10月16日、男子ゴルフの国内ツアーのメジャー第3戦「日本オープンゴルフ選手権」の初日が栃木県・日光カンツリー倶楽部(7238ヤード、パー70)で開催。当初の予想よりも雨雲が北に逸れたものの、霧と日没による視界不良のため、16時32分にサスペンデッドとなった。結局、8組24名がホールアウトできず、競技は翌朝6時45分に再開される。悪天候の中で行われた初日、難攻不落のコースでスコアを伸ばした者、苦しんだ者がいる。6人の選手のコメントから、その明暗と戦略を追う。
画像: 雨雲のせいもあるが、季節柄日が落ちるのが早く、16時30分でこの暗さ

雨雲のせいもあるが、季節柄日が落ちるのが早く、16時30分でこの暗さ

好スコアを叩き出した「攻める選手」たち

難易度が極限まで高められたコースセッティングの中、好スコアをマークしたのは、徹底した準備と攻めの姿勢を貫いた選手たちだった。

暫定1位/長野泰雅(3アンダー)

画像: 暫定1位発進した長野泰雅

暫定1位発進した長野泰雅

この日のベストスコアを叩き出した長野。「練習ラウンドから調子よかったですし、グリーンも止まるので、今日はピンしか狙っていなかった」と、強気の姿勢を貫いたことを明かした。ティーショットを2回しか外さなかったことが好スコアの要因であり、「このスコアを出せたことは自信になる」と手応えを語る。一方で、5番のダブルボギーについては「欲をかいて、パーを取りに行き、ダブルボギーとなった」と、反省を口にした。

暫定3位タイ/小平智(1アンダー)

画像: 「疲れました」と話すもしっかりアンダーでまとめた小平智

「疲れました」と話すもしっかりアンダーでまとめた小平智

「疲れました」と語りつつも、「この雨の中リズムよく回れたし、組もみんなリズムよく回れて、そのリズムに自分も乗っかったっていう感じ」と、試合の流れに乗れたことを好スコアの要因に挙げた。スコアを崩しても「いかに無理のないゴルフができるか」を心がけ、「心がへし折られる大会」という過去の印象とは異なり、「マネジメントしていけば、スコアになって行くかなっていうようなセッティング」だと、前向きな姿勢を示した。

暫定3位タイ/岡田晃平(1アンダー)

画像: 松山英樹の高校、大学の後輩にあたる岡田晃平。初戴冠に向けて好スタート

松山英樹の高校、大学の後輩にあたる岡田晃平。初戴冠に向けて好スタート

「日本オープン特有の深いラフに慣れることから始めました」という岡田は、練習ラウンドでわざとラフに入れて打ち込み、徹底的にコースの肌感覚を掴んだ。その準備が功を奏し、「ほぼほぼ(想定外のことは)なかった」と冷静。「マスターズに出れるということもあって、優勝するために今までのシーズンを送ってきたくらいの気持ちでかけている」と、大会への強い思いを語った。

暫定3位タイ/織田信亮(1アンダー)

画像: 今季レギュラーツアー2試合目の織田信亮。下剋上を見せるか!?

今季レギュラーツアー2試合目の織田信亮。下剋上を見せるか!?

「ラフも長くて、グリーンも硬くて、よく自分でもアンダーパーでも回れたなという感想です」と、厳しいセッティングを振り返る。前半はティーショットに苦しんだが、「2打目のラフからでグリーン近くまで持っていけたので、そこからアプローチしてパーが多かった」と粘り強さを発揮。「マスターズはのどから手が出るほど出タイ試合」と、優勝への意気込みを語った。

暫定9位/アダム・スコット(イーブン)

画像: マスターズチャンピオンのアダム・スコットは暫定9位スタート

マスターズチャンピオンのアダム・スコットは暫定9位スタート

メジャーチャンピオンのスコットは、雨の難しいコンディションの中でイーブンパーのスコアに「満足しています」とコメント。日光CCの印象を「僕のお気に入りのコースを思い出させるのですが、そのひとつがロサンゼルスのリビエラです」と語り、コース自体は気に入っている様子。しかし、「フェアウェイキープが鍵になってくる」と指摘し、トラブルになったホールは「木の中に入れてしまって、そこから出すのも大変でした」と、精度の重要性を強調した。

苦戦を強いられたトッププレーヤーたちの課題

一方で、体調不良やコースの難しさに苦しんだ選手もいる。

暫定45位タイ/平田憲聖(3オーバー)

画像: 首位と6打差とやや出遅れた感がある平田憲聖

首位と6打差とやや出遅れた感がある平田憲聖

今年のPGAツアー昇格を決めた平田にとっては、厳しい初日となった。「あまり体の調子も良くなくて、後半は特にショットがひどくてどうしようもない感じ」と、体調不良が響いたことを認めた。「ラフに入ると簡単にボギーを打ってしまうので、ティーショットのプレッシャーはありましたね」と、タフなコースに苦戦。明日に向けて「調整してスコアを伸ばせるように頑張りたい」と巻き返しを誓った。

明日に向けた再スタート

画像: アダム・スコットと同組だった平田憲聖。明日の巻き返しに期待!

アダム・スコットと同組だった平田憲聖。明日の巻き返しに期待!

競技は明日6時45分に再開され、引き続き第2ラウンドが予定通り行われる。初日にサスペンデッドとなった組の選手たちは、タフなコンディションの中、中断したホールから再スタートを切る。アンダー発進を決めた選手たちも、明日はさらにスコアを伸ばし、週末に向けて順位を固めたいところだ。

撮影/姉崎正

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