
昨年大会はデンマークのラスムス・ニアガード・ピーターセンが地元のキャメロン・スミスを下して優勝した
全豪オープンは、DPワールドツアー(欧州ツアー)との共催契約を3年間の予定で延長することを発表した。同時に今回、PGAツアー(米国)と初めてとなる提携が実現することになった。昨年はローリー・マキロイが出場して大いに盛り上がったが、今年はさらに賞金が大幅に増額される予定だ。
1904年創設という伝統ある全豪オープンが、昨年ロイヤルメルボルンGCで開催された際の賞金総額は200万豪ドル(約2億2600万円)。これが今年どの程度まで増額されるか、具体的な数字はまだ示されていないものの、画期的な展開であることは間違いない。
世界17カ国のナショナルオープンを共催しているDPワールドツアーの運営責任者は、「全豪オープンのような格式高い大会との提携を継続できるのは素晴らしい。改めてオーストラリアと欧州のパートナーシップの強さを示すものです。また、PGAツアーとの戦略的提携関係をさらに強化し、この大会の国際的地位の向上に貢献できる喜ばしい機会に恵まれました」と語っている。
PGAツアーはどこまで関わっているのか?
では、PGAツアーは具体的にどこまで今大会に関わっているのだろうか。
公式な「共催(Co-sanction)」自体は、これまで通りDPワールドツアーと豪州ツアーの2者によるものだ。しかし今回、PGAツアーはDPワールドツアーとの戦略的提携の枠組みを通じて、主催のゴルフ・オーストラリア(GA)と公式にパートナーシップを締結した。
直接の共催ではないものの、①大幅な賞金増額の原資提供、②世界のトップ選手が参加しやすいグローバルカレンダーの調整、③PGA所属選手への出場奨励という強力なバックアップ体制を敷いており、実質的な巨大スポンサーとして深く関わっているのだ。
LIVゴルフとの幻のプランと、今後のグローバル戦略
全豪オープンをめぐっては、別の思惑もあった。
実は今年2月、LIVゴルフの豪アデレード大会が開催された際にLIVのトップと豪州ツアーのトップが会談。例年12月に開催されている全豪オープンを2月に移行し、LIVのなかでも集客が多く毎年成功を収めているアデレード大会の前後に開催することも検討されていたのだ。しかし、LIV側の資金源が断たれたことでこの構想は白紙となった。
そして今回の決定で、「大会の世界的重要性が強化された」とDPワールド側は胸を張る。同ツアーとPGAツアーは2020年に戦略的提携をスタートさせ、両ツアーのCEOをはじめとした幹部が協議を重ねて、DPワールドツアーのポイントランク上位10名をPGAツアーに参戦させる筋道を構築してきた。 PGAツアーが欧州側の株式を40パーセント取得して賞金総額を増額させたほか、スコットランドオープンを含む複数の共催イベントを開催するなど、グローバルな観点から数々の合意に達してきた。
今回の全豪オープンへの大々的なテコ入れも、その一環といえる。PGAツアーの後ろ盾を得て新たなフェーズに突入した全豪オープン。今年12月、南半球の熱き戦いから目が離せない。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年7月7日号「バック9」より大幅に加筆修正して掲載
