圧倒的な強さでゴルフ界の頂点に君臨する世界ランキング1位、スコッティ・シェフラー。彼がその強さを維持し続ける背景には、ゴルフという枠に囚われない、他競技のトップアスリートからの飽くなき学びの姿勢がある。2026年4月30日に開幕する「キャデラック選手権」のプロアマ戦で、シェフラーはモータースポーツの最高峰・F1ドライバーである「チェコ」ことセルジオ・ペレスと同組でプレーし、異次元の刺激を受けたことを明かした。

マイアミで実現した、F1ドライバーとの豪華プロアマ

今週のマイアミは、PGAツアーだけでなく、週末に開催されるF1マイアミグランプリの熱気に包まれている。その交差点として実現した豪華なペアリングは、シェフラーにとって単なるエキシビション以上の意味を持っていた。

「F1についての知識はそれほど多くないんだ。でも、彼らがいかにしてレースに向けた準備をしているのか、そして一年間を通じて、世界中にあのマシンをどうやって運んでいるのかといった裏側の話を聞くのは、本当に興味深かった」と、シェフラーは興奮気味に振り返った。

世界1位が感銘を受けたF1の「準備」と、自身の「休養」の哲学

世界中を飛び回るPGAツアーの過酷なスケジュールに身を置くシェフラーにとって、国境を越えて巨大なチームと機材を移動させるF1の物流(ロジスティクス)や、過酷な環境下で戦うドライバーのコンディショニングは、大いに共感と関心を呼ぶテーマだった。

ラウンド中、彼らは有酸素運動(カルディオ)の取り入れ方などについても言葉を交わしたという。シェフラーは「チェコのように、プロスポーツの厳しい世界で成功を収め、頂点を極めた人物と話をするのは素晴らしい経験だ。彼らがどのようなメンタリティを持ち、どう物事にアプローチしているのかを知るのは、僕の最も好きなことの一つなんだ」と語る。メンタルトレーニングの具体的な手法を教わるというよりも、過酷な勝負の世界を生き抜くトップの「心の持ちよう(メンタリティ)」に直接触れることで、大きな刺激を受けていた。

F1ドライバーの過酷な準備や動き続ける世界に感銘を受ける一方で、シェフラー自身の「準備」に対する哲学は非常に明確かつ対照的だ。ビッグイベントが続くPGAツアーを戦い抜くため、彼は「コースでできるだけ多くの時間を過ごすことではなく、限られた時間で準備をし、家に帰ってしっかり休むこと。脳と体を本当に戦える状態にするにはオフタイムが不可欠だ」と語る。他競技の過酷なアプローチをリスペクトしつつも、あえて休養を最重要視して心身をリセットする独自のスタイルを持っている点が、世界1位たる所以だろう。

直近の惜敗と、勝負を分ける「紙一重」への意識

画像: 謙虚な探求心が武器のスコッティ・シェフラー(写真は26年ペブルビーチ・プロアマ、撮影/岩本芳弘)

謙虚な探求心が武器のスコッティ・シェフラー(写真は26年ペブルビーチ・プロアマ、撮影/岩本芳弘)

また、シェフラーはペレスのゴルフの腕前にも素直に感銘を受けていた。

「プロスポーツの最高レベルに到達しながら、別のスポーツでも上手くプレーできるというのは、本当に難しいことだ。今日一緒に回った彼らは、ボールをしっかりと飛ばし、素晴らしいショットをいくつか見せてくれた」

一流の動体視力とボディコントロールを持つF1ドライバーは、ゴルフコースの上でもその身体能力の片鱗を見せつけていた。

現在、154週連続で世界1位をキープし続けているシェフラーだが、直近の2大会(マスターズ、RBCヘリテージなど)では連続して2位と惜敗を喫している。彼は会見で、「ゴルフでは良いショットが悪いバウンドになることもあれば、悪いショットが良いバウンドになることもある。最後の2ストロークの差は、そうした小さな出来事の積み重ねだ」と語った。

彼が他競技のトップから熱心に学ぼうとする背景には、この「勝敗を分ける紙一重の差(マージナル・ゲイン)」を少しでも埋めたいという絶対王者の渇望がある。「誰が相手であっても、常に学ぶべき何かがあると感じている」と語る謙虚な探求心こそが、彼の最大の武器なのだ。

時速300キロでコースを駆け抜けるF1ドライバーの流儀から新たなインスピレーションを得たシェフラー。異業種のトップ同士が交わしたマイアミでの濃密な時間は、難攻不落の「ブルーモンスター」へ挑む彼をさらなる高みへと押し上げるに違いない。


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