マスターズウィークの月曜日。開幕を控えたオーガスタ・ナショナルGCで、片岡尚之が練習ラウンドを行った。昨年の日本オープンを制し、新たなカテゴリーによって初めてこの舞台に立つ片岡。パトロンたちの熱気が高まる中、コースを確認する姿があった。

練習ラウンドを終えたばかりの片岡と、指導にあたる谷将貴コーチに、現在の仕上がりと本番への戦略について話を聞いた。

気をつけるポイントが多すぎる

月曜日の時点で、片岡はすでにアウトコースを2回、インコースを1回、計1.5ラウンドを消化している。初めて実際に歩いたオーガスタの印象は、想像以上にタフなものだったようだ。

画像: 片岡尚之。昨年の日本オープンで勝ち、今年のマスターズ出場権を獲得。全英オープンへの出場も決まっている

片岡尚之。昨年の日本オープンで勝ち、今年のマスターズ出場権を獲得。全英オープンへの出場も決まっている

「いやもう、すごいです。テレビで見ていた感じよりも、さらにすごいなという印象です。アップダウンも激しいし、距離もすごく長い。何よりグリーンの傾斜がとにかくすごいです。こんなところでやっていいのかというくらい難しいですね」

練習では例年のピンポジションを想定して回っているというが、攻略ルートの複雑さには戸惑いを感じているという。

「傾斜も強いですし、外した時のリスクを考えて練習していると、正直時間が足りないです。気をつけるポイントが多すぎて、本当に難しいなと感じています」

この日は、マスターズチャンピオンの松山英樹と一緒に回った。片岡にとっては、技術だけでなく、メジャーでの「振る舞い」を学ぶ時間になったようだ。

画像: 松山英樹と初めて回ったという片岡。松山が片岡の緊張感をほぐすかのように終始リラックスムード

松山英樹と初めて回ったという片岡。松山が片岡の緊張感をほぐすかのように終始リラックスムード

「松山さんは自分のやるべきことをやっている感じでした。あまり質問して邪魔をするのも違うなと思ったので、間近で見られる時間を大事にして、どこからどう練習するのか、どこに時間を使うのかを見て学んでいました。初めて一緒に回ったんですが、アイアンの入れ方や球の質がやっぱり違うなと。そこもすごく勉強になりました」

コースマネジメントについては、オーガスタの罠にはまらないよう、守るべきところは守る姿勢を強調する。

画像: 「オーガスタは思った以上に距離が長い」と言う片岡

「オーガスタは思った以上に距離が長い」と言う片岡

「このグリーンの傾斜なので、ショットはピンにこだわらず、なるべくセンターに打っていくようにします。普段の試合よりバーディチャンスにはつきにくいと思いますが、我慢してやっていきたい。なのでパー5でバーディを取る必要がありますが、基本は3オン狙いです。13番も昨日は2オンを試みたのですが、成功の確率が2割くらいの感じだったので、刻んでバーディを狙うのが僕のイメージです」

ビギナーズラックの勢いで挑んでほしい

3年半前から片岡を指導してきた谷将貴コーチは、教え子が有言実行でこの場所に立ったことを高く評価している。

画像: 高弾道のアイアンショットはオーガスタで有利に働く。谷コーチとスウィングを調整して夢の舞台に臨む

高弾道のアイアンショットはオーガスタで有利に働く。谷コーチとスウィングを調整して夢の舞台に臨む

「コーチに就くときには、僕は必ず夢を聞くんです。彼ははっきりと『マスターズ出場』と言っていました。それを日本オープン優勝という新しいカテゴリーで決めてきた。誰が何と言おうと、自力で夢をかなえたのは本当に立派なことです」

今回のオーガスタ攻略のために、二人が取り組んできたのは「球の高さ」だ。

「準備してきたのは特にアイアンの弾道を高くすることです。そのために少しスウィングを調整しました。高さ対策として7番ウッドも入れています。彼は北海道出身なので、ボールが沈む洋芝に対してアイアンで強く打ち込みにいく癖がありましたが、そこも調整してきました。ただ、オーガスタの芝は意外と球が浮くので、本人も『打ちやすい』と言っています。そこはプラスですね」

谷コーチは、初めての舞台だからこその「勢い」に期待を寄せている。

「オーガスタはいろいろと難しい場所ですが、怖さを知りすぎる前に、ある意味『ビギナーズラック』のような感覚でいってほしいですね。彼はパットがうまいので、ショットが噛み合えば面白い。周りは世界のトップばかりですが、一つでも上の順位を目指してほしいと考えています」

目標は「まず予選通過」

練習日にもかかわらず、コースを埋め尽くすパトロンの数は想像以上。その雰囲気に片岡も圧倒されたという。

画像: まだ月曜日なのにこのパトロンの数!

まだ月曜日なのにこのパトロンの数!

「今までに見たことがないような景色で、すごいなと思いました。でも緊張はなくて、今はすごく楽しいです。18番のティーショットの狭さや、11番の2打目がすごく距離が残ったりと、とても難しいですが、毎ホール気づきがあります」

最後に、今大会の目標を語った。

画像: 得意のパットでオーガスタの急傾斜を攻略できるか

得意のパットでオーガスタの急傾斜を攻略できるか

「まずは2日間でしっかり決勝ラウンドに進めるように頑張りたい。風が吹くとかなり難しくなると思いますが、スコアは1日イーブンを目指します。予選を通過して、残りの2日間でどこまで上位にいけるか。そこに挑戦したい」

気負いすぎることなく、松山英樹のプレーと練習を参考に、オーガスタを確認した片岡。初メジャー、初マスターズでどんなプレーを見せるのか、若武者の挑戦を楽しみに待ちたい。

PHOTO/Yoshinori Iwamoto


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