世界のゴルフファンを魅了するマスターズの舞台、オーガスタナショナルGCに19番ホールがあった!?のをご存じだろうか。
画像: オーガスタナショナルGCのコース図

オーガスタナショナルGCのコース図

19番ホールといっても俗に言うクラブハウスのバーやラウンド後の飲み会ではない。1932年にアリスター・マッケンジー博士がゴルフコースの設計を最終決定した際、当時としては珍しい約90ヤードの19番ホールをデザインしていたのだ。図面を見ると現在の9番と18番のグリーンに挟まれ手前と奥にクラブハウスと並行して2つのバンカーが配されている。

バンカーの上の右サイドにカップが切られればリスクを負って攻めるか、安全に左の広いエリアを狙うか決断を迫られる。短くも巧妙なホールである。

マッケンジー博士はこのホールを『ダブル・オア・クイツ』と名付けた。その由来はスコットランドにまつわる。18ホールを終えて負けた選手に最後の挽回のチャンスを与える場所という意味で、乗るかそるか、倍(ダブル)か退場か。ゴルフの衣を着たギャンブルであり、ゴルフのもっとも正直な側面だともいえる。オーガスタナショナルGCの創始者である球聖ボビー・ジョーンズも19番ホールを承認していた。

世界でもっとも排他的で敷居の高いプライベートクラブの一つであるオーガスタナショナルが開場したのは大恐慌の真っ只中。財政的には苦しかったようで、ジョーンズはこの土地を初めて見たとき「ここは長年誰かがゴルフコースを造ってくれるのを待っていた」と言い、会員制クラブを設立した。

実際の19番ホールは、クラブハウスからの眺望などの理由で実現されず。それでもこの19番ホールは練習グリーンに姿を変えて今もゴルファーを迎え入れている。

かつて売れ残っていた周辺の土地には近年新たな施設が続々と誕生して拡大。例えばVIPだけが入場できるショップやレストランなど一大アミューズメントスポットとなっているのだ。19番ホールが造られた時代とは隔世の感がある。

※週刊ゴルフダイジェスト2026年5月5日号「バック9」より


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