「アプローチの松山」から「アイアンの松山」へ。世界最高峰のキレが復活

ショットの精度が良くなり、ムービングサタデーをものにした松山英樹(撮影/岩本芳弘)
2日目の松山を支えたのは、グリーン周りのリカバリー(SG: Around The Green 1位)だった。しかし、この3日目は、私たちがよく知る“あの松山英樹”が帰ってきた。
特筆すべきは「SG: Approach to Green(ショットのスコア貢献度)」だ。2日目は「-0.574(76位)」と足を引っ張っていたこの数値が、3日目には「+3.530」まで跳ね上がり、堂々の全体3位を記録。セカンドショットの距離感がピタリと合い始め、次々とチャンスを演出した。
インタビューで「昨日までよりセカンドの距離感が良かったが?」と問われると、「毎日変えているので、良かった部分とまだ良くなっていない部分とありますね」とあくまで慎重な姿勢を崩さない。しかし、数字は嘘をつかない。世界最高峰のアイアンショットが、ワイアラエの風を切り裂いたことは間違いない。
「SG: Total 1位」。この日、誰よりも強いゴルフをした男
そして、もう一つ注目すべき数字がある。 ショット、パット、アプローチすべてを含めた総合的なスコア貢献度を示す「SG: Total」において、松山はこの日「+5.135」を記録し、なんと全体1位(タイ)に輝いた。
初日、2日目と苦しんだパッティング(SG: Putting)も、この日は「+0.407(34位)」とプラス圏に浮上。
「もったいないショット、パットもたくさんあるんですけど、そのなかでも2番だったり、15番だったり、いい距離のパットが入ってくれた」
本人が語る通り、ショットで作ったチャンスをグリーン上で活かす噛み合わせの良さが戻ってきた。
ドライバー(SG: Off The Tee +0.932/14位)も好調を維持。2日目の「凌ぐゴルフ」から、3日目は「圧倒するゴルフ」へ。その変貌ぶりは、さすがマスターズチャンピオンだ。
最終日、さらに上へ
「少しは(上位との差が)縮まったと思う。今日みたいなゴルフを、もっとスムーズにできれば、もう少しスコアを伸ばせると思う」
静かに闘志を燃やす松山。 首位との差はまだあるが、この日見せた「フィールドNo.1」のゴルフを最終日も再現できれば、ビッグスコアと共にさらなる上位進出、そして優勝も夢ではない。
“松山チャージ”の準備は整った。最終日の18ホール、その一挙手一投足から目が離せない。
