SPEEDER BOOST 6S
先週は「SPEEDER BOOST」の40、50グラム台を検証しましたが、今回は60グラム台のフィーリングと、軽量ヘッドとのマッチングを検証していきたいと思います。
テストクラブ
PING G440 MAX 45.75インチ×SPEEDER BOOST 60S(振動数:226CPM)
SPEEDER BOOST 60はSフレックスのみの展開で、重量は50Sよりも9グラム重い64グラム。ダブルキックシャフトが持つフィーリングは、非常に重厚感があるように感じられます。なめらかさを感じるスムーズなシャフト挙動は、まさに「重軟」シャフトのフィーリングです。

SPEEDER BOOST 6S
一般的に60グラム台のSフレックスのシャフトは、ある程度のパワーを必要とする場合が多いものです。しかし、「SPEEDER BOOST 60」はシャフト自身の重みによって、ダウンスウィング時に必要な手元部分のしなりを自然に生み出してくれます。容易にしならせることができるため、一般的な60グラム台のSフレックスに求められるようなパワーは必要としないでしょう。

吉田氏によるSPEEDER BOOSTの4S、5S、6Sのチャート図
アマチュアゴルファーの中には、シャフト重量が軽いと理想的なスウィングプレーンに乗せにくく、シャフトの挙動が安定しないという方も多くいらっしゃると思います。そのような悩みを持っているゴルファーにとって、非常にメリットがあるスペックだと言えます。
ゆっくりとしたテークバックからでも、スムーズな切り返しが可能な「SPEEDER BOOST」。その最大の特徴は、中間から先端へと伝わるしなやかなシャフトの動きにあります。このしなりのおかげで、ボールをオートマチックに捉えやすく、スウィングのエネルギーをロスなくボールへと伝えていくことが可能です。さらに、60グラム台がもたらす重厚なインパクトから放たれるボールスピードは圧倒的で、打った瞬間にその飛距離性能の高さを実感していただけるでしょう。
「SPEEDER BOOST」の持つシャフト特性は、40グラム台と50グラム台だけでも、その魅力をユーザーに十分に伝えることができるはずです。しかし、そこに60グラム台の「SPEEDER BOOST 60」をラインナップに加えることで、多くのエンドユーザーを抱えるフジクラが、メーカーとして全く新しいコンセプトの「SPEEDER BOOST」の魅力をより多くの方に伝えたいのだという、熱いメッセージを感じることができます。

吉田氏によるSPEEDER BOOST 60-Sの評価グラフ
「SPEEDER BOOST 60」は、フジクラの60グラム台のシャフトラインナップの中で、どれにも属さないスペックを持つ、存在感のある個性的なシャフトだと思います。64グラムの重量に違和感なく振ることができれば、ヘッドスピードを問わずお使いいただけるでしょう。新しいコンセプトのシャフトです。試してみることで、何か新しい発見があるかもしれません。ぜひ一度、手にとっていただきたいと思います。
「SPEEDER BOOST」のヘッドマッチング
フジクラの新コンセプトシャフト「SPEEDER BOOST」は、シャフトメーカーとしてあらゆるヘッドへの装着を想定して設計されているとは思います。しかし、私の経験上、どのようなシャフトでもヘッドの重量などのスペックによって、フィーリングに差が出るということを実感しています。
そこで、実際に重量の異なるヘッドで検証してみたいと思います。今回のテストで採用したヘッドは、PINGの「G440 MAX」と、軽量モデルの「G440 MAX HL」です。ヘッド重量によるシャフトのフィーリングの変化を、2つのヘッドで打ち比べてチェックしました。

「G440 MAX」と、軽量モデルの「G440 MAX HL」
まずは各ヘッドでのシャフト振動数をチェックしました。
PING G440 MAX HL
クラブレングス:45.75インチ
ヘッド重量:190グラム
40R:振動数193CPM
40S:振動数207CPM
50R:振動数208CPM
50S:振動数223CPM
60S:振動数230CPM
PING G440 MAX
クラブレングス:45.75インチ
ヘッド重量:197グラム
40R:振動数190CPM
40S:振動数202CPM
50R:振動数205CPM
50S:振動数219CPM
60S:振動数226CPM
「G440 MAX HL」のヘッド重量は190グラム、「G440 MAX」は197グラムと、ヘッド重量に7グラムの違いがあることで、シャフト振動数の数値にも明らかな変化があることが確認できます。実際に打ってみても、シャフトのフィーリングに違いを感じることができました。
軽量モデルの「G440 MAX HL」を装着した「SPEEDER BOOST 40」「SPEEDER BOOST 50」のRフレックス・Sフレックス共に、特に感じられたのは「シャフト先端部分の動き」です。ヘッド重量の違いにより、先端部分のやや上に設定されたキックポイントにかかるテンションが影響し、動きに変化が出るのでしょう。軽量ヘッド装着時のほうが動きの幅が少なくなるため、スッキリとしたスピード感のあるシャフトフィーリングでした。先端部分の動きが少なくなることで、ボールのつかまり度合いにも変化が感じられました。
「SPEEDER BOOST 60」のSフレックスは、手元部分から先端部分にかけてのシャフトのしなり量がわずかながら抑えられた印象になります。フィーリングに変化が出ることで、弾道にも違いを感じられました。
「SPEEDER BOOST」は、手元部分と先端部分の両方にキックポイントを持つダブルキックのシャフトですので、ヘッド重量や重心設計による各部分へのテンションのかかり方で、フィーリングに変化が出やすいのだと思います。
今回のテストクラブのシャフトレングスは45.75インチで検証しましたが、シャフトレングスが短くなれば振動数も上がりますので、シャフトの挙動にさらなる違いを感じられるでしょう。カスタムクラブのオーダー時やリシャフト時には、ヘッドに合った適正なレングスやバランスで組み上げることで、「SPEEDER BOOST」の持つパフォーマンスを、自身の求めるイメージで実感しやすくなるはずです。
ぜひ、クラブ選びの参考にしていただければと思います。


