全国から問い合わせが殺到するという、知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」。クラブナビゲーター・吉田朋広氏が注目ギアを徹底検証・解説する本企画。今回は、6月4日に発売されたばかりのフジクラ「26 VENTUS TR」シリーズを2週にわたり試打検証する。今週は、新作「26 VENTUS TR BLACK」をピックアップ。人気のヘッドであるPING「G440 MAX」とテーラーメイド「Qi4D(コアモデル)」に装着し、それぞれの相性を探っていこう。

6月4日に発売されたフジクラ「26 VENTUS TR」シリーズを2週にわたり検証。先週の「TR RED」に続き、「26 VENTUS TR BLACK」を検証していきます。前回と同様、人気のヘッドであるPING「G440 MAX」とテーラーメイド「Qi4D」に装着してその相性を探ります。

「26 VENTUS TR BLACK」は「TR」シリーズの第2世代であり、「VENTUS TR BLACK」の後継モデルにあたります。遠目でも一目で分かるアイコニックなデザインは踏襲されつつ、マットブラックの手元部分には「TR」シリーズの象徴であるクロス材を見せるデザインが採用されています。

画像: 26 VENTUS TR BLACKとPING G440 MAXとテーラーメイドQi4Dのヘッド

26 VENTUS TR BLACKとPING G440 MAXとテーラーメイドQi4Dのヘッド

今回は、主力スペックになるであろう「5S」と「6S」を検証していきたいと思います。

PING G440 MAX(10.5度)× TR BLACK 5S

●TR BLACK 5Sシャフトスペック
61グラム/トルク3.5/元調子
PING G440 MAX(10.5度)装着時 
45.25インチ/振動数269CPM

まずはPING「G440 MAX」に装着して打ってみましょう。TR BLACKらしい手元部分のしっかりとした剛性感は、ターゲット層に対して決して硬すぎることはなく、元調子ながら高い負荷をかけても潰れる感覚がありません。

中間やや上辺りまでは硬さの中にほんのりと軟らかさが感じられ、そこから先端にかけてはしっかりとした剛性感があります。先端部分は「VEROCORE PLUS」によって強いインパクトに対応する補強が施されていますが、ガチガチな印象はありません。インパクト時には、硬さの中にほんの少しだけヘッドを前に押し出してくれるような感覚があります。

画像: 吉田氏が考える26 VENTUS TR BLACK 5Sと6Sのチャート①

吉田氏が考える26 VENTUS TR BLACK 5Sと6Sのチャート①

弾道は中・高弾道。高さは抑えられているものの、上がりにくさは感じませんし、想像以上にボールのつかまり感もあります。測定時のバックスピン量は2400rpm(±200)ほど。ロースピン設計らしく、ボールの吹け上がりを感じることはないでしょう。

G440 MAXとの組み合わせは、「TR BLACK」という名からイメージする手強さをあまり感じさせません。しなりの少ない、スッキリとした振り心地です。ヘッドスピードが速くなくても意外と打ちやすく感じられるはずですので、興味がある方はぜひ一度試してみる価値のあるマッチングです。

テーラーメイド Qi4Dコアモデル(10.5度)× TR BLACK 5S

●TR BLACK 5Sシャフトスペック
61グラム/トルク3.5/元調子
テーラーメイドQi4D(10.5度)装着時
45.5インチ/振動数268CPM

続いてテーラーメイド「Qi4D」に装着して打ってみます。ダウンスウィングの際、手元部分の硬さに少し違いを感じました。G440 MAX装着時よりも、シャフト全体にシャープな動きが感じられ、よりスッキリとしたフィーリングになります。

潰れに強い手元から先端にかけて余計な動きがないので、自分の思い通りにインパクトを作っていけるイメージです。しなり量が抑えられている分、インパクトエリアではスピード感を体感できるほどです。

シャフト先端部分は硬すぎることもなく、スウィングエネルギーをしっかりとボールに伝えてくれます。ヒッタータイプでもボールが上がりすぎない設計なので、スウィンガータイプであれば弾道はやや低めになるでしょう。私の場合、測定時の打ち出し角は14度(±1)、バックスピン量は2300rpm(±200)でした。

バックスピンが増えすぎることはないため、スピン量を抑えたいヒッターに非常に適しています。そしてスウィンガー・ヒッターの両方に共通するのは、左右のブレのなさです。特にアスリートゴルファーが嫌がる「左へのミス」を低減し、弾道の安定性を実感できるでしょう。「TR BLACK」らしさを存分に味わえるマッチングです。

PING G440 MAX(10.5度)× TR BLACK 6S

●TR BLACK 6Sシャフトスペック
69.5グラム/トルク3.1/元調子
PING G440 MAX(10.5度)装着時
45.25インチ/振動数276CPM

6Sは5Sと同様に人気の高いスペックです。早速G440 MAXに装着して打ってみましょう。
独自のクロス材(SPREAD TOW FABRIC)によるしっかりとした剛性感がありつつも、切り返し時に硬すぎることはありません。強い負荷をかけても余分な潰れ感がなく、非常に気持ち良く切り返すことができます。

5S同様、中間から先端にかけては一体感のある挙動で、自分のスウィングでしっかりとインパクトを作っていける安心感があります。先端部分もハードさの中に「ボールをひと押ししてくれるゆとり」があるため、想像以上に扱いやすく、弾道の打ち分けもしやすく感じられます。

特にG440 MAXは後方に重いウェイトを搭載した重心深度の深いモデルなので、高い弾道が容易に打てました。一般的に、高い弾道を打とうとして(インパクト時の)ロフト角が増えるとバックスピン量も多くなりがちですが、測定時のバックスピン量は2500rpm(±200)ほどで安定するため、飛距離ロスは生じにくいでしょう。

この組み合わせは、ヘッド本来の方向安定性をさらに高めてくれます。左右のブレを嫌うアスリートゴルファーにとって大きなメリットとなるはずです。余分な動きがないしっかりとしたフィーリングを好む方に最適で、切り返しのタイミングさえ合えば、ハードヒッターでなくても十分に使いこなせる性能を秘めています。

テーラーメイド Qi4Dコアモデル(10.5度)× TR BLACK 6S

●TR BLACK 6Sシャフトスペック
69.5グラム/トルク3.1/元調子
テーラーメイドQi4D装着時
45.5インチ/振動数279CPM

最後にテーラーメイド「Qi4D」に装着して打ってみます。こちらも5S同様、G440 MAX装着時と比べてシャフト全体が引き締まったシャープなフィーリングに感じられます。

フィジカルの強いプレーヤーに合わせて設計されているため、切り返しで強い負荷をかけても潰れ感がなく、レスポンスの良さが際立ちます。強く負荷をかけると部分的にしなりが大きくなるシャフトもありますが、この「TR BLACK」は余分な動きが出ず、常に一体感があります。

69.5グラムという重量ながら先重感も少なく、シャフトの動きが少ない分、ヘッドのポジションを感じ取りやすいのが特徴です。先端部分は当たり負けしないのはもちろん、フェース面でボールを押すイメージがあるため、スウィングパワーを効率的にボールへと伝えてくれます。

画像: 吉田氏が考える26 VENTUS TR BLACK 5Sと6Sのチャート②

吉田氏が考える26 VENTUS TR BLACK 5Sと6Sのチャート②

標準ウェイトポジションでの弾道イメージは中弾道。測定時のバックスピン量は2400rpm(±200)でしたが、フェードをかけても2700rpm(±200)に収まるため、スピン量は少なめのシャフトと言って良いでしょう。

このマッチングは「TR BLACK」の方向安定性がいかんなく発揮され、特に左のミスを防ぎたいアスリートゴルファーにとって、イメージ通りの弾道(特にフェード系のボール)が打ちやすく感じられるはずです。

アマチュアゴルファーのフェードはバックスピン量が多くなりがちですが、「TR BLACK」ならスピンが抑えられ飛距離ダウンを防げます。「VENTUS BLACK」シリーズに求められる絶対的な安心感を随所に感じられるモデルですので、これまでの同シリーズユーザーにはぜひとも試していただきたいと思います。

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