レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーの切り返しからフォロー」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本81】
画像: クラブが寝て下りるミスは「右わきを締める意識」が強過ぎるのが原因かも!? ドライバーのダウンスウィング時の「両わきの動き」を解説

右わきの締めを意識し過ぎて左わきが空かないように

画像1: 右わきの締めを意識し過ぎて左わきが空かないように

右わきの締めを意識し過ぎて左わきが空かないように

GD 前回はトップからの切り返しで、右わきを締めることは大事だけど、意識し過ぎるのもいけないという話で終わりました。右わきを締めるだけではダメなんですか?

原田 右わきを締めるというのは、右ひじを右わき腹の近くにつけながらクラブを下ろしていくという動きです。そのとき、その意識が強過ぎると、左わきが空いて、クラブが寝て下りるような動きになってしまいます。

GD たしかに、左わきが空いてしまいます。

原田 ダウンスウィングでは左わきを締める感覚も必要です。(スウィングを時計に見立てた)イメージクロックで説明しましたが3時と9時では、3時の左わきと9時の右わきが体についています。

手のポジション、ひじの形、わきの締め方を覚えよう

画像: 【写真A】写真左は3時(左手)9時(右手)、どちらも両わきが締まっている。中央が2時10時、右が1時11時のポジション。イメージクロックで切り返しからフィニッシュまで、両手の形、ひじの曲がり、わきの締め具合を覚えよう

【写真A】写真左は3時(左手)9時(右手)、どちらも両わきが締まっている。中央が2時10時、右が1時11時のポジション。イメージクロックで切り返しからフィニッシュまで、両手の形、ひじの曲がり、わきの締め具合を覚えよう

GD 何度も原田プロの両手を正面に向けて、両わきを締めている形(写真A)を見せていただきました。

原田 そうです。手のポジションの説明ではありますが、同時にひじの形やわきの締まり具合も説明しているんです。だから、3時9時の両わきは締める。片方だけを意識するのではなく、両手のポジションや両ひじ、両わきの動きも理解してほしいんですよ。

GD 手のポジションばかり考えていました。

原田 ダウンスウィングでは、右わきを締めながら同時に左わきを締める。そうすると右肩が下がってしまったり、クラブが寝てしまうといったミスがなくなります。左サイドに体重移動をしながら回転を伴ったボディターンで、クラブをインサイドから正確に下ろしていけるようになります。

切り返しから右わきも左わきも両方締める

画像2: 右わきの締めを意識し過ぎて左わきが空かないように

右わきの締めを意識し過ぎて左わきが空かないように

GD 右肩が下がってクラブが寝て下りるアマチュアに多いミスは、「右わき、右わき」という意識から起きているミスかもしれませんね。左わきにタオルを挟んでショット練習をするプロもいますが、左わきの意識も同時に必要ということですね。

原田 そうです。右も左も大事なんです。インパクト以降の3時からはひじをたたんで、2時、1時のフィニッシュまでクラブを振っていきますよね。イメージクロックの3時で左わきが締まる形を覚えれば、同時にひじのたたみもマスターできるわけです。それも、ダウンスウィングの9時のポジションで右わきを意識し過ぎて、左わきが空いてしまったら、左サイドでひじをたたんで行くことができないんです。だから、イメージクロックで手のポジション、ひじの曲げ方、わきの締め具合などを理解してもらいたいんです。

トップからは左への体重移動と体の回転で動き出す

画像: トップからは左への体重移動と体の回転で動き出す

トップからは左への体重移動と体の回転で動き出す

GD ダウンスウィングで腕の動きが良くなければ、フォローサイドでも腕の動き、振り抜きが良くならないわけですね。

原田 力いっぱいクラブを振ろうとしても、ヘッドスピードは上がりませんが、イメージクロックで手のポジションや腕の動きをマスターするほうが、ヘッドスピードが上がります。スウィングが安定するので、ミート率も高まり、ボールは真っすぐ飛んでいくんです。

GD イメージクロックを侮ってはいけませんね。

原田 今更ですか。両手のひらをひらいて見せているわけではないんですよ。イメージクロックと体の動きをマスターするボディターンドリル、この2つは私が教えるメソッドのなかでもたいへん重要なので、いつも忘れないでくださいね。

ボディターンドリルで切り返しからトップまで体の動きを覚えよう

画像: 胸の前で両手を右手が下、左手が上になるようにクロスに組んで、体重移動と体の回転をしながら、スウィングを作る「ボディターンドリル」

胸の前で両手を右手が下、左手が上になるようにクロスに組んで、体重移動と体の回転をしながら、スウィングを作る「ボディターンドリル」

GD ボディターンドリルは、胸の前で両手を右手が下、左手が上になるようにクロスに組んで、体を右に回転させて右足の内側に右軸を作り、そこから左に体重を乗せて腰を回して左軸を作るドリルでした。左軸を作るときは左足1本で立って、右足はつま先で立ち、シューズの裏側が完全に後ろを向くようにするのでしたね。その場合は確かに背骨が右に傾きますね。

原田 そうでしょう。そのときに右わきが締まるじゃないですか。

GD 締まりますね。

原田 だからダウンスウィングに入るときはまず右わきの締まりですよね。で、あとはひじから先の動きだけです。

GD はー、そうだったんですね。トップで少し空いた右わきがダウンスウィングに入るときに体重を左足に乗せると背骨が右に傾き、右わきが締まるというシステムですか。

スウィング軌道が安定する体の使い方を身につける

画像: スウィング軌道が安定する体の使い方を身につける

スウィング軌道が安定する体の使い方を身につける

原田 体が動いたときに同時に右わきが締まるんです。

GD それで軌道がオンプレーンになるってことですね?

原田 そうです。左わきも忘れないでくださいね。

GD はい、これが前回話していただいた「自然落下」の正体なんですね。今ちょっと感激しています。

原田 「自然落下」の仕組みが分かったら、次は注意点です。それは次回説明しましょう。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/梅里CC

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