ツアープロの知識や経験、思考力はそのままに、体だけが初心者になってしまったとしたら……。トッププレーヤーたちは、一体何から練習を再開するのか。そんな究極の謎を解明すべく、「Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント」の練習日に潜入したのは、ツアー担当の“名探偵H”。プロたちのリアルな「再始動プラン」を直撃調査した。
画像: 「ゴルフの知識はあるが体が初心者になったら」という仮定に対し、女子プロたちが真っ先に着手すると答えた練習内容を教えてくれた

「ゴルフの知識はあるが体が初心者になったら」という仮定に対し、女子プロたちが真っ先に着手すると答えた練習内容を教えてくれた

圧倒的多数は「100ヤード以内」と「アプローチ」

画像: 急な質問に、一度考え込む川﨑春花/撮影:姉崎正

急な質問に、一度考え込む川﨑春花/撮影:姉崎正

名探偵Hの問いかけに対し、「私はアプローチですね」と答えたのは川﨑春花だ。

「アプローチからどんどん距離を広げていく感じです。ジュニア時代は遊びのように10ヤード、20ヤードを打っていましたが、中学生からは感覚重視でやってきました。今の自分にも言えることですが、調子が悪くなっても戻れる『軸となる番手(私の場合は9番アイアン)』を作ることが大事だと思います」と、スウィングの拠り所を作る重要性を語ってくれた。

一方、昨年のリカバリー率1位に輝いた高橋彩華からは、意外な回答が返ってきた。

「私がもう一回最初から始めるなら、番手は気にせず、スウィングの形をイチから作り直します。今の自分のスウィングにはコンプレックスがあって……。韓国の選手のように、最初から効率の良いフォームを固めたいですね」と、現状に満足しないストイックな姿勢を見せる。

渡邉彩香も同じく土台作りを重視する一人だ。

「腕と胸が同調して振れるよう、まずはハーフショットで練習します。目指すレベルにもよりますが、もし70台を目指すなら、圧倒的に100ヤード以内の距離感を養う練習ですね。基礎を固めることが先決です」と力説した。

「重さ」と「感覚」を重視する青木瀬令奈の論理

画像: 青木瀬令奈らしい理論的な方法は、社会人から始めたゴルファーは馴染みやすいかもしれない(撮影/有原裕晶)

青木瀬令奈らしい理論的な方法は、社会人から始めたゴルファーは馴染みやすいかもしれない(撮影/有原裕晶)

理論派の青木瀬令奈が提案するのは、道具の特性を逆手に取った練習法だ。

「選ぶのは58度のウェッジ。一番重さがあって、ゴルフクラブ特有の『偏重心(重心がシャフトの延長線上にないこと)』に慣れるのに最適だからです。振るための筋力は実際に振らないとつかないので、私だったら58度でのフルショットまでをひたすらやり込みます」

これに、キャディを務める大西翔太コーチが補足する。

「最初はサンドウェッジで、上体は『回転運動』、下半身は体重移動の『直線運動』と分けて覚えさせます。最初が肝心で、何も考えずに始めると『下手固め』になり、そのクセを取るのに膨大な時間がかかってしまいますから」

出産を経験した福田真未の「リアルな実感」と究極の選択

画像: 昨年7月に長男を出産した福田真未

昨年7月に長男を出産した福田真未

昨年7月に長男を出産した福田真未は、実際に「体が思うように動かない状態」からの復帰を経験したばかりだ。

「難問ですね……! でも、もしそうなったら58度での小さいアプローチから始めます。実際、産後に体が戻らない状況から練習を再開したとき、打つ感覚を養うことが一番重要だと感じたからです」

まさに、実体験に基づいた説得力のある回答である。同じく阿部未悠もこの考えに同意し、「私だったらアプローチを徹底的に練習します」と、グリーン周りの技術を磨くことを選んだ。

画像: 使用頻度の高いクラブから使うという、アレンジが効いた後藤未有の練習方法

使用頻度の高いクラブから使うという、アレンジが効いた後藤未有の練習方法

一方で、1打の重みを最も理解するクラブから選ぶプロもいる。「私はパターかな」と言うのは後藤未有だ。

「初心者レベルの技術だと、グリーン近くに乗せること自体が難しい。まずは3パットしないよう、長い距離の感覚を養うロングパットの練習をします。使う頻度の高いクラブから順に、パター、ドライバー、ウェッジという優先順位ですね」

最後に、技術以前の「土台作り」を指摘したのが永峰咲希。

「トレーニング一択です! 今の自分の動きや柔軟性を再現できるよう、まずはフィジカルを作ります。圧倒的にトレーニング!」と、スウィングに必要な身体作りの重要性を痛感している様子だ。同組で練習ラウンドを回っていた三ヶ島かなもこれに同調し、「私もアプローチかトレーニング! ウェッジしか握らないと思います(笑)」と笑顔で語った。

名探偵Hの調査ファイル:まとめ

プロによってアプローチ派、スウィング構築派、フィジカル派と意見は分かれたが、共通していたのは「ドライバーをはじめとする長い番手を打って練習する」という回答が一つもなかったことだ。

我々アマチュアが効率よく上達するための真のヒントは、この「再出発の優先順位」に隠されているのかもしれない。名探偵Hの調査はまだまだ続く……?

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