タイトリストの新プロダクト「GTS」シリーズが6月11日に発売されました。前作の「GT」シリーズはUSPGAツアーで高い使用率を誇った人気モデルですが、「GT」にSPEED & STABILITYの“S”をプラスした「GTS」シリーズは、日本での発表前にPGAツアーで多くのプロがスイッチしたことで大きな話題となりました。
「GTS」シリーズのドライバーは、「GTS2」「GTS3」「GTS4」の3モデルがラインナップされています。
「GT」シリーズで採用されたポリマー素材「PMP」の使用範囲を大幅にアップさせた「フルPMPボディ」を採用し、ヘッドの重心設計をさらに理想的なものへとアップデート。ボディの軽量化により各モデルに2カ所のウェイトポートを配置したことで、「GTS」シリーズのネーミングの由来となっている『S(SPEED & STABILITY)』の相反する性能を見事に両立したヘッドへと進化しています。

三菱ケミカル社「TENSEI 1K RIP」のシャフトを装着
その進化した「GTS」シリーズのヘッドパフォーマンスを支えるメーカー純正装着シャフトに採用されたのは、三菱ケミカル社の「TENSEI 1K RIP」シリーズです。純正装着されるのは「BLUE」「RED」「WHITE」の3モデル。
本国でもクラブフィッティングを重視しているタイトリストが、日本のゴルファーにもこのシャフトを標準装着とすることで、ヘッド本来のパフォーマンスを最大限に感じてもらいたいという狙いから採用しています。
今回はタイトリスト純正装着シャフト「TENSEI 1K RIP」の3モデルを、「GTS2」のロフト10度のヘッドに装着して検証してみたいと思います。
TENSEI 1K BLUE RIP:中調子シャフトの新たな基準
「TENSEI 1K BLUE RIP」には、50グラム台のBLUE RIP 55、60グラム台のBLUE RIP 65、70グラム台のBLUE RIP 75がラインナップされています。今回は「1K BLUE RIP 55 S」を検証していきます。
【1K BLUE RIP 55 S】
シャフト重量:58グラム
トルク4.5/中調子
振動数:256CPM
まず大前提として、「TENSEI 1K BLUE RIP」は「GTS」シリーズ専用シャフトではなく、本国アメリカで三菱ケミカル社のカタログにラインナップされる「TENSEI 1K」シリーズのシャフトです。「TENSEI」シリーズのBLUEは基本的に中弾道のポジションですが、どのような振り心地でしょうか。早速試していきたいと思います。
手元部分は適度にハリ感がありますが、決して硬さを感じるようなものではなく、切り返し時に大きなパワーを必要とせずにスムーズに振り下ろせます。中間部分は中調子のシャフトらしく明らかなしなりを感じられ、先端部分は穏やかな動き。採用されているマテリアルの影響だと思いますが、Sフレックスとしてはしなやかさを感じられる振り心地です。

「TENSEI 1K」シリーズ
「RIP」テクノロジーで先端部分をしっかりと補強した剛性感は、インパクトエリアでの挙動の安定性を生み出し、強めのインパクトでも当たり負ける感じはありません。標準ウェイトでやや重めの「GTS2」のヘッドでも、後方が下がってフェースが上を向くようなエラーを防ぎ、ロフト通りに打ち出すことが可能です。「GTS2」のロフト10度のヘッドで、打ち出し角は高過ぎない中弾道(12~15度)が基準となるでしょう。
バックスピン量も測定時20球平均で2500rpm(±200rpm)ほどに収まりましたので、弾道安定性を求めるアスリートゴルファーにとっても理想的です。タイトリストスリーブ(SURE FIT)の標準ポジション(A1)で左右に大きく曲がるようなボールも出ず、優れた安定性が光ります。シャフト挙動にクセがないため、振った分だけ素直にボールが前へ飛んでくれるイメージです。

吉田氏の「TENSEI 1K RIP」の評価①
日本の平均的なパワーを持つゴルファーの大半をカバーできるくらい、完成度の高いシャフトマッチングだと言えます。クラブフィッティングを重視するタイトリストの中調子シャフトの基準となる性能を持っていますので、「GTS」シリーズを試打する際は、まずこの「TENSEI 1K BLUE RIP 55 S」から試していただきたいと思います。
TENSEI 1K RED RIP:ボールのつかまりをアシストする高弾道モデル
「1K RED RIP」には、40グラム台のRED RIP 45、50グラム台のRED RIP 55、60グラム台のRED RIP 65がラインナップされています。今回は「1K RED RIP 55 S」で検証していきます。
【1K RED RIP 55 S】
シャフト重量:51グラム
トルク5.1/先中調子
振動数:254CPM
「TENSEI」シリーズのREDは高弾道設定のシャフトです。
ワッグルした際にBLUEに比べてほんのわずかですが、手元部分の剛性感が高い感じがします。しかし、決してハードなわけではなく、切り返しで大きなパワーは必要としません。シャフトの中間部分からやや下にかけてしなりを感じられる先中調子のシャフトです。
インパクトエリアでのシャフト先端部分の動きはBLUEに比べて明らかに活発で、ボールを容易にとらえるよう動くのがわかります。とはいえ、タイトリストが純正装着として用意したシャフトですので、ボールがつかまり過ぎる(引っかけチーピンが出る)ような極端な動きはありません。あくまでもインパクトでつかまりをアシストしてくれるイメージの動きです。

1K RED RIP55 S
測定器でインパクトエリアでのヘッドの動きを見ると、ほんのわずかにフェースが上を向いてくれることがわかります。弾道はBLUEに比べると打ち出し角で1~2度くらい高くなる印象です。
その際にシャフト先端部分が飛球線方向にヘッドを押してくれる動きがあるため、フェースが開いて当たることはありません。測定時20球平均のバックスピン量は2600rpm(±200rpm)ほどでしたので、先中調子のシャフトとしては安定した弾道をイメージしやすい数値に収まっています。
標準のA1ポジションでもフェードボールは出にくく、ドローボールも打ちやすいので、ボールのとらえにくさを感じることは少ないでしょう。「GTS2」と「1K RED RIP 55 S」の組み合わせなら、今まで「タイトリストのドライバーは右に逃げやすくて難しい」と感じていた方でも、難しさを感じることなく試していただけるはずです。フレックスはS以外にRとR2も用意されていますので、ヘッドスピードに自信がないゴルファーにもぜひ試していただきたいですね。
TENSEI 1K WHITE RIP:パワーヒッター向けの低弾道・低スピンモデル
「1K WHITE RIP」は、60グラム台のWHITE RIP 65、70グラム台のWHITE RIP 75、80グラム台のWHITE RIP 85がラインナップされています。今回は「WHITE RIP 65 S」で検証していきます。
【1K WHITE RIP 65 S】
シャフト重量:66グラム
トルク3.6/手元調子
振動数:268CPM
「TENSEI」シリーズのWHITEは、低弾道・低スピン性能が持ち味のシャフトです。
純正装着の手元調子シャフトとして、ある程度パワーのあるアスリートゴルファー向けに設計されているため、一般的なヘッドスピードのゴルファーだと切り返し時に手元部分に強い剛性感を感じるでしょう。手元から先端にかけて極端に大きくしなるポイントはなく、余分な動きを排したソリッドな挙動が特徴です。

WHITE RIP 65 S
先端部分には「RIP」テクノロジーによるしっかりとした剛性感があるため、ハードヒットしても当たり負け感やボールの吹け上がり感がなく、左へのミスを恐れずに思い切り振っていけます。 基本弾道はストレートからややフェードのイメージですが、スイングレベルの高いパワーヒッターならドローコントロールもしやすく感じるはずです。打ち出し角が抑えられた中弾道で、シャフトが球を上げてくれるような動きはありません。バックスピン量は測定時20球平均で2300rpm(±200rpm)ほどと少なめに出ましたので、もともとスピン量が少ない方はドロップしないよう注意が必要です。
しかし、タイトリストが想定する本来のターゲット層(ヘッドスピードが速くスピン量が多いプレイヤー)が打った場合は、理想的なバックスピン量(2600rpm前後)にピタリと収まる設計になっており、極めて高い弾道安定性を発揮します。

吉田氏の「TENSEI 1K RIP」の評価②
「TENSEI 1K WHITE RIP 65 S」は、クラブフィッティングを重視するタイトリストが、パワーヒッターに向けて用意した手元調子シャフトの基準となる1本です。このシャフトを試打のスタート地点とし、そこからさらに重い重量や硬いフレックスを探っていくことで、自身のパワーを最大限に活かす理想的なスペックを見つけ出すことができるでしょう。


