
多くのギャラリーを集め、盛り上がるのは良いことだが……(PHOTO/PGA of America)
1番ティーでMCを務めたコメディアンのヘザー・マクマハンがマキロイに向けたFワードや「くたばれヨーロッパチーム」などとマイクで群衆をあおった。後にこの件について謝罪して降板するが、当初は「何が問題なんだ」と主催者に語っていたのだ。
そして、ギャラリーの罵詈雑言はマキロイ本人だけでなく、家族にまで及び危険にさらされる場面すらあった。これに対してジャック・ニクラスやニック・ファルドは常軌を逸していると非難し、トム・ワトソンは「ライダーカップのかつてのキャプテン、そしてアメリカ人として恥ずかしいと思う。アメリカの群衆は欧州チームに対して態度を謝罪すべき」と語っている。
なかでもゲーリー・プレーヤーは「(今回のライダーカップは)ゴルフというものに汚点を残す事件だと思う。世界で最もひどいイベントだった。マナーを守ることがスコアよりも大事なゴルフという競技は紳士のスポーツのはずだ」と憤り、さらに「私はある種のショックを受けた。ベン・ホーガンやバイロン・ネルソン、あるいはアーノルド・パーマーが生きていればなんと言っただろう? USA! USA! と応援するのは良い。しかし、あれは相手をおとしめ、あたかも流血の場となっていた」とパームビーチ・ポストに語っている。
ギャラリーだけでなく、選手までがFワードを使っていたと指摘し「孫たちと一緒に見ていたら私はどうすればよかったのだろうか?」。マナーやエチケットに厳しい年長者のゴルファーが減りつつある今日のゴルフ界。ゴルフというスポーツが日を追うごとにカジュアル化しているのはプロの世界だけではない。もう一度レジェンドの言葉に耳を傾ける必要があるのかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト11月11日号「バック9」より

