「林間コースのよう」「アメリカっぽい」選手を唸らせる本格セッティング
利根パークゴルフ場は、JR取手駅から徒歩8分という抜群のアクセスを誇りながら、一般的な河川敷の1.5倍もの敷地面積を持つ。フラットな地形に豊富な木々が立ち並び、ゆったりとしたレイアウトが特徴だ。

堤防の上から利根パークゴルフ場を望む
練習ラウンドをしたツアープロたちも、そのクオリティに舌を巻く。ツアー3勝の実績を持つ時松源藏は、「思っていたより河川敷っぽくないですよ。どこにも堤防が見えないし、2グリーンで小さくて、速いところは速くて難しい。楽しめます」と語る。また、逆輸入プロの森山友貴も「ちょっとアメリカっぽいかも。普段試合をやらない感じのコースで不思議ですが、とても楽しいです」と、独特の雰囲気を満喫している様子だ。
同コースを運営する東日本興産株式会社の親会社であり、今大会の主催を務める東日本振興株式会社の取締役兼取手国際ゴルフ倶楽部総支配人で、PGAトーナメントプレーヤーでもある安達典男プロは、胸を張ってこう語る。
「よく『本当に河川敷ですか? 林間コースみたいですね』と言われます。前4(特設ティー)もなければ、人工芝のティーグラウンドもありません。河川敷によくある、隣のホールと区切るトラ杭(ワンペナ)もない、本格的なコースなんです」
プロアマ戦では、安達プロに同伴した杉原大河が320ヤードのパー4で見事ワンオンを見せるなど、ダイナミックなプレーを引き出せる舞台であることが証明されている。
さらに、水害時の基準などが厳しい河川敷において、3年がかりの交渉の末に日本で唯一「電磁誘導式の乗用カート」を導入している。これにより、キャディがいないACNツアーの開催が可能となったという裏話もある。
大会開催の裏にある、井口社長の「若手プロと頑張るベテランへの愛」

所属プロである亀代順哉と写真に収まる東日本振興の井口晴雄・代表取締役社長(撮影/岡沢裕行)
この大会の仕掛け人である、東日本振興の井口晴雄・代表取締役社長。姉妹コースの取手国際ゴルフ倶楽部では、これまでACNツアーの最終戦を8回開催し、レギュラーツアーの舞台も提供してきた。彼が今回、12月という直前の決定にも関わらず、利根パークゴルフ場での新規大会開催に踏み切った最大の理由は、若手プロたちへの深い愛情だ。
「若い頃から彼らの面倒を見てきて、みんな本当に可愛いんです。でも実情を知ると、試合も稼ぎの場もなくて、すごく苦労している。そういう若いプロや頑張っているベテランたちを応援したいというのが一番の思いです」
レギュラーツアーへの登竜門であるACNツアーを、下部からもしっかりと支えたい。その“頼れる兄貴分”としての熱意が、新たな戦いの場を生み出した。
ゴルフを身近に。「町おこし」としての新たな試み
そしてもう一つ、今大会には「地域密着とゴルフ普及」という重要なテーマが込められている。「コロナ禍を機にゴルフを始めたけれど、お金がかかるなどで辞めてしまった方も多い。そういう人たちに、もう一度ゴルフに興味を持ってもらいたいんです」と井口社長は語る。
利根パークゴルフ場は、品川駅から乗り換えなしで到着でき、地域住民がふらっと足を運びやすい立地にある。そのため、「入場無料」で開放するのはもちろん、コースの一部を堤防側からも観戦できるように工夫を凝らした。
「取手市、守谷市、つくばみらい市の3市に後援についていただき、町おこし的な意味合いも持たせています。市をまたいでの後援はなかなか珍しいこと。地元の方々にどんどん来ていただき、観戦マナーなども知ってもらいながら、ゴルフというスポーツの面白さを身近に感じてほしいですね」
若手プロたちの熱きサバイバル戦と、地元の人々が気軽にゴルフを楽しめる祝祭空間。利根川のほとりで幕を開ける「ニュータス カップ」は、これからのゴルフトーナメントの新しい在り方を示す、熱気と温かさに満ちた3日間となりそうだ。

