持ち球をフェードに変えたきっかけを振り返る
菊地:堀琴音選手、日本女子オープン優勝おめでとうございます! 森さんのインスタグラムの投稿も見ましたよ。
森:ありがとうございます。あれのおかげでフォロワー数が3日で3000人くらい増えてびっくりしました。やっぱりタイトルの重みが違うなと。
菊地:堀選手の人となりも伝わるような内容でしたね。
森:本当はもっとひどいことを書いていたんですけど、最後に読み返して結構削除しています。JGA様の大会でもあるし、スポンサー様もいるので。あれで、最上の品位を保って書いた文章です。
菊地:堀選手は「ヤバいやつ」と書いていましたね。
森:もうヤバいです。今回の取材を受けようと思ったのも、まだ世の中の人が堀琴音……いや堀姉妹のヤバさを知らないな、存分に話せる機会だなと思って。
菊地:ぜひお聞きしたいです。インスタの投稿では「シードも落ち試合にも出れず東京ゴルフスタジオで練習しては文句を言いながらお菓子食ってたあなたが」と言っていましたが。
森:彼女は高校生でステップ優勝した天才児で、プロ入りしてすぐシードを獲って。その時も、原江里菜を見ていたのでもちろん知ってはいましたが、まあ大して見たこともなく。ただ、次第に予選落ちばかりしだしたな、調子悪くなったんだろうなとは見てました。
で、僕のところに来た時は本当にもう「え!?」みたいな。「どうやってお金稼いでたんだろう」みたいなショットをしていました。
菊地:それが2018年頃ですね。
森:多分そのくらいですね。
菊地:「私、イップスですか?」って堀選手から告白があって、みたいなことをお聞きしました。
森:イップスじゃなくて、ただクラブの動きが悪いだけでした。物理的側面から見たらそりゃ曲がるよねみたいな感じだったんです。だから天才もちょっとしたきっかけでこうなっちゃうんだなと思いましたね。
菊地:当時はドローを打っていましたが、それをフェードに変えましたよね。
森:僕のところに来た当初から言っていたんですが、ほぼ無視されて。僕は根本の原理原則的なクラブの動きとかが好きなので、頭が良い人にはそういう側面から攻めるんですよ。でも彼女は感覚派なので、こっちが「これは来た!」っていう説明をしてもまったく響かないんですよ。
それが続いて「だったら彼女の感覚に合わせたものを作っていくしかない」という風にやっていって。で、結構すぐに良くなったんですよ。だけど試合になるとやっぱりダメで。人間ってあまりにも失敗が重なると、失敗よりも成功への恐怖心みたいなものが出てきて。スウィングが良くなってきても1~2年は「試合になるとダメ」を繰り返してました。
で、もう思い切って動きをフェードに変えようと。でも、ずっと「フェード打とうよ」って言っていて、練習場ではちょっとやってくれるんですよ。でも試合とかコースに行くとやってくれなくて。練習場だと曲がらないから「これで良いじゃん」って言っていたんですけど。
きっかけは21年の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で僕がキャディをやらされたときですね。
菊地:やらされた、なんですね(笑)
森:はい。ダイキンの10番ホール、ティーショットを朝イチで打ったら、もう右のクラブハウスの岩のほうへ行くくらい、50ヤードくらい右で、余裕のOB。
「もうどうしよう」みたいになって、それで「こっちゃん、もうフェード打とうよ」って言ったんです。散々練習してきたのに一発目がそんな感じだったから本人もドローを諦めて、いきなりフェードを打ったんですよ。
一日中フェードを打ち続けて、そしたら2年振りくらいに予選通過できたんです。60台も出て。そこからトントン拍子で「ニッポンハムレディスクラシック」で優勝できました。だから本当にちょっとしたきっかけで、試合だからこそ思い切って変えられたのはあると思います。
本編動画はこちらから
「Myゴルフダイジェスト」上で公開中の動画本編では、森守洋コーチが堀姉妹について、さらに深く語ってくれている。下記リンクからぜひチェックしてみてほしい。


