タイガー・ウッズや松山英樹が長く愛用し、世界中のゴルファーが憧れるパターブランドの魅力を追いかけるシリーズ。今回は、近年トレンドとなっている「ゼロトルクパター」を20年も前に試作していたスコッティ・キャメロンの先進性、それでも安易にトレンドに流されず「自然なストローク(弧を描くスウィング)」という自身の設計思想を守り続けるブレないクラフトマンシップに迫る。

20年先行していた“ゼロトルク”仕様のプロトタイプ

画像: FUTURA EXPERIMENTAL FUTURA PROTOTYPE:初代FUTURAが発売される前年に作られた、非常に珍しい一本。ソールには「2002(年)」の刻印がある。初代FUTURAは、ステンレスとアルミの複合ボディを持つマレットパター。革新的なフォルムのみならず、打音も非常に甲高く独特なものだったので、多くのゴルファーは衝撃を受けた

FUTURA EXPERIMENTAL FUTURA PROTOTYPE:初代FUTURAが発売される前年に作られた、非常に珍しい一本。ソールには「2002(年)」の刻印がある。初代FUTURAは、ステンレスとアルミの複合ボディを持つマレットパター。革新的なフォルムのみならず、打音も非常に甲高く独特なものだったので、多くのゴルファーは衝撃を受けた

写真は、初代FUTURA(2003年)が発売される前年に作られた、プロトタイプモデルである。

注目してもらいたいのは、このパターがいわゆる"ゼロトルク(※)"仕様だ、ということである。

※ゼロトルクパター……ストローク中にヘッドが回転(フェースが開閉)する力=トルクを抑えたパターのこと。スコッティキャメロンは、ゼロトルクとは呼ばず、ロートルクパターと表現している。

この仕様のパターは、2020年頃から「フェースをスクエアに保ちやすく、ショートパットに強い」と注目を集めた。しかし、スコッティキャメロンは、今から20年前に商品化していたわけだ。

とはいえ、スコッティキャメロンがそれを本格的にラインナップすることはなかった。2025年には限定モデルを発売したものの、あくまで「このパターは選択肢のひとつであり、これが絶対的な答えではない」と注釈をつけている。

画像: 2003年に発売された初代FUTURA

2003年に発売された初代FUTURA

これは、キャメロン氏の設計思想によるところが大きい。「ストロークは弧を描くのが自然である」とする氏の考えに、フェースの開閉を抑えるゼロトルクパターは合わないのである。

よりよい一本を求め、様々なデザインを試し、試作する。が、一貫した思想は守り抜いていく。そこには氏の曲げられない想いがあるのだ。

週刊ゴルフダイジェスト8月4日号「キャメロンマニア宣言」より

PHOTO/Takanori Miki
THANKS/スコッティキャメロン ゴルフギャラリージャパン

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