
マスターズで逮捕劇があった
華やかなゴルフの祭典はチケットを手に入れるのがもっとも難しいスポーツイベント。週末のチケットはときに何百万円もの高値で取引され、オーガスタナショナルはチケットの転売を憂慮し入場バッジの規制を強化している。
そんななか、オーガスタプレス紙の報道によると、サウスカロライナ在住の36歳の男性がゴルフ場から出てきた観客に近づきチケットを要求したとして不法侵入容疑で逮捕された。バッジでの再入場をたくらんでいたのだ。男性は拘置所に移送され285ドルの保釈金を払い釈放された。
実はオーガスタにはこんな信じられない逸話もある。最終日の翌日、抽選でメディア関係者がコースをプレーできるのだが、それは、米ゴルフダイジェスト誌がかつて紹介した、とある“都市伝説”のようなストーリーだ。顔見知りの記者3人のグループに、1人の見知らぬ若者が交じっていたという。若者は20代、謎めいた雰囲気でほとんど口を利かず同伴した記者たちは「きっとインターンか何かだろう」と思っていた。
夕暮れが迫りグループが15番パー5に差し掛かった時、若者は200ヤード以上先のグリーンに向かってクリーク越えのショットを打とうとした。キャディは止めたが彼は構わず5番アイアンを振り抜いた。驚くべきことに打球はクリークを越えてグリーンで2バウンドしてピンに当たりカップに消えた。
みんなが興奮した。伝説のパー5で無口な若者がアルバトロスを達成したのだ。同伴競技者がハイタッチとハグで祝福。キャディは「ここでアルバトロスをマークしたのはジーン・サラゼンしかいない。君が2番目だ」と感嘆の声を上げた。しかしラウンド後、若者は全員に奇妙なお願いをした。
「このことは誰にも話さないで!」。後に判明したのは彼が別人の身分証を使って紛れ込んでいたということ。この物語は今でも幻のアルバトロス伝説として語り継がれている。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年4月28日号「バック9」より
