
アウェイの欧州チームが連覇を達成して幕を閉じたライダーカップ
アンチヨーロッパ最大の標的は、普段アメリカでも人気のあるローリー・マキロイ。ギャラリーが彼に放った暴言の数々には主催したPGA・オブ・アメリカのCEOデレク・スプラーグ氏も不快感を示した。
土曜日には1番ティーで司会を務めた女性コメディアン、ヘザー・マクマハンが観衆から巻き起こった「くたばれ、マキロイ」(Fワードの放送禁止用語)の大合唱に乗じてマイクで観客を扇動。本人は「異様な雰囲気とエネルギーが充満するなか一度だけだったけれどその言葉を口にしたのは愚かな行為でした」とマキロイと欧州チームに謝罪し司会を降板した。
騒ぎは言葉の暴力にとどまらなかった。妻エリカさんにはビール缶が投げつけられる場面もありファンは「あり得ない」と怒り心頭。一連の騒動を受けスプラーグCEOは「ローリーとエリカさんに長文で謝罪した」と語り「このような行為は容認できない。もっとライダーカップを良くする」と改善に努める決意を伝えたという。
しかしPGA・オブ・アメリカのもうひとりのリーダー、ドン・レイ会長はBBCスポーツに対し「ニューヨークで起きたことは2年前にローマでアメリカ勢に対して起きたことと似ている」と発言。「5万人もの観客が熱狂すれば間違ったことを言う人間もいる」と容認するような発言。
これには欧州のティレル・ハットンとマット・フィッツパトリックが激しく反論。「ローマで起きたことと今回では大きな差がある」とハットンが言えばフィッツパトリックは「ヨーロッパのファンにとって不愉快な発言」と批判した。
当のマキロイは「結果が今回と同じ(欧州の勝利)なら、またブーイングを浴びてもいい」と大人の対応をしたが、試合よりニューヨークのファンの暴走のほうが話題になるのは少し悲しい。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年10月28日号「バック9」より