素材の加工技術や設計方法の進化により、数多のモデルがラインナップされているアイアン市場。そんななか、原点回帰ともいえる“軟鉄鍛造旋風”が巻き起こっています。そして今年10月上旬、「ヨネックス」が新モデルを投入。今回はその「EZONE CB302アイアン」を紹介します。前モデルの「CB301」は、国内男子プロで密かに話題となり長く愛されています。他の国産軟鉄鍛造とは何が違うのか? クラブ設計家の松尾好員氏と共に性能をひも解いてみた。※データや比較番手はすべて7番です。

ヒール側に引き付けて打てるゴルファーにハマる

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打及び計測ヘッドが7番、シャフトは「REXISSteelCore Type-H 110」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。

重心距離が非常に短く、操作性が高い

クラブ重量が430.6グラムとカーボンシャフトが装着されていながら重いですが、クラブ長さが36.75インチとやや短めの設定。その結果スウィングウェイトがD0.2、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが269万g・㎠と共に抑えられています。計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが44〜45m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。

ヘッドはプロモデルらしくオーソドックスな形状、かつ小ぶりなサイズ感です。そして業界トップクラスのストレートネックで、ラインに対して非常にスクエアに構えやすくなっています。

実際に試打したところ、ヘッドのリーディングエッジとトップラインに丸みがあるので、アドレスではボールを包み込む様な雰囲気が出ています。そして試打シャフトは元調子らしく非常に硬くしっかり感があります。しなり感は少ないものの挙動が安定して再現性が高いです。

画像: 左から#5、#7、#9

左から#5、#7、#9

ヘッド素材が軟鉄でフェース面の肉厚は厚く、インパクト音が低く打感も良く、繊細なフィーリングを感じられます。またサイズが小ぶりなので、ラフからの抜けが抜群です。さらにプロモデルの中でも、ソール幅が広く、丸い形状。またバウンス角が4.2度と適度についているので、ダウンブローと相性がいいです。

バウンス角が4.2度とついているので、ダウンブローに上から打ち込むと抜けの良さを味わえる

重心距離が短く、ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントが小さいので、インテンショナルにドローやフェードといった弾道の高低も含め、操作しやすい性能です。さらにフェース面上の重心がヒール寄りなので、持ち球がフェード系のゴルファーと相性が良さそうです。

ヒール寄り重心でフェードヒッターと相性が良い

ロフト角が34度設定と大きいことで、ボールが上がりやすく、スピンも入り弾道とキャリーが安定する本格派アイアンです。

※週刊ゴルフダイジェスト 12月23日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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