
【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/30.0度 ●ライ角/62.5度 ●価格(税込)/14万8500円(#6〜9、PW)※すべてメーカー公表値
払い打ちでも性能を発揮する
GD 今回はテーラーメイド「P8CB」アイアンを分析していただきます。テーラーメイドのツアーモデルにあたる「Pシリーズ」に新モデルが加わりました。
松尾 そうですね。兄弟モデルにはキャビティ構造で軟鉄鍛造の「P7CB」、中空構造の「P770」と「P790」がありますね。またモデル名の数字がフェース長を表しているのも特徴です。

昨年登場した「P7CB」と「P8CB」は軟鉄鍛造でキャビティ構造と共通点が多い
GD 「P8CB」は軟鉄鍛造のキャビティ構造になっています。素材や構造だけで見れば「P7CB」と似ているように思います。
松尾 見た目から触れると、フェースが長くなっています。そしてグースネックになっており、従来の「Pシリーズ」には無い顔になっています。つかまえてくれそうなイメージを与えてくれます。
GD 米国メーカーというと、ストレートネック設計が多いですが、「P8CB」はむしろ日本メーカーのような顔付きになっているんですね。
松尾 はい。データを見ると、バウンス角が3.5度とやや小さな値です。一方で「P7CB」は5.2度とやや大きめな値になっていました。「P7CB」は上から打ち込むダウンブローと相性が良いのに対して、「P8CB」は横から払うスウィングにマッチすると思います。
GD なるほど。使用素材や構造が同じではあるものの、コンセプトは異なっているわけですね。
松尾 はい。他にもリアルロフト角を比較すると、「P7CB」:32.7度、「P8CB」:30.1度、「P8CB」はセミストロング設定で、飛びも追求していると言えますね。

「P8CB」はセミストロングロフト設定で飛びを追求しながらも、下から打てる狙い要素も兼ね備えている
GD 地面から打てる範疇で立てられたロフト設定というのがミソなわけですね。他のメーカーを見渡しても、“軟鉄鍛造+セミストロングロフト(30〜32度)”のモデルが多いです。ロフトが同じ設定だとして、フェース素材が軟鉄と反発性能を謳っている素材(マレージングやクロムモリブデンなど)のモデル。どちらが良いのでしょうか?
松尾 結論から言うとアイアンに何を求めるかによって変わってきます。軟鉄フェースはスピンが入りやすく、軟らかい打感が特徴です。高反発素材は薄く作ることが可能で、ボール初速を高めやすいです。一方で弾く感触が強く、打音も独特なフィーリングがあります。
GD つまりしっかり止めて狙いたければ軟鉄フェース。飛ばしを優先するなら反発性能の高い素材のモデルを選べば良いわけですね。
松尾 はい。「P8CB」に限って言えば、軟鉄鍛造の特徴を生かしてスピン性能と打感。そして立ち過ぎていないロフト設定で、ほんの少しの飛びと狙いの両方が欲しいと思っているゴルファーは、試してみても良いと思います。
