解説/小林大介プロ
日夜、世界のトッププロのスウィングを研究し、アマチュアへの指導経験も豊富。湘南衣笠ゴルフ所属。
シャンクの原因について小林大介プロ教えてもらいました
小林 シャンクは構えたところよりもインパクトで2cmほどヘッドが前に出て、ボールがネックに当たる現象です。このシャンクは頭や体が突っ込んで前に出てしまう『突っ込み型』と、手元が前に出てしまう『あおり型』の2つに分けられます。
この2つは体の動きが”正反対”だ。自分のシャンクの原因はどちらが多いのかチェックしてほしい。
まずは、インパクトの頭の位置から見てみよう。「突っ込み型」はボールの左に、「あおり型」はボールの右になる。
次に肩の動かし方だが、「突っ込み型」は肩がフラットに回り、「あおり型」は肩が縦に動く。「突っ込み型」は右肩が突っ込み右わきが空く。「あおり型」右わきを閉めすぎて左わきが空く。
スウィグ軌道は「突っ込み型」はカットで、「あおり型」はインアウト。シャンクが出たらまず自分の動きをチェックし、修正することが大切だ。
シャンクの主な原因「突っ込み型」
「体が突っ込む」
球に当てる意識が強く、右手主導のダウンスウィングになり上体が先行し、左腰が引けて頭が前に出てしまう突っ込み動作が起こってシャンクが出てしまう。
「右ひざが前に出てしまう」
クラブのリリースのタイミングが遅いと下半身リードが継続し、右ひざが前に出て手の通り道がなくなるのでヘッドが遠回りしてシャンクになる。
シャンクの主な原因「あおり型」
「手元が浮く」
右わきを締めてインサイドからクラブを下ろしすぎるとインパクトでクラブが寝て入りグリップエンドが先行、手元が浮いてネックに当たりシャンクが出る。
「ヘッドを真っすぐ出しすぎる」
「フェースを真っすぐ」に出すことを意識しすぎると手が飛球線方向に先行してしまう。するとヘッドが遅れて開いてしまうのでヒールに当たりやすくなる。
具体的なシャンクの原因や対処法の解説をしてもらおう
小林 突っ込み型は、①『体が突っ込む』のと、②『右ひざが前に出てしまう』のが原因。力み過ぎたり、球に当てに行く動きにより、上体先行のアウトイン軌道になりネックにあたるのです。
対処法は、上体が前に出ないように、ダウンスウィングでしっかり左右に体重を乗せることですが、ラウンド中は、『応急処置』で紹介しているように、打つ前の脱力がポイントになります。
(1)突っ込み型応急処置「脱力プレショットルーティン」
「突っ込み型」のシャンクは、力みなどにより体が固まるのが原因。コースですぐにできる対処法としては、次のショットを打つときに、一度目一杯力を入れてから脱力するといったルーティンを取り入れてリラックスすることが大事。
小林 根本治療としては、『ボールを2つ並べて打つドリル』が最適で、インサイドから下ろしてくれば右肩が前に出ず、突っ込みが収まります。
あおり型のシャンクは、③「手元が浮く」と、④「ヘッドを真っすぐ出しすぎる」ことが主な原因だ。球を持ち上げようとして、クラブが寝て入る、左わきが空く、手元が浮き前に出て、フェースが開いて、ヒールに当たるというのが、シャンクが出る流れだ。
あおり型の人は、コースでの応急措置2「右足を開いて打つ」が対処法となる。インパクトでヘッドが自然にターンしやすくなるので、シャンクを防ぐことができるのだ。
(2)あおり型応急処置「右足のつま先を開いて打つ」
ダウンスウィングで右足が前に出ると、グリップも自然と前に出てシャンクする。対処法は、右足のつま先を外側に向けてベタ足で振る打ち方。グリップの先行が抑えられてヘッドがターンする。
練習場でシャンクを直すときの3つの根本治療ドリル
根本治療① ボールを2つ並べて打つ
外側の球にセットして手前の球を打つと、軌道が8の字になり腕が体に引き寄せられ、手元が前に出ることが抑えられる。ただし、練習場などでこの練習をする場合は、ボールが人やモノに当たらないように十分注意が必要だ。
根本治療② わきタオル挟み打ち
「突っ込み型」の時は右わきにタオルを挟み、「あおり型」のときは左わきに挟むことで、ヒールが前に出ていく動きを抑えるようにする。タオルは、体の前面からタオルを回すようにして、高さは胸のラインくらいにセットする。
根本治療③ アライメントスティックで軌道修正
アライメントスティックを「八の字」になるように地面に置いて打つ。シャンクが出るときはヒールが先行してインパクトを迎えてしまうが、「八の字」に置いたスティックにより軌道が修正されることでフェースターンが自然にできるようになる。
TEXT/Masaaki Furuya
PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/葉山国際カンツリー倶楽部
週刊ゴルフダイジェスト10月15日号「シャンクはなぜ出るのか? どう直すのか?」より(続く)