
【Nelly Korda】国籍:アメリカ。1998年生まれ。圧倒的な強さで世界ランキング1位に君臨し、2021年の東京五輪では金メダルを獲得。メジャー大会は、2021年全米女子プロ、2024、2026年シェブロン選手権、2026年全米女子オープンで優勝するなど現代の女子ゴルフ界を牽引する存在。父のペトルはテニスの元全豪王者、姉のジェシカもプロゴルファーという名門一家
「連続試合出場は3までと決めています」
ネリー・コルダといえば常にナンバーワンに君臨し続けているイメージがあるが、年単位で見ると成績は安定していない。
データをチェックすると、1年おきに勝ちを量産する“好調シーズン”が来る。今季の勝ち星はすでに4だが、2025年は0(参戦数19)、2024年は7(参戦数16)、2023年は0(参戦数18)。
「2021年に初めてメジャータイトル(全米女子プロ)を獲得し、その年に東京五輪でも優勝しましたが、その勢いをキープすることができませんでした。ゴルフはまるでジェットコースターのようなスポーツです」と、その浮き沈みぶりをネリー本人が語る。
もともと首や腰など故障が多い選手であり、今も常にケガを意識しながらのプレーだが、トレーニングや試合数を絞ること、メンタルの安定などが結果につながっている。
スケジュールについては、昨年末に「最長でも3試合までで、4試合続けることはしない」と連戦を避ける計画を明かし、実際、3月19日〜の「ファウンダーズカップ」から、4月2日〜の「アラムコ選手権」に3連戦したのが最長。連戦の前は1月29日〜の「トーナメント・オブ・チャンピオンズ」の後、3月19日〜の「ファウンダーズカップ」まで6週間の“空き”を入れた。
2016年にプロ転向し、これまでツアーで戦ってきた経験から「自分のマックスを知るのは大切なこと」と語る。ただ、試合のない空き週=休み、ではない。6週間の期間も「実際に休んだのは5日間だけ」と言う。家やジムでたっぷり汗を流すことで「練習場でひたすら打つよりも『早く試合に出て結果を出したい』という思いが高まりました」と、そのリフレッシュ効果を明かす。
試合数を絞ることで精神的な余裕を生み出す一方、トレーニングで自らを追い込むのがネリー流。この考え方に理解を示すのは、米ゴルフ専門メディアのシニアライター、ベス・アン・ニコルズ氏だ。
「ネリーは本当に多くのケガをしてきたし、それは彼女の姉(プロゴルファーのジェシカ・コルダ)、弟(プロテニスプレーヤーのセバスチャン・コルダ)も同じ。その経験からトレーニングを重視するというのはいいことだと思う。パフォーマンスという点だけでなく、選手寿命という意味合いでもね」
出場試合数を絞ることについては「選手にとってはいいと思いますが、ツアーとしては興行的な意味で厳しいでしょうね」。ツアー側としては、ネリーのような人気選手はできるだけ多くの試合に出てほしいもの。その“折り合い”が難しい。

上半身のトレーニングはさほど好きではないというネリーだが、この背中の筋肉はアスリートそのもの
ただ、「その問題は昔からあること。タイガーやアニカも出場試合数は十分ではないと言われていました。試合に出ることは単に肉体的に疲労するというだけではないんです。往年の名選手、ミッキー・ライトもそうだったと聞きます。人気選手であるほどツアーの重責を背負い、そのプレッシャーたるや、われわれの想像を絶するほどだそうです」。
そういった事情もあり、トレーニングにより一層力を入れるようになったという最近のネリー。ただ、その“より一層”は“普通の女子プロゴルファー”のそれにはとうてい見えない。ネリーいわく「私はプロゴルファーのようにトレーニングをしようとはしていません。アスリートのようにトレーニングしようとしているんです」。“アスリートのようなトレーニング”とは、どういうことだろう。それは、彼女が育ってきた環境にも大きな理由がありそうだ。
驚異の勝率!2026年シーズン途中経過

ネリー・コルダの2026年途中勝率
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試合数を絞り、空いた時間を休養ではなく「アスリートとしてのトレーニング」に全振りするネリー・コルダ。しかし、彼女が口にする“トレーニング”は、我々が想像する女子プロゴルファーのそれとは次元が違いました。
続く【後編(有料版)】では、専門家が「一般人は絶対に真似するな、危険だ」と警鐘を鳴らす、世界女王の【異常なトレーニングメニュー】の全貌を大公開します!
● 最強のDNA:全豪オープンテニス覇者の父を持つ、フィジカルエリート一家の知られざる秘密。
● スランプを救った魔法の言葉:「プロゴルファーのネリーじゃなくていい」。婚約者の存在と、「スウィングは完璧でなくていい」という無敵のメンタルを手に入れた理由。
なぜ彼女は勝ち続けられるのか。圧倒的な強さを支える「肉体」と「精神」の深淵を、ぜひ後編で目撃してください。
取材・写真/南しずか
週刊ゴルフダイジェスト6月30日号



