基準ヘッドは10.5度、データは実測値です

【試打クラブスペック】●ロフト角/10.5度 ●ライ角/58.0度 ●ヘッド体積/460cc ●価格(税込)/10万7800円※すべてメーカー公表値
前モデルと試打比較してから決めてほしい
GD 今回はテーラーメイド「Qi4D MAXドライバー」を分析していただきます。名前に“MAX”と冠されているように、ミスに強いモデルですね。
松尾 はい。重心設計を見ると重心距離(標準値:39.0〜40.0mm)が45.0mm。重心深度(標準値:39.0〜40.0mm)が48.0mmという設定。非常に長く、深い重心位置になっています。
関連してヘッドの慣性モーメント(標準値:4600〜4799g・㎠)が5702g・㎠と非常に大きく、従来モデルと同様なミスヒットに強い性能になっています。
GD 今回の「Qi4D MAX」をはじめ、各社が同様のモデルをラインナップさせています。ヘッドの慣性モーメントが格段に飛躍したのはいつ頃からなんでしょうか?
松尾 各社が大慣性モーメントを追求するようになったきっかけは、2007年にナイキから登場した「サスクワッチ SUMO2」の影響だと思います。左右方向の慣性モーメントが5000g・㎠を超えたモデルでした。それから2009年にキャロウェイが「FT-iQ」、2011年にピンの「G20」という流れで、続いていった形になります。

左からナイキ「サスクワッチSUMO2」、キャロウェイ「FT-iQ」
GD ヘッドの慣性モーメントを大きくするために長く、深い重心設計になっていますが、この設計方法はパーシモンヘッドの頃からあったのでしょうか?
松尾 考えとしてはありました。パーシモンヘッドの時は後方に真鍮(しんちゅう)という合金が付けられたりしていました。当時はバックメタルやサイドメタルなんて呼ばれていましたね。しかし現在ほど精度の良い、効果的な改善方法ではありませんでした。
GD ヘッド素材がメタルやチタンに変わり、現在のように自在な重心設計ができるようになったわけですか。
松尾 最初の頃は作ることで精一杯だったので、ウェイトで重心位置を変化させるのは難しかったですね。徐々に製造技術が進歩し、肉厚の薄いヘッドが作れるようになり、そして重心位置も意図的に変化させることが可能になりました。さらにカーボンのような軽量素材を採用できるまでになりました。
GD なるほど。素材と加工技術の進化によって、大慣性モーメントヘッドに辿り着いているわけですね。今モデルは「Qi35MAX」と比較するといかがですか?
松尾 前モデルはヘッドの慣性モーメントが5999g・㎠と今モデルよりも大きな値でした。(※)
数値としてはダウンしてますが、十分ミスヒットに強い性能なので、見た目の好みや打った時のフィーリングで選ばれるといいと思います。
※R&Aによってヘッドの慣性モーメントの上限は「5900g・㎠」+誤差100㎠と定められている

ヘッドの慣性モーメントが少しダウンしているが、ミスヒットの強さは十分に兼ね備えている
