
日本オープンを制した片岡尚之(撮影/姉崎正)
マスターズを主催するオーガスタナショナルは来年開催するマスターズの招待枠を変更。PGAツアーのフォールシリーズ優勝者には出場権を付与しない代わりに、日本やスペインなど6カ国のナショナルオープン覇者に出場権を与えると発表した。
オーガスタナショナルのフレッド・リドリー会長は「国際的な選手を招待することは重要。各地域でゴルフの認知度を上げるのが我々のミッション」とさまざまな国の選手に「メジャー出場の機会を与えたい」と語った。それを受けて今年の日本オープンでは選手たちのモチベーションが上がり、激しい戦いの末に片岡が栄冠に輝いた。
それだけなら普通のトーナメント関連のニュースだが、彼の世界ランクが500位だったことにアメリカメディアの注目が集まった。すでに出場権を獲得したジェネシススコットランドオープンの覇者、クリス・ゴッタラップは優勝当時こそ世界ランク100位台だったが現在は26位。アクシオナスペインオープン優勝のマルコ・ペンジは55位から31位に浮上し、目下DPワールドツアーのポイントランクはマキロイに次ぐ2位。それぞれかなりの実績がある。ところが片岡の世界的知名度はゼロ。だからこそ海外で話題になったのだ。
米ゴルフダイジェストは「日光CCで開催された日本オープン最終日、68をマークして原敏之とのプレーオフ1ホール目でパーをセーブした世界ランク500位の片岡尚之が優勝。マスターズ参戦権を獲得」と戦況を写真付きで大々的に報道した。
27歳の片岡がこの勝利で500位から355位に急浮上したことや、彼のキャリア最高位は21年の164位だったことなども紹介。
「両メジャー大会への出場は今回が初めて」とつづっている。松山英樹以外では日本勢の出場権獲得の一番乗り。「出場する全員のなかで僕が一番下手だと思う」と本人は言うが、得意のパットで夢舞台に爪痕を残してほしい。
※週刊ゴルフダイジェスト11月11日号「バック9」より


