
ドライバーのポジションがいつの間にか替わっていたという仰天エピソードを披露したブルックス・ケプカ(写真は26年マスターズ初日、撮影/岩本芳弘)
バーディも5つ獲ったがボギーもそれと同じ数だけ打ってイーブンパー「72」だった初日。ラウンド後、練習場で球を打っているときに、あることに気づいた。
「ドライバーの設定がA1からB1に切り替わっていたのです。誰もそのことに気づきませんでした。練習場で普段のA1に戻したらドライバーが格段に良くなりました」
ケプカが使用しているのは16段階の設定が可能なタイトリストの「GT3ドライバー」。A1は標準ライ角でB1は0.75度ライ角がフラットな設定。初日のケプカはストローク・ゲインド(SG):オフ・ザ・ティーはマイナスで、0.42ストローク失ったが、2日目はティーショットで1ストローク近く稼いでおり、データ的にもA1に戻して正解だったというわけだ。
「あとはパットがもう少し決まってくれれば6アンダーくらい出せた気がします」
PGAツアーに復帰した今シーズン、ここまでトップ10はコグニザント・クラシック(9位タイ)の1回だけ。しかし本人は「調子が良すぎて“なんでも打てる”と思って攻め過ぎていた」と打ち明けた。
セッティングが難しいオーガスタではあえて攻めないマネジメントが必要だが、その点も十分心得ている。
「勝つためになにが必要かはわかっています。あまりアグレッシブになり過ぎず流れに乗ることが大切です」
ローリー・マキロイがひとり突っ走っている状況で2日目を終え、9打差をつけられた。逆転は厳しそうだがゴルフは何が起きるかわからない。
立て続けにメジャー5勝を挙げたケプカだが23年に全米プロゴルフ選手権に勝って以来、得意のメジャーで優勝争いに絡んでいない。昨年は全米オープン(12位タイ)以外のメジャー3試合で予選落ちを喫した。
だがケプカは「ゴルフ愛が再び芽生え始めた」と語る。
「以前よりずっと楽しんでいます。毎週試合に出るのが本当に楽しみで、コース内外で幸せであることがどれほど素晴らしいかを実感しています」
とりわけ2歳のひとり息子クリュー君の存在は大きい。
「息子が人生にバランスを与えてくれたのは確かです。今朝、車でコースに来る途中“クリュー、ゴルフ。クリュー、ゴルフ”といい続けていました(笑)。帰ったら彼は庭でボールを追いかけ回るはずです。そういう時間があるからゴルフに集中できる」
次にマスターズで勝ったらケプカはチャンピオンズディナーで大好物の宮崎牛を振る舞うはずだ。





