
「ストップ・ザ・大成」の一番手グループ。左から金子駆大、今平周吾、桂川有人
追撃者たちの武器:清水大成を追う3人の分析
トータル8アンダーの清水大成を追う一番手グループにいるのは、金子駆大(4アンダー)、そして今平周吾(2アンダー)、桂川有人(2アンダー)だ。
2位 金子駆大

清水大成を追撃する一番手は今季好調の金子駆大だ
トータル4アンダーで単独2位をキープした金子駆大は、3ラウンド目を「69」で回り、スコアを伸ばしきれなかったことに悔しさを滲ませた。彼の武器は、パーオン率の高さでわかるショット力にある。
3日間のパーオン率 | 72.222% | 第1位 |
3日間のフェアウェイキープ率 | 61.905% | 第11位 |
金子選手は高いパーオン率(1位)で上位をキープしている。「今日は比較的風もなくて、結構伸ばしやすい天候だったので、もうちょっと伸ばしたかった」と語る通り、この日のスコアには不満が残る。
4打差の最終日へ向けては、「トラブルもあるコースなので最後まで頑張りたい」とし、「9番、10番が難しいので、そこでしっかりパー取って、しっかり取れるところで取りたい」と、難関ホールでの堅実なマネジメントを鍵に挙げた。
3位タイ 今平周吾

昨年の覇者、今平周吾が順位を上げてトップを虎視眈々と狙う
昨年の覇者である今平周吾は、3ラウンド目を「67」で回りトータル2アンダーで3位タイに浮上した。連覇を狙う今平の武器は、高いパーキープ率が示す通り、ボギーを打たない驚異的な粘りだ。
3日間のパーキープ率 | 85.185% | 第4位 |
3日間のパーオン率 | 55.555% | 第46位 |
今平はパーオン率が55.555%と苦しみながらも、パーキープ率が清水と並び全体4位に位置するという驚異的な粘りを見せた。これは、グリーンを外してもアプローチとパットで粘り強くパーを拾い続けたことを意味し、難コースを知り尽くした経験値の高さを示す。
「ティーショットはブレたりもしたんですが、そこから凌ぐことができました」と語る今平は、「このコースは何が起きるか分からないので、スコアを伸ばしていれば、チャンスがあります」と、ディフェンディングチャンピオンとして逆転連覇へ静かな闘志を見せた。
3位タイ 桂川有人

清水大成の盟友・桂川有人は6打差を追う
清水の日本大学時代の同部屋の盟友である桂川有人も、「67」をマークしトータル2アンダーで3位タイにつけた。同級生の独走に対し、桂川の好調を支えるのは、ショットの精度と精神的な集中力だ。
3日間のフェアウェイキープ率 | 71.429% | 第2位 |
3日間のパーオン率 | 70.370% | 第3位 |
桂川は、フェアウェイキープ率(71.429%)とパーオン率(70.370%)が全体でトップクラスを記録。難関コースの狭いフェアウェイを捉え続け、グリーンを外さなかったことが、安定したスコアメイクの鍵となっている。
「そのいい緊張感を続けていければ上手く集中して、ゾーンというかそういうのにも入れたりとか、そういったところに繋がってくると思う」と、大舞台でしか味わえない集中状態への予感を漂わせた。
独走への挑戦
清水が3日間の平均パット数(1.5143)で全体1位という圧倒的な数字を誇るなか、追撃者たちもそれぞれの強みを活かしている。
清水の4打差というリードは決して安泰ではない。この難コースで何が起きるか分からない最終日、彼らの挑戦が、今年の日本オープンをより盛り上げてくれるだろう。
撮影/姉崎正