シード権獲得の最低条件は1150万円?

みんゴル的シード権獲得賞金額に到達した鈴木晃祐/平本 世中/出利葉太一郎(撮影/有原裕晶、姉崎正)
2025年日本男子ツアーは、プロのキャリアの全てを左右する賞金ランキング65位以内という来季のフルシード権を巡る最終局面を迎えている。「みんなのゴルフダイジェスト」は、ここ3年のデータから今年のシード突破ラインを1200万円と予測したが、現時点(11月20日)の65位は竹安俊也で獲得賞金は857万873円という、その予想を大きく下回る結果となっている。
「出場枠の壁」とボーダーライン上選手
シード権争いをしている選手たちにとって、最も重要なのは残り試合数でどれだけ賞金を稼げるかだ。JGTOの年間スケジュールをみると、「ダンロップフェニックストーナメント」(84名)、「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」(108名)、最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(30名)が残っているが、このうち「JTカップ」は出場人数が上位20位程度と大幅に制限されており、次週時点での賞金ランク30位以下は出場権を持たないため、実質「JTカップ」を除いた2試合が運命を握っている。※()内は出場選手数
▼優勝賞金一覧(賞金総額)
・ダンロップフェニックストーナメント:4000万円(2億円)
・カシオワールドオープンゴルフトーナメント:3600万円(1億8000万円)
・ゴルフ日本シリーズJTカップ:2600万円(1億3000万円)
出場権が比較的確保できている2試合でまとまった賞金を獲得できなければ、ボーダーライン上にいる選手たちは、来季の安定した出場権を失うことになる。
シード突破ラインの考察
24年のシード突破額は974万3748円(69位市原弘大・4選手が出場義務試合数不足で繰り下がり)で、23年の1283万6116円(68位近藤智弘・3選手が出場義務試合数不足で繰り下がり)。現在53位の金成玹は出場義務数(25試合中13試合)を満たしておらず、シード権が1位繰り下がる。よって66位の砂川大介がボーダーライン上に位置している。今年のシード獲得ラインは24年に近い1000万円前後に落ち着く可能性があり、58位の谷原秀人(1010万円)まではシード権当確といっていいのかもしれない。
なお、このままいくと、前年度を下回り950万円前後がボーダーラインとなる可能性もあり、今週の「ダンロップフェニックストーナメント」は単独4位で与えられる賞金が960万円、単独5位で800万円が加算されるため、今週、主催者推薦で出場する山下勝将(賞金ランク101位・377万1714円)はもちろん、前週プロ宣言した中野麟太朗(賞金ランク163位相当・54万6000円)にも一発逆転シードのチャンスが十分あることになる。
51位:鈴木 晃祐/1592万3060円
52位:平本 世中/1267万5805円
53位:金 成玹/1242万9740円 (今週出場予定なし)※出場義務数(13試合)を果たしていないため除外
54位:出利葉 太一郎/1236万2671円 (今週出場予定なし)
みんゴル的シード権当確ライン
55位:福住 修/1183万5714円 (今週出場予定なし)
56位:前田 光史朗/1121万518円 (43位以上)
57位:嘉数 光倫/1103万6435円 (38位以上)
58位:谷原 秀人/1085万2654円 (34位以上)
シード権獲得の可能性が高い選手(1000万円以上)
59位:B・ケネディ/959万9869円 (20位以上)
60位:黒木 紀至/954万2250円 (20位以上)
61位:市原 弘大/910万4621円 (17位以上)
62位:幡地 隆寛/902万5016円 (17位以上)
63位:藤本 佳則/880万1916円 (今週出場予定なし)
64位:高 君宅/864万9173円 (15位以上)
65位:竹安 俊也/857万873円 (15位以上)
66位:砂川 公佑/846万4013円 (今週出場予定なし)
現時点でのシード権獲得ライン
67位:杉原 大河/802万7387円 (13位以上)
68位:池田 勇太/794万3250円 (12位以上)
69位:内藤 寛太郎/788万933円 (今週出場予定なし)
70位:塚田 よおすけ/784万192円 (12位以上)
71位:桂川 有人/769万2000円 (今週出場予定なし)
72位:上井 邦浩/746万6520円 (11位以上)
73位:山田 大晟/696万6052円 (10位以上)
74位:植竹 勇太/694万5735円 (10位以上)
75位:岡田 絃希/663万2801円(今週出場予定なし)
76位:篠 優希/636万7992円 (9位以上)
77位:田中 章太郎/615万4850円(今週出場予定なし)
78位:時松 源藏/596万8135円(今週出場予定なし)
79位:西山 大広/593万1616円(今週出場予定なし)
80位:川上 優大/582万5804円(今週出場予定なし)
※()内の順位は、獲得賞金総額が1200万円に達するために必要な順位
シード獲得は、予選会(QT)への参加免除はもちろん、人気大会への優先出場、そしてスポンサー獲得といった、プロとしての特権が得られるチャンス。この限られた機会で起死回生の一発を放つことができるのか。この熱き攻防こそが、JGTOツアーを盛り上げる最大のドラマだろう。
前田光史郎、塚田よおすけが上位スタート!

写真左:56位の前田光史郎、写真右:70位の塚田よおすけ(撮影/姉崎正)
「ダンロップフェニックストーナメント」初日、現在賞金ランキング56位の前田光史郎が7バーディ、1ボギーの6アンダーで単独1位に浮上、そしてボーダーライン上である70位の塚田よおすけが5バーディ、2ボギーの3アンダーで4位タイで初日を終えている。塚田は仮に4位でフィニッシュすると、960万円を獲得できるため、約1600万の50位以上に入ることが可能。

