
フィッツパトリックはイングランド生まれの31歳。DPワールドツアー9勝、PGAツアー4勝
かつては小平智やパン・チェンツェンらダークホースが勝つサプライズ大会だったが、優勝賞金6億円近いシグネチャーイベントに格上げされてからはビッグネームの勝利が続き、今年もメジャーチャンピオン同士のV争いとなった。
フェアウェイが狭く、全ホールに池が絡むトリッキーなコースに強風が吹いた最終日。赤と白の灯台がランドマークのハーバータウンGLに大ギャラリーが詰めかけシェフラーを応援するUSAコールが鳴り響いた。しかし完全アウェイの空気にも「僕はサッカーを見て育ったのでアウェイでも大丈夫。シェフラーを応援してくれてむしろありがたかった。ファンの皆さんが僕を奮い立たせてくれました」と言うフィッツパトリックがプレーオフ1ホール目、残り209ヤードの第2打を4番アイアンでピンそば4メートルに寄せバーディ。劇的な優勝を決めた。するとシェフラーは「勝者にふさわしい素晴らしいプレーだった」と相手を称賛した。
ウィニングショットになった4Iを使ったのは「今週あの1打だけ。少し引っ掛けましたが距離は完璧。素晴らしいショットが打てました」。
その裏には1年前、この大会で出会ったマーク・ブラックバーンコーチとのスウィング改造があった。
「彼は僕のスウィングの長所と短所を洗い出しベストな状態に仕上げてくれました。一番大きな変化はフォローで腕を引き戻す動きを入れたこと。腕が体から離れないようにしたらアイアンの精度が格段に上がった。少しの変化が信じられない成果を生みました」
ここ2シーズン、トップ30入りを逃し最終戦のツアー選手権に出られなかった。しかしバルスパー選手権で3年ぶりに勝利すると、RBCヘリテージで今季2勝目一番乗り。そしてツアー唯一のチームであるチューリッヒクラシック・オブ・ニューオーリンズでは、弟のアレックスとともに出場し、続けざまに3勝目まで挙げてみせた。
世界ランクは自己最高の3位。「まだまだ上達できる」とさらなる高みを目指している。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年5月12・19日号「バック9」より(一部加筆修正しています)
