
【試打クラブスペック】●ロフト角/10.5度 ●ライ角/57.0度 ●ヘッド体積/455cc ●価格(税込)/9万3500円※すべてメーカー公表値
変らぬ小ぶりヘッドとドローバイアスはツアーモデルの証
GD 今回はブリヂストン「BX1ST ドライバー」(以下、今作)を、「B1ST ドライバー」(以下、前作)と比較しながら分析していただきます。前シリーズでは“Bシリーズ”という名前でしたが、一新され“BXシリーズ”になりました。
松尾 そうですね。前作の性能から振り返ってみると、実測値のヘッド体積が436cc(規格値:455cc)と小さい設定でした。さらに重心深度(標準値:39.0〜40.0mm)が36.6mmと非常に浅く、見た目がコンパクトな顔をしていました。
そして見た目通り、操作性が抜群で自分で打球を操作しながら攻めていきたいゴルファーにピッタリのドライバーでした。一方でヘッドの慣性モーメントが抑えられ、ミスヒットの強さを持っている性能ではないツアーモデルらしい特徴でした。

「BX1ST」はソール後方部のカーボン使用率を増やしミスヒットに強くなったという。実際のヘッドデータはどんな結果になっているのか?
GD 幅広いゴルファー向けに見られる、お助け機能を搭載したやさしさを狙ったものではなかったわけですね。新作はどんな性能になっていますか?
松尾 これまで通りツアーモデルということもあり、基本コンセプトは変わっていないです。ヘッド体積が実測で435cc。ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメント(標準値:7000〜7299g・㎠)が、6680g・㎠と前作同様の値で小さく操作性抜群なヘッドです。
そしてヘッドの慣性モーメント(標準値:4600〜4799g・㎠)が4459g・㎠と、こちらも前作のように小さく、ミスヒットに対するやさしさは抑えられています。
GD 小ぶりヘッドを駆使して、弾道を操作しながら飛ばすという特徴は変わらずということですね。
松尾 はい。一方で見た目に少し変化がありました。元々重心深度が浅い値でしたが、さらに浅くなりヘッド形状がより縦長形状になりました。本来、縦長形状にすると重心距離(39.0〜40.0mm)が長くなりがちなんですが、前作:36.6mm(非常に短い)、今作:38.3mm(やや短い)と少し長くなったものの、依然として短い部類です。
そして両方のフェース面上の重心を見ると、ヒール寄りのドローバイアスでこちらも継承されています。通常では縦長形状のヘッドだとつかまりが弱まるのですが、ドローバイアスで設計することで、逃さずに飛ばせる特徴も継承されています。

抜群の操作性とドローバイアスが継承されている
GD 基本的にはドロー弾道で、なおかつ抜群の操作性を生かして、つかまり加減にグラデーションを付けやすいわけですね。
松尾 はい。ですから買い替えを検討されてる方は、無理にスイッチする必要はないかなと。しかし今作は構えた時の印象がよりスッキリしているので、顔の雰囲気を重視されるのであれば、試打をしてから決められると良いと思います。
