
若手実力派No.1との呼び声が高いマイケル・ソービヨンセン(写真はベイカレント C レクサス、撮影/岡沢裕行)
名門スタンフォード大学を卒業し、2024年に「PGAツアー・ユニバーシティ」ランキング1位の資格でPGAツアー出場権を獲得したソービヨンセン。アマチュア時代からその実力は群を抜いていた。
「彼は名門スタンフォード大出身で、文武両道の『原石』です。まさに次世代を担う若手実力派ナンバーワンと言えるでしょう。2018年には全米ジュニアアマチュア選手権で優勝し、2022年には『トラベラーズ選手権』で4位に入るという衝撃的な成績を残しました。プロ転向後も、わずか3戦目で2位タイに食い込むなど、今シーズン最も初優勝に近い選手としてアメリカでも非常に注目されています」(以下、杉澤)
ノルウェー出身の父とジンバブエ出身の母を持ち、多文化な環境で育ったソービヨンセン。
「2歳という幼さで初めてクラブを握った彼ですが、その後のゴルフ人生を支えてきたのは、かつて大学でゴルフをプレーしていた母親の教えでした。『プロとして成功するためには、周囲の支えやコミュニティへの感謝を忘れてはいけない』。彼は母親からのこの教えを、今も自身の原点として大切に守っています」
その人間性は、プロ転向後の心温まるエピソードにも表れている。
「彼はプロになって初めて手にした賞金で、両親をディナーに連れて行ったそうです。自分を支えてくれた人との繋がりを何より大切にされているんですね。経歴だけを見ればゴルフエリートですが、実は非常に人間味に溢れた愛らしい性格の持ち主なんです」
華々しいキャリアを歩んできた彼だが、2023年末、背中の疲労骨折という選手生命を左右する大きな壁に直面した。
「彼はプロ入りの直前、選手生命を揺るがす大きな試練に見舞われました。一時はベッドで伏せて過ごすしかない過酷な日々を経験しましたが、彼はその時間を成長のための貴重な『準備期間』へと見事に転換させました。自分の体と深く向き合うことで、以前よりも練習や準備に対して規律正しく取り組むようになりました。またメンタル面でも、スコアという目に見える結果に一喜一憂するのではなく、『自分がコントロールできること』だけに集中する術を身につけました。この大きな試練を乗り越えた経験が、今年の『WMフェニックスオープン』3位タイに入るなど、コンスタントな優勝争いを支える強固なメンタリティを作り上げたのでしょう」
ソービヨンセンの最大の特徴は、「テンフィンガーグリップ」から繰り出される圧倒的な飛距離と、そのアドバンテージを活かしたプレースタイルだ。
「2025年のスタッツを見ると、平均飛距離317.8ヤードで全体6位。そして何より驚くべきは、パーオン率が73.56%で全体1位という点です。ティーショットでこれだけのアドバンテージを奪うからこそ、セカンドショットで短い番手が持て、高い確率でグリーンを捉えることができる。さらにスコアリング・アベレージは全体7位、バーディ・アベレージも全体8位と、どこを切り取っても魅力しかありません。見ていて本当に楽しい、アグレッシブなゴルフが彼の持ち味です」
難攻不落のTPCソーグラスへの挑戦
今大会が「ザ・プレーヤーズ選手権」初出場となるソービヨンセン。
「1982年から変わらず本大会の舞台となっているフロリダ州のTPCソーグラスは、ピート・ダイ設計の難コース。やはり注目は17番のアイランドホールですね。そこが初出場の彼を待ち受けています。そして本大会で初出場・初優勝を成し遂げた選手は、長い歴史の中でも数えるほどしかいません。しかし、飛んで曲がらない彼のプレースタイルは、この難所との相性が非常に良いはずです。彼ならいきなり歴史を塗り替えてくれるのではないか。これからのPGAツアーを支えるスター候補が、どんな戦いを見せてくれるのか本当に楽しみです」
強さと優しさを兼ね備えた超新星。TPCソーグラスを舞台に、彼が放つ輝きにぜひご注目ください。
U-NEXT 木村真希



