レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「グリップの脱力」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本114】
画像: グリップの脱力を覚えるとフィニッシュまでクラブが振りやすくなる

グリップの脱力を覚えるとフィニッシュまでクラブが振りやすくなる

正しいクラブの握り方をチェック

画像: 手のひらではなく指で握るスクエアグリップをマスターしよう

手のひらではなく指で握るスクエアグリップをマスターしよう

GD 私の友人のYさんの指導をしていただいています。前回、原田プロからの「コロコロドリル」や「壁ドリル」などを行ったおかげで、バックスウィングでクラブを極端にインに引いてしまうクセがなくなったように見えます。グリップを変えたことも大きいようです。

原田 そうですね。徐々に正しい動きに近づいてきたと思います。でね、手のひらではなく指で握ったクラブを胸の前に立ててから、時計回りにクラブを回す「くるくるドリル」を教えました。そうしたら、Yさんも「クラブが振りやすくなりますね」と驚いていました。

画像: 指で握れているか、脱力できているかを確認するために、体の正面で時計回りにクラブをくるくる回す「くるくるドリル」をやってみよう

指で握れているか、脱力できているかを確認するために、体の正面で時計回りにクラブをくるくる回す「くるくるドリル」をやってみよう

GD 「くるくるドリル」は以前連載でも説明していただきました。改めてポイントは何でしょうか?

原田 Yさんに今までのグリップで体を起こして、体の前でクラブを立てて、時計回りにくるくる回してくださいと言いました。手のひらで握っていると、回そうとした時に、手首が固まり両わきが空いてひじが動いてしまうんですよ。でも握り方を変えて指で握ったらスムーズにクラブが動いた。それで本人が「あ、これ振りやすいです」と、グリップの脱力に気が付きました。

GD クラブを振るときの脱力の感覚がわかったんですね。

画像: 左肩にクラブが乗るフィニッシュが正解。わきを締めて腕をたたみ、腕が伸びないようにしよう

左肩にクラブが乗るフィニッシュが正解。わきを締めて腕をたたみ、腕が伸びないようにしよう

原田 指で握って、くるくるやって、そのまま左肩にクラブを乗せる。これが脱力したフィニッシュの形です。今まではわきが空いて両腕が伸びて手が体から離れちゃうから、肩に乗らなかったんです。ガチガチの力みがあるスウィングでした。くるくるドリルをやってボディターンさせたら、今までできなかったきれいなフィニッシュに変身しました。Yさんは途中で体が止まってしまうクセもありましたが、それも解消しました。

GD アドレスでのボールとの距離についても指摘していました。近すぎると懐ができず、シャンクの原因にもなるとのことでした。

体とクラブの距離もチェック

画像: 体とクラブの距離感をチェック。手をダラーンと下げて、ブラブラ振れる位置で構えると、インパクトが良くなる

体とクラブの距離感をチェック。手をダラーンと下げて、ブラブラ振れる位置で構えると、インパクトが良くなる

原田 それはコロコロドリルで正しいバックスウィングの軌道を覚える時に言いました。正しい軌道を覚える過程でどうしてもシャンクが出る。その原因は近すぎるからなんです。Yさんはボールに近すぎて懐がない状態でした。手がひざの上、太ももの辺りにほぼくっついていたので、拳1つ分、体とグリップエンドを空けるように言いました。手をダラーンと下げて、ブラブラ振れる位置で構えてくださいと言ったんです。すぐに体との距離ができるようになりました。私がこれを伝えるまで本人はそこが正しいと思い込んでいただけなんですね。

GD ボールと体の距離を確認したあと、再度テークバックで8時の手の位置を確認しました。どのような意識改革を促したのですか?

原田 Yさんもそうでしたが、テークバックでは肩を回さなきゃいけないとか、ヘッドを上げなきゃいけないと思っている人が多い。だから(スウィングを時計に見立てた)イメージクロックで腕と体が一緒に動く同一性を教えました。

GD いわゆる腕と体の一体感ですね。

バックスウィングは8時から手で上げる

画像: テークバックは体(腕と肩)でクラブを引き、8時から手を使ってクラブを上げて、トップを作る

テークバックは体(腕と肩)でクラブを引き、8時から手を使ってクラブを上げて、トップを作る

原田 イメージクロックで8時~4時をやると肩が動きますよね、これが始動です。始動は手で上げるんじゃなくて体の始動なんです。体に手がついてきて、クラブがついてくる。8時まではクラブヘッドをフェースが開かないように(ターゲットと)後方に引きます。手を使ってクラブを上げるのは8時から先なんです。

GD 今後、Yさんに続けて取り組んでほしいことはありますか?

原田 今回説明したドリルをやってほしいですね。「コロコロドリル」「壁ドリル」「くるくるドリル」です。ただ練習に行って普通に打っていてもなかなか正しい動きは身に付かないので、練習場に行ったらまずハーフスウィングのコロコロドリルを行ってスウィング軌道を確認してから、トップの位置をしっかり覚える。グリップ位置は土踏まずとかかとの間で高さは右耳の高さです。そしてフィニッシュまで脱力してグリップが左耳の近くに来るようにクラブを振る。この確認の繰り返しをすれば、真っすぐのボールが打てるようになるはずです。

GD Yさんは努力家で自分一人で黙々と練習に取り組むタイプですが、原田プロの説明に非常に納得されていました。

原田 修正前と修正後の動画を見せたのもよかったようです。最初は「何を教えてくれるのかな」という感じだったかもしれませんが、いろんなドリルを行ううちに、教わる姿勢も最後は全然違いました。これからもやり続けていただければ、しなやかにフィニッシュまで振れる素晴らしいスウィングになりますよ。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 世田谷ゴルフスクールTAJIMA、梅里CC、ENゴルフレンジ、東名CC

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