
現在シニア賞金ランク4位! 解説/岩本高志
いわもとたかし。1975年生まれ。東京都出身で専修大学を経て1998年にツアープロ転向。41歳にしてレギュラーツアー初シードを獲得した遅咲きプロ。今年はシニアツアーにデビューして2勝を挙げ一気に花を咲かせている
飛んで曲がらない秘密3つの理由

極端にやったら上手くいった
GD 50歳を迎えてから飛ぶようになったのは本当ですか。
岩本 そうなんですよ。ヘッドスピードは少し落ちているんですが、飛距離は伸びているんですよ。
GD 岩本プロの持ち味は曲がらないショットだそうですが、飛ばそうとすると曲がってしまうのではないでしょうか。
岩本 曲がらないのが自分のストロングポイントですが、やっぱり飛ばしたい(笑)。飛ばないとツアーでは戦えないし勝つことなんてできませんからね。それで考えて行き着いたのが『右手ゼロ感覚』のスウィングなんです。
GD 右手ゼロってなんですか。
岩本 アドレスからフィニッシュまでずっと左手1本で振っている感覚です。だから左手10に対して右手は0。こうする理由は、ヘッドではなく手元を速く振りたいからです。クラブを片手で持って振ったとき、左手と右手なら左手のほうが速く振れるんです、体が左に回転するからね。逆に、右手は器用なので感覚は出しやすいけど、コネたりしちゃうのでスウィング中に悪さをする。だから飛ばすためには右手ゼロ感にしてるんです。
GD 速く振るためには右手の意識は要らないということでしょうか。
岩本 極端に言えばそうです。飛ばしは左手、コントロールは右手と考えてください。
左手だけで握って振るとインパクトでヘッドが加速する
50歳で開眼した飛んで曲がらない方法
1、右手“ゼロ”感で手を速く振る
クラブと体の唯一の接点が手。手元を速く動かす感覚でクラブを振ると小さな力でもヘッドスピードを上げることができる。右手の余計な動きが速く振るための弊害になるので、左手1本で最初から最後まで振る感覚を持つ。
2、前傾角やフェース面を保つ
アドレス時の前傾角度はもちろん、手首の角度やフェース面などできるだけ返さずに振ることでミート率が上がる。そうすれば効率良くパワーを伝えられるので、飛ぶし方向性も良くなる。
3、フェースを閉じてアッパーで振る
アッパー気味にヘッドを抜くようにするとバックスピン量が減るため曲がり幅が減る。さらに、アッパー軌道なので、いわゆる高打ち出し低スピンの距離が出せる球質が打てる。

アマチュアをレッスンするようになり、自分のゴルフだけでなくゴルフそのもののことを考えるようになった。それでひらめいたのが『右手ゼロ感』だ
50歳で開眼した岩本のドライバーショット
50歳になって体の柔軟性は落ち可動域は狭くなったが手を速く振ることを優先したら人生で一番飛距離が出るようになったという岩本。
