昨年(2025年)、堀琴音、柏原明日架、菅沼菜々という3人の女子プロを復活優勝に導き「再生工場」とも評される森守洋コーチ。周囲の人間は「森さんは適当」と口をそろえるがその「適当さ」にこそ上達の真実があるのではないか。現在発売中の「月刊ゴルフダイジェスト」3月号では、人間・森守洋を観察しつつ、その真相を探った。「みんなのゴルフダイジェスト」では、女子プロ3名が証言した彼の“適当力”を紹介しよう。
画像: ▶森守洋(もり・もりひろ) その適当さは、「悪くても『良い』って言うくらい適当なんです」と堀琴音が証言するほど

▶森守洋(もり・もりひろ)
その適当さは、「悪くても『良い』って言うくらい適当なんです」と堀琴音が証言するほど

令和の“適当王”森守洋コーチのプロフィール

1977年生まれ。静岡県出身。高校でゴルフを始め卒業後に渡米。帰国後は研修生となり故・陳清波プロに師事しつつ指導者を志す。2010年、東京・三鷹市に「東京ゴルフスタジオ」を開設。

【教え子たちが証言】森守洋の“ホント”の姿を教えて!

画像: 森コーチが復活優勝へ導いた3人の女子プロ(左から菅沼菜々・柏原明日架・堀琴音)

森コーチが復活優勝へ導いた3人の女子プロ(左から菅沼菜々・柏原明日架・堀琴音)

森守洋は周囲から「適当」と評されるが、具体的にはどんなところが適当なのだろうか。本当にすべてが適当なのだろうか。森に指導を受ける3人の女子プロにアンケートを取り、彼のどこが適当なのかを聞いてみた。

すると、「女心がわからない」(堀)、「ズボンのひざや靴が汚い」「予定を決められない」(柏原)といった人物評と同時に「調子が悪いのに『大丈夫』『いいよ』と言われる」(堀)、「考えすぎないほうがいいと言われる」(菅沼)などといったコメントが出てきた。調子の波やスウィングの細部を気にする選手にとっては、こういうところが「適当」に感じるのかもしれないが、むしろこのポジティブさやアバウトさこそが、選手たちが結果を出せる秘密なのだろう。

証言者1:堀琴音「こっちゃん大丈夫! を一番言われ続けました」

画像: 昨年(2025年)の「日本女子オープンゴルフ選手権」で復活優勝(撮影/姉﨑正)

昨年(2025年)の「日本女子オープンゴルフ選手権」で復活優勝(撮影/姉﨑正)

「森さんをひと言で表すなら『ゴルフ変態』(笑)。森さんにはゴルフの基礎を教えてもらっている感じです。適当な人ですが、それが元気につながり、本当に人生が変わりました!」

▶堀琴音(ほり・ことね)
96年生まれ。2014年にプロ入りし、シードを落とすなど苦しむ時期もあったが、21年に初優勝。昨年の「日本女子OP」で4年ぶりの3勝目を飾る。姉でツアー2勝の奈津佳とともに森に師事。

証言者2:柏原明日架「ひざが汚れていても気がつかないおじさん(笑)」

画像: 昨年(2025年)の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で復活優勝(撮影/大澤進二)

昨年(2025年)の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で復活優勝(撮影/大澤進二)

「森さんをひと言で表すなら『ひざが汚れているのに気づかないおじさん(笑)』。今年はフェースの向きを徹底的に気にしました。森さんの前向きな言葉で自信が持てるようになりました」

▶柏原明日架(かしわばら・あすか)
96年生まれ。2014年にプロ入りし、19年に2勝を挙げるが、その後3勝目が遠かったなか、23年から森に師事。昨年の「NEC軽井沢72」で6年ぶりの3勝目を果たすなど完全復活を果たした。

証言者3:菅沼菜々「考えすぎず適当くらいがいいと言われ続けました」

画像: 昨年(2025年)の「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」で復活優勝(撮影/大澤進二)

昨年(2025年)の「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」で復活優勝(撮影/大澤進二)

「森さんをひと言で表すなら『カリスマ』! 私には適当には見えませんが、『考えすぎないことがいいこと』とはいつも言われています。選手を鼓舞し、いいところを伸ばしてくれます」

▶菅沼菜々(すがぬま・なな)
2000年生まれ。2018年にプロ入りし、23年には2勝。翌年不調に苦しみシードを落としたが、森の指導により昨年「パナソニックオープン」で復活優勝。自他ともに認める「アイドル」。

「考えすぎない」のであって「考えない」わけではない

森のアバウトさは「ずっと百点のゴルフはできないから自分を許そうと言われる」(堀)という言葉に集約されているかもしれない。

「自信を持てる言葉選びをしてくれる」(柏原)、「自分のいいところを伸ばしてくれる」(菅沼)とも評されるように、選手がいま持っている技術をコースでいかに発揮するかにこそ、森の指導の神髄があるのだ。

一方で、柏原が「Dプレーン理論の基礎を教わった」と話すように、実はインパクト時の物理現象を非常に重視する側面もある。森の指導の代名詞ともいえる「原理原則」という言葉の真意はその点にあり、いわば最低限のポイントだけはしっかり押さえて、スコアに直結しない余計なことに注意をそがれないように選手を導いていると言える。これは実は、アマチュアがスコアを出すうえでも重要なポイントなのだ。

【森流のキモ】 「適当とはいっても原理原則は知ってください」

画像: 森コーチの凄さは「原理原則」を押さえたうえで適当でいられることだった

森コーチの凄さは「原理原則」を押さえたうえで適当でいられることだった

「技術的に大事なのは、インパクトの衝突で起こる物理現象だけで、その『原理原則』さえ押さえておけばスウィングは勝手に生まれるもの。金づちでくぎさえ打てれば、本来誰でもいいスウィングはできるはずなので、細かいことは考えないほうがいいんです」(森)

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月刊ゴルフダイジェスト3月号やMyゴルフダイジェストでは、「スウィング指導」や「スコアメイク指導」の観点から、森コーチの“適当力”を深堀りしている。合わせて読めば、アマチュアゴルファーにありがちな“考えすぎ”や“適当すぎる”癖を直すヒントを得られるはずだ!

Myゴルはこちらスウィング編(有料です)

Myゴルはこちらスコアメイク編(有料です)

取材・文/鈴木康介
撮影/大澤進二

月刊ゴルフダイジェスト3月号「~1年で3人を復活させたコーチ・森守洋の『適当力』」より一部抜粋

森守洋の新連載が週刊ゴルフダイジェストでスタート

【動画】森守洋と編集長・菊地の対談はこちら


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