三種類の素材を重ねた多層フェースを搭載するキャロウェイ「クアンタムシリーズ」に、ミニドライバーがラインナップされた。クラブ設計家の松尾好員氏は「ティーショットでの飛距離性能に磨きがかけられた」と分析し、歴代モデルと比較しながらその性能を紐解いた。
基準ヘッドは11.5度、データは実測値です
画像: 【試打クラブスペック】●ロフト角/11.5度 ●ライ角/57.0度 ●ヘッド体積/340cc ●価格(税込)/9万3500円※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】●ロフト角/11.5度 ●ライ角/57.0度 ●ヘッド体積/340cc ●価格(税込)/9万3500円※すべてメーカー公表値

ティーショットを想定した設計

GD 今回はキャロウェイの「クアンタム ミニドライバー」を分析していただきます。キャロウェイとしては3代目に当たるミニドライバーになります。歴代モデルもこの連載で取り上げましたね。

松尾 そうですね。「パラダイム Ai スモーク Ti 340 ミニ」や、前モデルの「エリートミニ」はティーショットで活躍する性能になっていました。今モデルも同様の設計意図を感じました。

画像: 左から「パラダイムAiスモーク340ミニ」、「エリートミニ」、「クアンタムミニ」

左から「パラダイムAiスモーク340ミニ」、「エリートミニ」、「クアンタムミニ」

GD 具体的にどのデータから感じられましたか?

松尾 まずは、規格のヘッド体積が歴代モデルと同じ340ccになっているところです。おそらく、契約プロがティーショットで使う際に290ヤード前後を打てるようにするための施策だと思います。

GD PGAツアーの選手たちを見ていると、通常のドライバーでは優に300ヤードを超えています。フェアウェイが狭いようなホールで、飛びすぎを防ぐための設定というわけですね。

松尾 そうですね。また、今モデルはクラブ長さが前モデルの「エリートミニ」よりも0.25インチ長くなっています。加えて、リアルロフトが前モデルでは12.8度でしたが、今モデルは11.7度と立てられています。
 
この組み合わせから考えられるのは、ティーショットでの飛距離性能をさらに進化させる狙いがあるということです。加えて、フェース角がスクエアフェースになっているのも特徴の一つですね。歴代モデルではオープンフェースだったので、わずかにつかまり感を持たせています。

画像: 今モデルはリアルロフトが立てられている

今モデルはリアルロフトが立てられている

GD なるほど。よくミニドライバーのキャッチコピーには「芝の上からでも扱える」といった文言が書いてあります。ティーショットと芝上の両方で活躍できる設計なのでしょうか?

松尾 ヘッド体積だけで言えば300cc、大きくても320ccあれば十分芝からでも打てます。しかし、今回の「クアンタム ミニ」もそうですが、フェアウェイウッドと比べるとディープフェースです。そして高重心設計になっているため、芝の上から直接打つのは難しいと思います。

GD となれば、キャロウェイが340ccという体積を守り続けているのは、あくまでティーショットをメインに考えているからかもしれませんね。

画像: 左から「パラダイムAiスモーク340ミニ」、「エリートミニ」、「クアンタムミニ」。ヘッド体積の規格値を340ccで守り続けている

左から「パラダイムAiスモーク340ミニ」、「エリートミニ」、「クアンタムミニ」。ヘッド体積の規格値を340ccで守り続けている

松尾 そうですね。一方で、通常のドライバーよりも短く、小ぶりな設計なので操作性は抜群です。これらを踏まえると、フェアウェイが狭いホールやドッグレッグがきついホールで、飛距離を抑えながら確実にフェアウェイをキープしたい時の「セカンドドライバー」として使うのがベストだと思います。


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