「HSBC女子世界選手権」で通算14アンダーをマークし、首位タイからスタートした激闘を制して優勝を飾ったハナ・グリーン。彼女にとってツアー通算7勝目となるこのタイトルは、前回の優勝から実に約500日ぶりの歓喜だった。だが、この勝利が彼女にとって過去のどの勝利よりも特別だった理由は、その「空白の期間」だけではない。傍らでバッグを担いだ最愛の夫、そして同じ組で優勝を争った幼馴染のライバルの存在があったからだ。

急造キャディの夫と乗り越えた「見えない重圧」

画像: 夫ジャリード・フェルトンとのコンビでは初となる優勝となったハナ・グリーン(PHOTO/Getty Images)

夫ジャリード・フェルトンとのコンビでは初となる優勝となったハナ・グリーン(PHOTO/Getty Images)

実は今大会、グリーンのバッグを担ぐ予定だった専属キャディは、ビザ(グリーンカード)申請の都合で急遽アメリカを出国できなくなっていた。そこで白羽の矢が立ったのが、プロゴルファーでもある夫のジャリード・フェルトンだったのだ。

最終日のサンデーバックナイン。首位を争う極限のプレッシャーの中で、グリーンは自分でも予期せぬ感情に襲われていたという。

「正直に言うと、コース上で本当に緊張していたの。夫にも『なぜこんな気分になるのか分からない。久しぶりだからかな』とこぼしていたくらいよ」

見えない重圧に押し潰されそうになる彼女を支えたのは、他でもない夫だった。同じプロゴルファーとしてプレッシャーの正体を理解する彼は、妻に向かって静かに、しかし力強く声をかけ続けた。

「深呼吸して」「水を少し飲んで」

そのシンプルな言葉の繰り返しが、彼女に冷静さを取り戻させた。

「夫と一緒に勝てたから、以前の勝利よりもずっと感情的になったわ」

ラッキーナンバーである「7」勝目を、最愛のパートナーと分かち合った特別な瞬間。表彰式で見せた彼女の涙が、その絆の深さを物語っていた。

**【動画・約14分半】HSBC女子世界選手権最終日、ハナ・グリーンのハイライト【LPGA公式YouTube】

画像: Hannah Green WINS for the second time in Singapore www.youtube.com

Hannah Green WINS for the second time in Singapore

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ミンジー・リーとの“地元”のような最終組

そしてもう一つ、彼女の心を安らかに保つ支えとなった要因がある。最終日最終組を共に回ったのが、同い年で同じオーストラリア・パース出身のミンジー・リーだったことだ。

世界トップレベルの優勝争い。通常であれば、張り詰めた空気が同組の選手間に漂うものだ。しかし、この日の二人の間にピリピリした雰囲気は皆無だった。「まるで実家(パース)で一緒に回っているような、普通の感覚だったわ」とグリーンは振り返る。

グリーンがバーディを重ねて首位を走る一方、リーはスコアを落とす苦しい展開。それでも、お互いのキャディ(グリーンの夫を含む)を交えて和やかに会話を交わし、リラックスした空気が途切れることはなかった。ホールアウト後、敗れたリーは笑顔で友人の勝利を心から祝福した。

「次に夫にキャディしてもらうのは、(3月12日開幕の)オーストラリアン女子オープンの予定よ」

愛する夫との二人三脚、そして盟友との温かい時間。過酷な世界最高峰の舞台で、ハナ・グリーンは「最高に心地よい」環境を作り出し、見事に勝利の女神を微笑ませたのだ。

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