
【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/34.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/22万1100円(#5〜PW)※すべてメーカー公表値
アイアン市場に揺り戻しが起きている⁉︎
GD 近年のアイアン市場を見ると、通常よりもロフトが立てられた“飛び系”や“中空構造”といった、クラシカルな設計とは一線を画したモデルが多く登場しています。
しかしここ数年は“軟鉄鍛造”に再フォーカスされているように感じます。今回分析する「EZONE CB302アイアン」(以下、CB302)もその類いで、国内メーカーという部分も含めて注目度が高いですね。
松尾 そうですね。国産メーカーに限れば、この連載でも紹介したミズノの“Sシリーズ”が記憶に新しいところでしょうか。また昨年にはなりますが、「ブリヂストン」の「241CB」や「スリクソン」の「ZXi7」がありましたね。

国内メーカーの主な軟鉄鍛造ツアーモデルたち
GD この連載でも多くの軟鉄鍛造アイアンを紹介してきました。分析をしていくと特にツアーモデルに関しては、大まかな設定が似ている傾向がありました。
松尾 はい。ツアープロの意見を反映して形にしているので、ある程度の基本設計は決まってきます。加えて打感や打音へのフィードバックも大切にするため、今でも軟鉄鍛造を好むプロがいる理由のひとつです。
GD 「CB302」も他の国産メーカーらと基本設計が似ているのでしょうか?
松尾 そうですね。リアルロフト角を見ると「CB302」は34.4度と、ツアーモデルらしい大きな数値です。【大きなリアルロフト角+軟鉄フェース】の組み合わせは、スピンが入りやすく高さが出しやすい、いかにもツアープロが求める設計です。
| CB302 | S-1 | S-3 | 241CB | ZXi7 | |
| リアルロフト角 | 34.4度 | 34.5度 | 34.4度 | 32.2度 | 32.1度 |
GD やはり基本的なヘッドデータは他メーカーと似ているわけですね。見た目はいかがですか?
松尾 見た目は他メーカーの物とは少し違いがありました。「CB302」はかなり強いストレートネックになっており、よりボールに対してスクエアに構えやすい顔付きをしています。

「CB302 」はかなり強いストレートネック設定で、スクエアに構えやすい
GD 従来のツアーモデルよりもFP(フェースプログレッション)が大きいわけですね。
松尾 他のモデルと比較すると、分かりますが飛び抜けた数値になっています。
| CB302 | S-1 | S-3 | 241CB | ZXi7 | |
| FP値 | 6.2mm | 5.2mm | 4.3mm | 4.6mm | 4.2mm |
ここまでの分析を踏まえると、強いストレートネックによる構えやすさと、ヘッドのサイズ感が小ぶりで操作性が抜群の本格派なモデルです。また打点ズレの強さを判断できるヘッドの慣性モーメント(標準値:2600〜2799g・㎠)が2422g・㎠と小さく、確実なミートが求められるツアープロが好む性能になっています。
