素材の加工技術や設計方法の進化により、数多のモデルがラインナップされているアイアン市場。そんななか、原点回帰ともいえる“軟鉄鍛造旋風”が巻き起こっています。そして今年10月上旬、「ヨネックス」が新モデルを投入。今回はその「EZONE CB302アイアン」を紹介します。前モデルの「CB301」は、国内男子プロで密かに話題となり長く愛されています。他の国産軟鉄鍛造とは何が違うのか? クラブ設計家の松尾好員氏と共に性能をひも解いてみた。※データや比較番手はすべて7番です。
画像: 【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/34.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/22万1100円(#5〜PW)※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/34.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/22万1100円(#5〜PW)※すべてメーカー公表値

アイアン市場に揺り戻しが起きている⁉︎

GD 近年のアイアン市場を見ると、通常よりもロフトが立てられた“飛び系”や“中空構造”といった、クラシカルな設計とは一線を画したモデルが多く登場しています。
 
しかしここ数年は“軟鉄鍛造”に再フォーカスされているように感じます。今回分析する「EZONE CB302アイアン」(以下、CB302)もその類いで、国内メーカーという部分も含めて注目度が高いですね。

松尾 そうですね。国産メーカーに限れば、この連載でも紹介したミズノの“Sシリーズ”が記憶に新しいところでしょうか。また昨年にはなりますが、「ブリヂストン」の「241CB」や「スリクソン」の「ZXi7」がありましたね。

画像: 国内メーカーの主な軟鉄鍛造ツアーモデルたち

国内メーカーの主な軟鉄鍛造ツアーモデルたち

GD この連載でも多くの軟鉄鍛造アイアンを紹介してきました。分析をしていくと特にツアーモデルに関しては、大まかな設定が似ている傾向がありました。

松尾 はい。ツアープロの意見を反映して形にしているので、ある程度の基本設計は決まってきます。加えて打感や打音へのフィードバックも大切にするため、今でも軟鉄鍛造を好むプロがいる理由のひとつです。

GD 「CB302」も他の国産メーカーらと基本設計が似ているのでしょうか?

松尾 そうですね。リアルロフト角を見ると「CB302」は34.4度と、ツアーモデルらしい大きな数値です。【大きなリアルロフト角+軟鉄フェース】の組み合わせは、スピンが入りやすく高さが出しやすい、いかにもツアープロが求める設計です。

CB302S-1S-3241CBZXi7
リアルロフト角34.4度34.5度34.4度32.2度32.1度
国産のツアーモデル軟鉄鍛造アイアンのリアルロフト角。「241CB」と「ZXi7」は“やや飛び”の部類だ

GD やはり基本的なヘッドデータは他メーカーと似ているわけですね。見た目はいかがですか?

松尾 見た目は他メーカーの物とは少し違いがありました。「CB302」はかなり強いストレートネックになっており、よりボールに対してスクエアに構えやすい顔付きをしています。

画像: 「CB302 」はかなり強いストレートネック設定で、スクエアに構えやすい

「CB302 」はかなり強いストレートネック設定で、スクエアに構えやすい

GD 従来のツアーモデルよりもFP(フェースプログレッション)が大きいわけですね。

松尾 他のモデルと比較すると、分かりますが飛び抜けた数値になっています。

CB302S-1S-3241CBZXi7
FP値6.2mm5.2mm4.3mm4.6mm4.2mm

ここまでの分析を踏まえると、強いストレートネックによる構えやすさと、ヘッドのサイズ感が小ぶりで操作性が抜群の本格派なモデルです。また打点ズレの強さを判断できるヘッドの慣性モーメント(標準値:2600〜2799g・㎠)が2422g・㎠と小さく、確実なミートが求められるツアープロが好む性能になっています。

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