2026年4月30日、10年ぶりにPGAツアーの舞台として復活したトランプ・ナショナル・ドラル(7739ヤード・パー72)の「ブルーモンスター」。キャデラック選手権の初日は、単独首位に立ったキャメロン・ヤングが8アンダー「64」という圧巻のスコアをマークした。その一方で、現在の絶対王者である世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーは、1アンダー「71」の27位タイと、彼にしてはやや静かでフラストレーションの溜まるスタートを切ることとなった。マスターズを含む直近2大会で連続2位で好調のまま乗り込んできた絶対王者だからこそ、この静かな滑り出しはより際立って見える。

偉業「連続トップ25入り」の更新はどうなる?

現在、PGAツアーにおいてシェフラーは驚異的な記録を継続している。彼が出場大会で最後にトップ25を逃したのは、2024年のBMW選手権(33位タイ)まで遡る。それ以降、実に「29試合連続トップ25入り」という、現代ゴルフにおいて信じがたい安定感を誇っているのだ。また、現在ツアー最長となる「72試合連続予選通過」という大記録も保持しており、今週の予選カットのないキャデラック選手権で更新は確実になっている。

しかし、初日のラウンドは決して順風満帆とは言えなかった。序盤、最初の5ホールを3アンダーと見事なスタートを切ったシェフラー。誰もが王者の貫禄を見せつけるラウンドになるかと思われたが、そこからスコアの動きがパタリと止まってしまう。

「調子が狂った時に元に戻せなかった」パットの苦悩と王者の苛立ち

ラウンド後の会見に現れたシェフラーは、自身のプレーに対して厳しい評価を下した。

画像: 初日1アンダーながらも不満が多かったスコッティ・シェフラー(撮影/岩本芳弘)

初日1アンダーながらも不満が多かったスコッティ・シェフラー(撮影/岩本芳弘)

「今日はもう少しシャープになれたらよかった。良いスタートを切ったが、そこから少し苦戦してしまった。全体的に明日はもっとシャープになりたい」

失速の最大の原因はグリーン上にあった。

「今日はいろいろなチャンスを活かしきれなかった。パットをいくつか決められたはずだし、フェアウェイももう少しキープできたはずだ」

シェフラーはさらに、自身の状態をこう分析する。

「少し調子が狂った時に、それを元に戻すことができず、今日は一つもショットを盗む(スコアを稼ぐ)ことができなかった。自分が打つべきだと思ったスコアよりも、少し高くなってしまった」

事実、彼のパットは中盤以降、カップに嫌われ続けた。「2番、3番、5番で良いパットを決めたが、それ以外はほとんど入らなかった。14番か15番のナイスパーパットを除けば、最初の数ホール以降は何も決められなかった」と、フラストレーションを隠さなかった。

実はこの日、パットが決まらずに苛立ってコースから上がってきた直後のシェフラーに対し、記者からプレーとは全く関係のない「LIVゴルフの選手のツアー復帰についてどう思うか?」という場違いな質問が飛んでいた。これに対し、シェフラーは苦笑いしながら「今、ゴルフコースから上がってきたばかりだ。私に何を求めているんだ(笑)」 と質問をバッサリと切り捨てている。自分のゴルフが思い通りにいかなかった悔しさと、プレー以外の雑音をシャットアウトしたい王者のリアルな感情が浮かび上がる一幕だった。

初見の難コースに対する王者の見解と、逆襲へのシナリオ

今大会の舞台であるドラルは、シェフラーにとって今週初めてプレーするコースだ。しかし、情報不足が言い訳になることはない。「数日の練習で十分な情報を得られる。ストレートなコースとは言わないが、ほとんどが目の前に見えている。ティーからの決断にそれほど戦略は多くない」と、難関ブルーモンスターの構造自体はすでに把握している。

初日を終え、首位のヤングとは7打差の27位タイ。まだ気が早いが、トップ25入りという記録の継続にはあと1打差だ。しかし、優勝争いに加わるためには、2日目以降のバウンスバックが不可欠となる。パッティングのわずかなズレを修正し、「もう少しシャープになれたらよかった」という自身の課題をクリアした時、世界1位の本当の恐ろしさが姿を現すはずだ。残り3日、絶対王者の巻き返しから目が離せない。

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