
株式会社 HARADAGOLF 代表取締役:原田修平
指導歴25年以上、アマチュア専門のレッスンプロとして活動し、17万人以上の登録者を誇る人気YouTuber。その持ち味は163cmという小柄な体格でも飛距離を伸ばせる抜群の技術力や、ポイントを押さえたわかりやすいレッスンにある。またLDJ(ロングドライバーズ オブ ジャパン)日本大会出場経験もある。
腕力ではなく「足と腹筋」で押す!
グリップの支点を意識すれば体のコアが動き出す
「当然ながらスウィングで力を出すべきところはインパクトですが、ここで正しく効率的に力を伝えられていない人がたくさんいます。そもそもゴルフスウィングは、腕の力でボールを叩きにいくものではなく、体のエネルギーをクラブに伝え、シャフトに仕事させる、これが原則です。その感覚を養うために、まずは自分の『出力』が正しいかを確認してみましょう。
試しにドライバーのフェースを練習場のマットの縁や柱などに引っかけて動かない状態にし、インパクトするイメージでターゲット方向へグイッと押し込んで、シャフトをしならせてみてください。どうでしょう、一番力が入っているのは足や腹筋などの大きな筋肉で、決してグリップをギュッと握り締めてはいないはずです」(原田修平コーチ・以下同)
まずは「押し込む」感覚をチェック。
腕の力ではなく、下半身と腹筋でシャフトをしならせるのが正解だ

練習場のマットなど、クラブが引っかかる場所でシャフトをしならせるようにクラブを押し込むと、必要な箇所に圧力がかかる
やってみるとわかるが、下半身や腹筋にグッと力を入れないと、シャフトがしなるほどには押し込めない。同時に、両手でがっちりクラブを握り込んで腕に力が入ったり、逆に完全にゆるゆるだったりすると、バランスが取れず押し込むどころではなくなってしまう。いずれにしても、普段のショットでこれほど力強くインパクトできていないことは、誰の目にも明らかだ。
「グリップで言うなら、実際にクラブを押し込んでいるのは右手の親指の付け根あたりと人さし指の付け根、左手は中指、薬指、小指の3本です。ここが支点となって正しく押せない人は、ゆるいグリップのままインパクトを迎えているか、逆に最初から最後までギュッと握りしめてスウィングしています。両方に共通するのは、肝心のインパクトで力が入らないこと」と原田コーチ。

写真左は押し込む部分のイメージ。特に右手の人差し指で押す部分を強く意識してみよう
(写真右は右手人差し指に力が入りにくいグリップの例)
「スウィングの始動は、グリップはゆるゆるでも構いませんが、そこから徐々に出力が高まり、インパクトの瞬間に100%になるというメリハリが必要なのです。逆に言えば、グリップを支点にして正しく押し込めたからこそ、マットの縁を押し込んだときに足や腹筋にパワーがみなぎった。クラブを正しく『押す』ことができてはじめて体のコアの部分に力が入り、同時に打ちたい方向へ向かってエネルギーを効率よく出力できるようになるのです」
正しい方向に出力するポイントは、この両手の支点を意識した使い方にある。単にフェースにボールを当てるという点の作業ではなく、ターゲット方向へ「ボールを押し込んでいく」という線(ゾーン)のイメージをもつことで、はじめて正しくシャフトがしなり、インパクトでフェースがピシャリと目標方向を向くようになるということだ。
“当てる”から“押す”へ。この意識の転換こそが、ターゲットに運ぶという“ショットの精度”をワンランク上へと引き上げる鍵になる。次回以降は体重移動や踏み込むタイミング、正しい腰の回転などについて教えてもらおう。
TEXT/Kazuya Kishi PHOTO/Hiroshi Yatabe
前回の記事はこちら!
https://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17811766
https://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17812994







