が強かったけど、『U505』に関してはやや厚くなって、寛容性や安心感がある見た目になってる。
小島: 『T250U』に比べ、『U505』はややヘッドが大きくなり、僅かに重めのヘッド重量で設計されているとのことです。またソール幅も広くなり、十分な許容性を備えた設計になっています。初速性能もより高くなり、高打ち出しで安定したキャリーが期待できます。
癸生川: 見た目からしても、球が上がってくれそうだけど、これだけロフトが立っているとグリーンを狙うための球が打てるか微妙だね。どんな結果になるか楽しみですね。
高打ち出しでグリーンに止まる球が打てる『U505』

これまでに試打してきた『GT』シリーズの同ロフト帯と比較(データはトラックマン4)
小島: 試打した際のスピード帯が近い『GT3』(21度)と比較してみましょう。クラブスピード41.2m/s(ドライバー換算で44m/sほど)で打ったところ、飛距離は220.2ヤードと距離は十分に出ていますね。そして重要な落下角度は45度と今までで一番高い数値が出たのは驚きです。スピン量も4023rpmと平均的。3番アイアンの難しいイメージを払拭する結果になりました。
癸生川: この結果は意外だね。『T250U』より弾き感が強くなっているからか、ちょっと球が低いのかなという感触はあったけど、初速も出ていて球も高いからすごく使いやすい。これくらい楽に上がってくれるとヘッドスピード42m/s(ドライバー換算)で打った場合にもグリーンに止まる高さが期待できる。
小島: 『GT3』は打点の上下によってかなりスピン量や落下角に差がありましたが、『U505』はある程度のブレでは大きく影響せず、より安定した高弾道でグリーンを狙っていけると思います。試合で使ってみたいと思う?
癸生川: これだけ簡単に上がってくれるなら使ってみたいね。『T250U』に比べて分厚いぶん、更に寛容性が高いことがすごくわかるし、ユーティリティと違って左へのミスが更に軽減できそうなイメージも良い。
小島: ウッド型ユーティリティに比べると球を操作しやすいから、上級者が好む理由もわかります。
『U505』はどんなプレーヤーにオススメ?

癸生川: いつも球が低く出てしまう方に『U505』はとてもおすすめしたい。スウィングタイプによっては、『U505』だと球が上がり過ぎてしまう可能性も考えられるから、弾道を少し抑えたい人は前に紹介した『T250U』のほうがいいかもしれません。
小島: 今回の試打で改めて明らかになったのは、『U505』がターゲットとするゴルファーは、ロングアイアンが好きだけど球が上がらない方、またウッド型ユーティリティが苦手な方です。『T250U』とはヘッドの大きさが異なるため、アイアンの見た目が好きならば『T250U』、寛容性と飛距離を優先するなら『U505』という選び方もいいですね。
データ分析担当:小島慶太
インドアゴルフスタジオ「ゴルフアッププラス」を主宰するトラックマンマスター。トーナメントプロ、ティーチングプロの資格を持つ。千葉県柏市のイオンタウン松ケ崎に9月12日グランドオープン。ゴルフアッププラスの使用ボールは全てツアーボールを採用し、各種スペックが揃った無料レンタルクラブも完備
試打担当:癸生川喜弘
大学卒業後にオーストラリアに単独でゴルフ修行、2006年に日本プロゴルフ協会のプロテストに合格。現在はシニアツアーに挑戦中。同時にアマチュアへのレッスンをする傍ら、ダブルイーグル恵比寿店(毎週月曜日・火曜日)、ヴィクトリアゴルフ六本木で勤務。
THANKS/ゴルフアッププラスイオンタウン柏松ヶ崎店